カローラクロスvsC-HR

トヨタのCセグメントSUVとして人気のカローラクロスとC-HR。サイズ感や燃費など似ている部分もあるが、異なる点もある。今回はカローラクロスとC-HRを徹底比較した。SUVの購入を検討している人は是非参考にしてほしい。

この記事の目次 CONTENTS
トヨタ カローラクロスの特徴
トヨタC-HRの特徴
1.燃費比較-カローラクロスとC-HRの燃費性能は同等レベル
2.価格比較-安価なカローラクロス。高価なりの価値があるC-HR
3.購入時の値引き術-値引き幅が拡大傾向のカローラクロスとC-HR
4.デザイン比較
5.室内空間と使い勝手
6.安全装備の比較
7.走行性能の比較-ソフトなカローラクロス。しなやかで軽快感あるC-HR
8.リセールバリュー比較-今後のリセールバリューに期待薄なC-HR
9.まとめ・総合評価
カローラクロスの価格とグレード、サイズ、燃費といったスペック
C-HRの価格とグレード、サイズ、燃費といったスペック

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

トヨタ カローラクロスの特徴

トヨタ カローラクロス トヨタ カローラクロス

トヨタ カローラクロスは、2021年9月に登場したCセグメントの新型コンパクトSUVだ。カローラという車名が入っているものの、デザインはセダンやワゴン、スポーツとは異なり、独立したモデルである。
カローラシリーズに使われているGA-Cプラットフォーム(車台)は、Cセグメント用だ。プリウスや同じC-HRなども同じプラットフォームを使っている。
ただし、他のGA-Cプラットフォームを採用したモデルには、リヤサスペンションにダブルウィッシュボーン式が採用されている。対するカローラクロスには、ややグレードが落ちるトーションビーム式が使われている。走行性に直結する部分が、まったく異なるのだ。

カローラクロスに搭載されたパワーユニットは、1.8Lハイブリッドと1.8Lガソリンの2タイプだ。ハイブリッド車の駆動方式は、FF(前輪駆動)と4WDのE-Four、1.8Lには4WDの設定はなくFF(前輪駆動)のみとなっている。

トヨタC-HRの特徴

トヨタ C-HR トヨタ C-HR

注:トヨタC-HRの画像はマイナーチェンジ前のものです。

トヨタC-HRは、2016年に発売された新型車である。特徴的な点は、デザインだ。エッジの効いた強烈なキャラクターラインが複雑に交わっている。このデザインは、良くも悪くも万人受けしない。そのため「このデザインが好き」という人にとっては非常に満足度の高いものといえる。
また、C-HRは2016年デビューなので、すでにモデル末期状態だ。しかし、予防安全装備である「トヨタセーフティセンス」は、最新世代のものへアップデートされている。右左折時の歩行者や右折時の対向車にも対応し、このクラスではトップレベルの優れた安全性能を誇る。
プラットフォーム(車台)は、カローラクロスと同じGA-Cを採用している。リヤサスペンションは、ダブルウィッシュボーン式をスポーティな走りを披露する。
燃費もクラストップレベルの実力だ。パワーユニットは1.8Lハイブリッド、ガソリン車には今では希少な1.2Lターボエンジンを搭載している。

1.燃費比較-カローラクロスとC-HRの燃費性能は同等レベル

カローラクロスの評価は 4.5
C-HRの評価は 4.5

燃費性能は以下の通りだ。(双方FF車、WLTCモード)

  ハイブリッド車 ガソリン
カローラクロス 26.2km/L(1.8L) 14.4km/L(1.8L)
C-HR 25.0~25.8km/L(1.8L) 14.9km/L(1.2Lターボ)

燃費性能は同等レベルだ。わずかな差は、車重によるものと見られる。カローラクロスの車重は1,380~1,410kgなのに対して、C-HRは1,440~1,450kgである。
カローラクロス軽量化の成功要因のひとつは、リヤサスペンションをトーションビーム式にグレードダウンされていることだ。C-HRに対して30kgも軽い。

ガソリン車は、両車で異なるエンジンが採用されているものの、燃費性能ほぼ互角である。
だが、カローラクロスの1.8Lエンジンには、アイドリングストップ機能が装備されていないのは少々残念だ。アイドリングストップ機能が装備されていれば、燃費値はさらに伸びる。

また、トヨタは「カーボンニュートラルに全力で取り組む」としている。しかし、今でもアイドリングストップを装備していないモデルを販売している点には疑問が残る。

2.価格比較-安価なカローラクロス。高価なりの価値があるC-HR

カローラクロスの評価は 3.5
C-HRの評価は 3.5

カローラクロスの価格は以下の通りだ。

1.8Lガソリン、全車CVT(FF、G Xグレード) 1,999,000円
1.8Lガソリン、全車CVT(FF、Zグレード) 2,640,000円
1.8Lハイブリッド車(FF、Gグレード) 2,590,000円
1.8Lハイブリッド車(E-Four、Zグレード) 3,199,000円

C-HRの価格は以下の通りだ。

1.2Lターボ(FF、6MT、S-Tグレード) 2,382,000円
1.2Lターボ(FF、6MT、S-T GR-SPORTグレード) 2,782,000円
1.8Lハイブリッド(FF、CVT、Sグレード) 2,745,000円
1.8Lハイブリッド(FF、CVT、S GR-SPORTグレード) 3,145,000円

同じCセグメントのコンパクトSUVであっても、見事なくらいに価格帯を分けている。
カローラクロスは、とにかく安価に見せたい狙いがある。ガソリン車のエントリーグレードでは、200万円を切る価格を付けて安さをアピールしている。エントリーグレードのG Xは、今時必須ともいえるUSB端子も無いくらいシンプルな仕様だ。実際にある程度満足できる装備となるSグレードになると、価格は240万円になる。このクラスの平均的価格だ。

全体的にカローラクロスは、C-HRよりも安価な価格設定がされている。これは、機能的な部分でコストダウンが行われた結果だ。サスペンションは、C-HRのダブルウィッシュボーン式からトーションビーム式にグレードダウンしている。
予防安全装備「トヨタセーフティセンス」で比較すると、C-HRの自動ブレーキは昼夜の歩行者と昼間の自転車の他、右左折時の歩行者や右折時の対向車も検知する。対するカローラクロスは、昼夜の歩行者と昼間の自転車にしか対応していない。C-HRよりも後に発売されたカローラクロスのほうが、性能面で物足りなさを感じる。
こうした部分などを含めると、C-HRのほうがカローラクロスより少々高価なのは仕方がない部分でもある。

3.購入時の値引き術-値引き幅が拡大傾向のカローラクロスとC-HR

カローラクロスの評価は 3.5
C-HRの評価は 4.5

トヨタ カローラクロスは、2021年9月に登場したばかりの新型車だ。本来なら、1年くらいは値引きが厳しい状態が続く。ところが、発売から半年ですでに値引きが拡大傾向にある。
値引きの要因は、納期遅れだ。コロナ禍によって部品調達ができず、ハイブリッド車を中心に大幅に納期の遅れが続いている。顧客が他社へ流出させないための値引きも含まれているようだ。
対するC-HRは、カローラクロスほどの納期遅れは発生していない。だがモデル末期なので、大幅値引きを十分に期待できる。

ただし、両車共に何もしなければ、ちょっとした値引きで終了してしまうので注意が必要だ。大幅値引きを引き出すためには、しっかりとライバル車と競合させなくてはならない。
カローラクロスとC-HRは同じトヨタ車同士なので、少々値引き交渉がややこしい。そのため、経営が異なるトヨタディーラー同士で競わせるのがコツとなる。経営母体が異なれば、同じトヨタディーラーであってもライバル関係になるからだ。

その上で、他社のライバル車も含め競合させたい。
国産CセグメントのSUVでハイブリッド車は無い。そのため、価格が300万円前後のモデルと競合させてみるといいだろう。1クラス下となるが、ホンダ ヴェゼルや日産キックスなどがある。ガソリン車であれば、マツダCX-30やスバルXVと競合させるとよい。

商談のコツは、先にライバル車の見積りを取っておくことだ。その後で本命となるC-HRやカローラクロスの商談をしたい。「とりあえず見に来た」くらいで商談するのがポイントだ。C-HRやカローラクロスが本命であると営業マンに悟られれば、値引きアップが難しくなる。
商談期間も長めにするのがコツだ。営業マンやお店がノルマ達成のため大幅値引きしてくれるかもしれない。タイミング次第なので、商談期間を長くして先方が「とにかく売りたい」と痺れを切らせるのを待つのもよい。

4.デザイン比較

カローラクロスの評価は 4.0
C-HRの評価は 3.5

万人受けのカローラクロス

トヨタ カローラクロスの外観 トヨタ カローラクロスの外観

トヨタ カローラクロスは、「アーバン・アクティブ」をコンセプトとしてデザインされた。

トヨタ カローラクロスのフロントフェイス トヨタ カローラクロスのフロントフェイス

大きな台形のグリルで、SUVらしい堂々とした安定感あるフロントフェイスを持ち、薄型LEDヘッドライトで睨みの効いた迫力も得ている。SUVのデザイントレンドをしっかり押さえながら、嫌味の無い万人受けするスタイルにまとめている。

トヨタ カローラクロスのリヤエンド トヨタ カローラクロスのリヤエンド

ただ、横長のコンビネーションランプでワイド感をアピールするリヤビューは、フェイスデザインと比べるとやや平凡な印象だ。

個性派で、好き嫌いが分かれるC-HR

トヨタ C-HRの外観 トヨタ C-HRの外観

トヨタC-HRのデザインテーマは、「セクシーダイヤモンド」だ。とくにサイドビューは、色々なキャラクターラインが複雑に交わり、キャビンを含めた形がダイヤモンド風にまとめられている。前後フェンダーの盛り上がりも、かなりこってり系である。そのため、良くも悪くもとにかく目立つ。

トヨタ C-HRのフロントフェイス トヨタ C-HRのフロントフェイス
トヨタ C-HRのリヤエンド トヨタ C-HRのリヤエンド

このデザインは、好き嫌いが明確になる。販売直後は、こうしたデザインに惹かれた顧客が一斉に購入したこともあり、販売は絶好調だった。しかし、現在では発売直後の勢いがなくなり、販売面も低迷中だ。

カローラクロスとC-HRは共に、同じCセグメントのコンパクトSUVである。トヨタは、共食いを防ぐため、あえてデザインのテイストを明確に分けている。デザイン的には、どちらが良いかというより、どちらが好きか? で選ぶのがおすすめだ。
しかし、C-HRはやや古さを感じさせるようになってきている。

5.室内空間と使い勝手

カローラクロスの評価は 4.0
C-HRの評価は 3.5

カローラクロスとC-HRのボディサイズは以下の通りだ。

  ボディサイズ(全長×全幅×全高) ホイールベース
カローラクロス 4,490mm×1,825mm×1,620mm 2,640mm
C-HR 4,385mm×1,795mm×1,550mm 2,640mm

使い勝手とスペース重視のカローラクロス、デザインと走りに特化したC-HR

トヨタ カローラクロスのフロントシート トヨタ カローラクロスのフロントシート

カローラクロスは、C-HRに対して全長で+105mm、全幅が+30mm、全高が70mm大きい。
ボディサイズの拡大により、カローラクロスの室内空間はC-HRを圧倒するほど広い。

トヨタ カローラクロスのリヤシート トヨタ カローラクロスのリヤシート

とくに、後席の足元と頭上部分のスペースは拡大されていて、クラストップレベルの広さを誇る。

トヨタ C-HRのフロントシート トヨタ C-HRのフロントシート
トヨタ C-HRのリヤシート トヨタ C-HRのリヤシート

C-HRはデザインと走行性能が優先され、ややタイトな室内空間だったが、同じプラットフォーム(車台)のクルマかと思うほどの差だ。

クラストップレベルの荷室容量であるカローラクロス

荷室容量も大きな差が付いている。

トヨタ カローラクロスの荷室 トヨタ カローラクロスの荷室
トヨタ C-HRの荷室 トヨタ C-HRの荷室

カローラクロスの荷室容量は、クラストップレベルとなる487Lを確保した。C-HRは318Lと、こちらも大差がついた。荷室の広さは、部品点数の少ないトーションビーム式を採用したことも影響している。
カローラクロスの荷室は、容量を重要視したため、リヤシートを倒すと荷室との段差ができる。通常の使い方であれば、段差はそれほど気にならない。だが、車中泊などをする人にとっては、かなり気になる部分だろう。カローラクロスのディーラーオプションである、「ラゲージアクティブボックス」を設定すれば、リヤシートと荷室がフラットになる。車中泊も可能になり使い勝手が増すだろう。

最小回転半径は、両車共に5.2mだ。狭い駐車場などでの取り回しはまずまずである。
また、悪路などの走破性に影響する最低地上高は、カローラクロスが160mmに対してC-HRは140mmだ。カローラクロスもそれほど最低地上高が高くないので、過酷の悪路には向かない。さらに、C-HRの最低地上高はカローラクロスより低いので、SUVなのに悪路は得意ではない。

6.安全装備の比較

カローラクロスの評価は 3.5
C-HRの評価は 4.5

自動ブレーキなどの予防安全装備は、日々進化しているため、最新モデルほど高性能化する傾向にある。ところが2021年に登場したカローラクロスは、2016年に登場した設計の古いC-HRに機能面で負けている。

2020年の改良でトップレベルの安全性能であるC-HR

トヨタ C-HRのインパネ トヨタ C-HRのインパネ
トヨタ C-HRのメーター トヨタ C-HRのメーター

C-HRは、2020年の改良でトヨタの予防安全装備である「トヨタセーフティセンス」がアップデートされた。かなり高機能化され、国産車トップレベルの実力を得ている。自動ブレーキの機能は、昼夜の歩行者と昼間の自転車を検知する。加えて交差点内のなどの右左折時の歩行者や右折時の対向車も検知し、それぞれ衝突回避、もしくは被害軽減が可能だ。

後発ながら予防安全装備面で少し劣るカローラクロス

トヨタ カローラクロスのインパネ
トヨタ カローラクロスのメーター トヨタ カローラクロスのメーター

新型であるカローラクロスは、一世代前のトヨタセーフティセンスを装備している。昼夜の歩行者、昼間の自転車に対応するものの、交差点などでの歩行者や対向車は検知対象外だ。
その他、緊急操舵支援機能などもカローラクロスには装備されていない。

後側方車両接近警報(ブラインドスポットモニター)は、車線変更時に後側方から接近するクルマを検知し、衝突の可能性があると警報を発してくれる機能である。カローラクロスでは全車オプションもしくは装備不可だ。C-HRはG系グレードに標準装備で、その他はオプションもしくは装備不可である。
その他の予防安全装備もC-HRの方が充実している。予防安全装備では、C-HRがカローラクロスを圧倒している。

7.走行性能の比較-ソフトなカローラクロス。しなやかで軽快感あるC-HR

カローラクロスの評価は 3.5
C-HRの評価は 4.0

トヨタ カローラクロスのエンジンルーム トヨタ カローラクロスのエンジンルーム

トヨタ カローラクロスとC-HRの1.8Lハイブリッド車は、システム出力122psを誇る。実用性と燃費重視のパワーユニットなので、とくにパワフルな印象はないものの不満もない。両車共に静粛性も高いレベルにある。
そして、カーボンニュートラルが叫ばれる中、ガソリンエンジンは少々微妙だ。しかも、カローラクロスの1.8Lエンジンにはアイドリングストップ機能が装備されていないので、できる限り選択肢から外したい。

カローラクロスの1.8Lエンジンの出力は140ps&170Nmだ。対するC-HRの1.2Lターボエンジンの出力は116ps&185Nmである。カローラクロスの1.8Lエンジンは、高回転まで回すとなかなかパワフルで、静粛性もかなり高いレベルにある。

トヨタ C-HRのエンジンルーム トヨタ C-HRのエンジンルーム

C-HRの1.2Lターボエンジンは、絶対的な排気量が1.2Lと小さい。そのため、街中でのストップ&ゴーでは、ターボラグの影響でアクセルレスポンが物足りなく、ややストレスを感じる。ターボの過給がしっかりかかれば、なかなかパワフルだ。気持ちよい走りをアシストしてくれる。

カローラクロスのハンドリング性能に、スポーティなキビキビとした印象はない。適度に穏やかなので、むしろ運転しやすい。万人受けするハンドリングといえる。
カーブではそれなりにクルマの傾きを感じるが、不満はない。ただし、基本的に乗り心地重視の仕様だ。
カローラクロスのトーションビーム式のリヤサスペンションは、C-HRのダブルウィッシュボーン式と比べると、仕組みの差からゴトゴトとした乗り味で、路面が悪いとやや突き上げが出る。ところがカローラクロスは、そうした特性をボディ取り付けブラケットや微振動に対応した柔らかめのブッシュを使って対策している。低中速域での乗り心地はかなり良好で、タイヤも乗り心地に貢献している。高い速度域で大きなGが発生するようなカーブでなければ、十分なレベルの走りも可能である。トーションビーム式でも、国産車でこれだけ良好な乗り心地を出すモデルは数少ない。

対するC-HRは、カローラクロスと真逆ともいえるハンドリング性能を誇る。最低地上高が140mmで全高も低いこともあり、重心が低く、まるでSUVとは思えないほどシャープで安定した姿勢でカーブを曲がる。
カーブでも高い速度域でしっかりしている。ダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンションの恩恵で路面追従性も高く安定している。高速域での走りは、やはりカローラクロスより1枚上手だ。
乗り心地も良好である。サスペンションは、やや硬めというか、しなやかさがある。路面の大きな凹凸も硬めに感じるものの、収まり具合はカローラクロスより上の印象がある。

端的にまとめると、実用面の低中速域重視ならカローラクロス、低中速域から高速域まで、すべての面でスポーティなキレのある走りが楽しめるのがC-HRがおすすめだ。

8.リセールバリュー比較-今後のリセールバリューに期待薄なC-HR

カローラクロスの評価は 4.0
C-HRの評価は 3.5

トヨタ カローラクロスは登場したばかりのモデルなので、リセールバリューは予想である。

一般的に、トヨタ車のリセールバリューは高い傾向にある。さらに人気のSUVかつハイブリッド車であれば、高いリセールバリューが付く可能性が高い。オプションでは、パノラマルーフが装備されていれば、プラス査定になるだろう。

より高いリセールバリューが期待できるのは、最上級グレードのハイブリッドZだ。
C-HRの中古車相場は、2017年式ハイブリッド車上級グレードのGで、約180~220万円だ。新車価格が約290万円だったので、中古車価格は新車価格の62~76%程度になっている。安価な価格帯の車両でも高値を維持している。
だが2019年式の中古車相場は約200~250万円だ。年式が2年新しくなっても20~30万円程度しか高くなっていない。中古車を購入するのであれば、なるべく高年式を選んだ方がよいだろう。
C-HRで、より高いリセールバリューになると予想できるのは、ハイブリッド車のGR SPORTかGグレードだ。とくに、GR SPORTは高査定が期待できるだろう。
今のところやや高めのリセールバリューを維持しているC-HRだが、この先はやや不透明感がある。デビュー直後は非常に高い人気があったC-HRだが、最近の販売状況は完全に沈黙状態が続いている。新車での人気低迷は、中古車販売にも影響している。リセールバリューが低くなる傾向にあるからだ。SUVという人気カテゴリーなので、一気にリセールバリューが下落するとは思えない。だが、徐々にリセールバリューが下がっていく可能性があることは覚悟する必要がある。

9.まとめ・総合評価

トヨタ カローラクロスとC-HRは、同じCセグメントのコンパクトSUVだ。トヨタは共食いを避けるため、この2台のキャラクターを大きく変えている。どちらも実力伯仲の良いクルマなので、どの項目を重視するかによって異なる選択になるだろう。

例えば、価格(ガソリン車)や乗り心地、居住性、使い勝手を重視するのであればカローラクロスがおすすめだ。
スポーティな走りとハンドリング、トップレベルの予防安全装備、個性的なデザインを優先するのであればC-HRだ。
どちらも、1.8Lハイブリッド車の超低燃費性能は共通して優れている。

  カローラクロス C-HR
総合得点(40点満点) 30.5 31.5
1.燃費 4.5 4.5
2.価格 3.5 3.5
3.購入時の値引きしやすさ 3.5 4.5
4.デザイン 4.0 3.5
5.室内空間と使い勝手 3.5 3.5
6.安全装備 3.5 4.5
7.走行性能 3.5 4.0
8.リセールバリュー 4.0 3.5

カローラクロスの価格とグレード、サイズ、燃費といったスペック

トヨタ カローラクロスの価格

 
  ガソリン車(FFのみ) ハイブリッド車(FF) ハイブリッド車(E-Four)
G“X” 1,999,000円 - -
G 2,240,000円 2,590,000円 2,799,000円
S 2,400,000円 2,750,000円 2,959,000円
Z 2,640,000円 2,990,000円 3,199,000円

トヨタ カローラクロスのスペック

 
代表グレード トヨタ カローラクロス ハイブリッドZ E-Four
ボディサイズ(全長×全幅×全高) 4,490mm×1,825mm×1,620mm
ホイールベース 2,640mm
最低地上高 160mm
サスペンション 前:マクファーソンストラット、後:ダブルウィッシュボーン
車両重量 1,510kg
総排気量 1,797cc
エンジン型式/種類 2ZR-FXE/直4 DOHC16バルブ
エンジン最高出力/最大トルク 98ps(72kw)/5,200rpm/14.5kg-m(142N・m)/3,600rpm
フロントモーター最高出力/最大トルク 72ps(53)kw/16.6kg-m(163N・m)
リヤモーター最高出力/最大トルク 7.2ps(5.3kw)/5.6kg-m(55N・m)
WLTCモード燃費 24.2km/L
ミッション 電気式無段変速機
最小回転半径 5.2m
タイヤサイズ 225/50R18

C-HRの価格とグレード、サイズ、燃費といったスペック

トヨタC-HRの価格

<1.2Lターボ車> 

  6速MT FF CVT FF 4WD
S-T 2,382,000円 2,415,000円 2,613,000円
S-T GR SPORT 2,782,000円 2,815,000円 3,013,000円
G-T 2,682,000円 2,715,000円 2,913,000円

<1.8Lハイブリッド車>

  FF
S 2,745,000円
S GR SPORT 3,145,000円
G 3,045,000円

トヨタC-HRのスペック

 
代表グレード トヨタC-HRハイブリッド S GR SPORT
ボディサイズ(全長×全幅×全高) 4,390mm×1,795mm×1,550mm
ホイールベース 2,640mm
最低地上高 140mm
サスペンション 前:マクファーソンストラット、後:ダブルウィッシュボーン
車両重量 1,450kg
総排気量 1,797cc
エンジン型式/種類 2ZR-FXE/直4 DOHC16バルブ
エンジン最高出力/最大トルク 98ps(72kw)/5,200rpm/14.5kg-m(142N・m)/3,600rpm
フロントモーター最高出力/最大トルク 72ps(53)kw/16.6kg-m(163N・m)
WLTCモード燃費 25km/L
ミッション 電気式無段変速機