- この記事の目次 CONTENTS
- 5代目レクサスLSがマイナーチェンジ
- 外観デザインの大きな変更はなし
- より進化した予防安全装備を搭載
- 自動運転時代へ向けてハンズオフ機能がプラスさた「アドバンスドライブ」を搭載
- 国内レクサスに純ガソリン車は必要か?3.5L V6エンジンを改良
- 要改善項目だった乗り心地を向上
- レクサスLS価格
5代目レクサスLSがマイナーチェンジ
レクサスは、日本を代表する高級セダンであるLSをマイナーチェンジし、販売を開始した。
初代レクサスLSの発売は、1989年だ。
当時の車名は、セルシオ。
レクサスブランドは、国内に導入されていなかったため、セルシオとして販売されたのだ。
その後、3代目まで、LSはセルシオとして販売されてきた。
しかし、2006年、国内でレクサス販売がスタートすると、4代目から日本のレクサス店で販売されるようになった。
同時に、セルシオは姿を消した。
そして4代目は、10年以上も販売され続ける、ご長寿モデルとなった。
2017年には、満を持して現行の5代目が登場。
世界的に流行っていた、クーペルックなシルエットをもつセダンとして発売された。
そのルックスと同様に、エモーショナルな走りを実現したモデルであった。
今回はデビューから3年が経過したこともあり、通常サイクルのマイナーチェンジである。
外観デザインの大きな変更はなし
今回のマイナーチェンジでは外観デザインが若干変更されているものの、大きな変更はなかった。
大きな変更がないということは、グローバルでLSのデザインが高く評価されているということだ。
逆に、大きな変更がされている場合、評価が低いということになる。
ただ、よりデザインの完成度を高めるために、随所に微妙な変更が加えられた。
フロントバンパーコーナー部には、縦基調のキャラクターラインを配置。
オーバーハングが短く見えるデザインとした。
また、フロントバンパー下端のメッキモールをサイドまで回り込む造形とすることで、伸びやかさを表現。
そして、レクサスのデザインアイコンであるスピンドルグリルはダークメタリックに変更され、フォーマルなシーンに似合う、高級車らしい演出がされている。
さらに、リヤコンビネーションランプ内のメッキモールは、ピアノブラックに変更された。
これにより、厚みを感じるランプ形状となった。
ヘッドランプと調和させることで、走り去っていくときの存在感を際立たせることが狙いだ。
スポーティグレードの“F SPORT”では、サブラジエーターグリルのガーニッシュをサイドまで回り込ませることで、一段とワイドなスタンスを強調。
また、専用色のスピンドルグリルや20インチホイールなどを装備し、“F SPORT”らしいスポーティなスタイルにまとめている。
ボディカラーで注目したいのは、新しいシルバー塗色だ。
これは、銀影(ぎんえい)ラスターと呼ばれ、新開発のカラーになる。
銀影(ぎんえい)ラスターは、レクサス最新のシルバーとして、光輝材(アルミフレーク)を含んだ塗料の体積を凝縮させる「ソニック工法」を応用。
蒸着アルミを高密度で敷き詰める最新の塗装技術を採用してている。
この銀影ラスターは、鏡面のように粒子感をほとんど感じさせない滑らかな質感をもつ。
周囲の僅かな光も繊細にとらえ、様々な表情を見せる特別なシルバーといえる。
なかなかユニークなボディカラーで、実際にクルマを見ると、アルミ材のようなリアルな金属感がある。
より進化した予防安全装備を搭載
LSは、予防安全装備面である「レクサスセーフティシステム+A」を全車に標準装備。
同時に、各機能を拡充/進化させている。
「レクサスセーフティシステム+A」は、LS専用ともいえる先進の予防安全装備だ。
この機能が活躍するのは、自車線内の歩行者やガードレールのような連続した構造物に対して「ブレーキ制御だけでは衝突の可能性が高い、かつ操舵制御によって衝突を回避できる」とシステムが判断した場合だ。
警報とブレーキ制御に加え、アクティブ操舵回避支援が作動し、衝突回避または衝突被害軽減を支援する。
この操舵回避支援は、LSのみに装備された機能だ。他のレクサス車には装備されていない。
この優れた予防安全装備は、マイナーチェンジ前のモデルではエントリーグレードに装備されていなかった。
同じLSでも、安全性能面で大きな違いがあったのだ。
今回のマイナーチェンジで、「レクサスセーフティシステム+A」が全車標準装備化されたことで、LSはどのグレードを選んでも安心して乗れるモデルとなっている。
また、より実際の事故パターンに近いケースに対応するために、交差点右折時に前方から来る対向直進車や、右左折時に前方から来る横断歩行者も検知可能とした。
さらに、低速時の衝突回避または被害軽減をサポートする、低速時加速抑制などの機能が追加されている。
そして、新たな取り組みとしてレクサスチームメイトが採用されている。
人とクルマが気持ちの通った仲間のようにお互いを高め合い、共に走るというトヨタ独自の自動運転の考え方「モビリティ チームメイト コンセプト」に基づいて開発された高度運転支援技術だ。
ディープラーニングを中心としたAI技術も取り入れ、運転中に遭遇しうるさまざまな状況を予測し、それに対応することを支援する。
レクサスチームメイトは、ソフトウェアのアップデートを活用して、ユーザーの手に渡った後も機能の追加、性能向上が可能。
年式がある程度古くなっても、制御系のアップデートにより最新の機能をもつことができる。
自動運転時代へ向けてハンズオフ機能がプラスさた「アドバンスドライブ」を搭載
LSの2021年発売予定のモデルには「アドバンスドライブ」が用意される。
この機能は、高速道路などの自動車専用道路での運転において、ドライバー監視のもと、システムが適切に認知、判断、操作を支援し、車線・車間維持、分岐、レーンチェンジ、追い越しなど行う機能だ。
同じような機能は、すでに日産が「プロパイロット2.0」としてスカイラインに搭載済みだ。
ドライバーはアクセル、ブレーキそしてハンドル操作からも解放されることで、長時間の運転における疲労の軽減が可能となる。
結果的に、より安全に走行が可能となる運転支援機能だ。
一度経験すると、ハンズオフ状態の運転はかなり疲労が軽減できる。
また、LSは大型のセダンということもあり、狭い場所での駐車は多くの人が苦手としている。
今回投入されたアドバンスパークは、ドライバー監視のもと、カメラと超音波センサーを融合し全周囲を監視。
ハンドル操作、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジの全操作を車両が支援する。
同時に、俯瞰映像に車両周辺の死角や目標駐車位置などを常に表示し、安全/安心でスムーズな駐車を実現。
モタモタすることなく、かなりスピーディでスムーズな駐車が可能なシステムになっている。
国内レクサスに純ガソリン車は必要か?3.5L V6エンジンを改良
今回のマイナーチェンジでは、3.5LのV型6気筒ツインターボエンジンが改良された。
これにより、使用頻度の多い走行領域での、エンジントルクの立ち上がりが向上。
また、電動駆動方式で過給圧を制御するウェイストゲートバルブのバルブ開度を緻密に制御したことで、アクセル操作に対して発生するエンジントルクの精度を高め、車両の加速レスポンスを向上させた。
さらに、燃焼室形状の最適化により、燃焼効率を向上。
出力、燃費性能、静粛性を向上させている。
その他、コンロッド形状の最適化や、クランクシャフトのクランクピン径を拡大することで軽量化および剛性向上による優れた静粛性を両立している。
また、可変バルブタイミング機構(VVT)を油圧制御化し、軽量化。
オイルコントロールバルブをVVT内部に配置する構造とすることで、応答性の向上も図っている。
より気持ちよく走るエンジンとして改良が行われた、V6 3.5Lターボエンジン。
ただし、422ps&600Nmという出力の変更はない。
また、ハイブリッド車も大きな変更はないようだ。
今回改良を受けた3.5L V6ターボエンジンは、洗練さを増し高級車に相応しいエンジンとなった。
しかし、クルマは現在電動化が進められており、近い将来純ガソリン車の販売が禁止される流れになっている。
このような未来が見えてきている中、ガソリンエンジンの大幅改良に意味があるのかは、少々疑問が残る。
むしろ、ハイブリッドシステムの更なる進化の方が、重要なのではないだろうか。
とくに日本マーケットにおいては、ハイブリッド車が主流だ。
今後、さらに環境を重視しなければならい自動車メーカーとしては、今回のマイナーチェンジで純ガソリン車の廃止をアピールしてもよかったのではないだろうか。
要改善項目だった乗り心地を向上
LSは、ランフラットタイヤを採用している。
このランフラットタイヤの影響もあり、LSの乗り心地は少々粗い印象があった。
今回のマイナーチェンジでは、この乗り心地の改良と同時に、静粛性の向上も行われた。
乗り心地を左右するのは、減衰力可変ダンパーのAVSだ。
今回のマイナーチェンジでは、新たに設計した油圧制御用ソレノイドのオイル流量制御バルブの流路を拡大。
これにより減衰力を低減した。
また、要改善ポイントであったランフラットタイヤは、縦バネ剛性を少し落とした。
さらに、スタビライザーバーのばね定数、バウンドストッパーの先端剛性などの最適化を行っている。
その他、エンジンマウント内のオリフィスを変更したり、減衰特性の変更を行い、室内に伝わる振動や衝撃を低減した。
これらの改善により、LSの乗り心地は大幅に改善した。
また、2WD車については、フロントサスペンションを高強度アルミ鍛造アームに変更し、ばね下質量を約3.5kg軽量化させた。
これによって、路面からの入力をボディへ伝わりにくくすることで乗り心地を向上させている。
レクサスLS価格
LS500h (ハイブリッド)2WD (FR)
- “EXECUTIVE”:16,870,000円
- “version L”:14,930,000円
- “F SPORT”:13,510,000円
- “I package”:12,190,000円
LS500h(ハイブリッド) AWD(4WD)
- “EXECUTIVE”:17,280,000円
- “version L”:15,340,000円
- “F SPORT”:13,920,000円
- “I package”:12,600,000円
LS500(ガソリン) 2WD (FR)
- “EXECUTIVE”:15,390,000円
- “version L”:13,450,000円
- “F SPORT”:12,340,000円
- “I package”:10,730,000円
LS500(ガソリン) AWD(4WD)
- “EXECUTIVE”:15,800,000円
- “version L”:13,860,000円
- “F SPORT”:12,440,000円
- “I package”:11,140,000円
LSのカタログ情報
- 現行モデル
- 平成29年10月(2017年10月)〜現在
- 新車時価格
- 980.0万円〜1799.0万円
LSの在庫が現在31件あります
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