ホンダe vs 日産リーフ徹底比較!国産のEV(電気自動車)対決

自動車ニュース / ガリバー

2020.11.6

ホンダe vs 日産リーフ徹底比較!国産のEV(電気自動車)対決

※本記事内に安全装備への言及がありますが、安全装備には作動条件や限界があります。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。

ホンダe vs 日産リーフ徹底比較!国産のEV(電気自動車)対決

欧州のCAFÉ(企業別平均燃費基準規制)に影響を受け、EV化が一気に進んでいる。
これまでは、「国産の量産乗用EV」というと、ほぼ日産リーフ一択だったが、2020年度は各メーカーから多くのEVが発売予定だ。
今回はそんなEVの中から、パイオニアともいえるリーフと、最新のホンダeを徹底比較。航続距離、価格、デザイン、車内空間、安全装備、走行性能などさまざまな角度から比較評価する。

この記事の目次 CONTENTS
ホンダeの特徴
日産リーフの特徴
1.航続距離比較
2.価格比較
3.購入時の値引き術
4.デザイン比較
5.室内空間と使い勝手
6.安全装備の比較
7.走行性能の比較
8.リセールバリュー比較
9.まとめ・総合評価

これまでは、「国産の量産乗用EV」というと、ほぼリーフ一択だった。
しかし2020年度、国内自動車メーカーから多くのEV(電気自動車)がリリースされる。
2020年10月発売のホンダeを皮切りに、2021年1月にマツダMX-30、発売日は未定だがレクサスUX300eも登場予定だ。

一気にEV化が進む背景には、欧州のCAFÉ(企業別平均燃費基準規制)が大きく影響している。
欧州ではCO2排出量を95g/km以下にしないと、多額の罰金などが科せられるのだ。
罰金を避けるためには、燃費のよいハイブリッドやPHEVを増やすか、CO2の排出量がゼロのEV比率を上げるしかない。

現状、日本では関係ない規制ではあるが、欧州の動きに影響を受け、続々と新型EVがデビューしている。
「どうせEVを売るなら母国である日本でも」ということだろう。
すでに、ホンダeやMX-30のEVも、日本より先に欧州で販売が開始されている。

そこで、今回はEV界のパイオニアともいえるリーフと、最新EVであるホンダeを徹底比較する。

ホンダeの特徴

ホンダeは、2020年10月に発売されたEVだ。
癒し系の可愛いデザインながら、走行性能にこだわり、後輪駆動を選択。
EVらしい先進性をアピールするため、世界初の5つのスクリーンを水平配置するワイドビジョンインストルメントパネルを採用している。
今まで見たことのないような、ユニークなインパネデザインも魅力だ。

ホンダe

搭載されるリチウムイオンバッテリーの容量は、35.5kWh。
航続可能距離はグレードにより異なるが、エントリーグレードがWLTCモードで283kmとなっている。

日産リーフの特徴

量販EVとして初代リーフが登場したのは、2010年12月。
現行の2代目リーフは、2017年10月に販売を開始した。
2代目リーフのリチウムイオンバッテリーの容量は、2タイプ。
40kWhと62kWhだ。
40kWh車と62kWh車とでは、モーター出力も異なり、ユーザーの使い方によって選択できるようになっている。

リーフ

航続距離は、WLTCモードで40kWh車が322㎞、62kWh車が458㎞だ。

1.航続距離比較

ホンダeの評価は3.0点
リーフの評価は4.0点

電費は同等、航続距離は電池容量が大きいリーフが圧倒

ホンダeの全長が3,895mmなのに対して、リーフは4,480mmとなっている。
ボディサイズは、ひと回り以上リーフが大きい。

航続距離は、ホンダeのベーシックグレードがWLTCモードで283㎞、アドバンスが259㎞。
搭載されるリチウムイオンバッテリーの容量は35.5kWhだ。
これに対して、リーフはホンダeより大きなバッテリーを搭載。
40kWh車で322㎞、62kWh車が458㎞という航続距離になっている。

ホンダeのエンジンルーム
リーフのエンジンルーム

バッテリー容量が大きいリーフの航続距離が長いのは、当然。
重要なのは1kWh当りの走行距離、いわゆる電費だ。
ホンダeのエントリーグレードの電費は、1kWhの電力で8.0㎞、アドバンスは7.3㎞走行できる。
対するリーフは、40kWh車が8.1㎞で62kWh車が7.4㎞だ。
本来ならボディサイズが小さいホンダeの方が電費は良くなるはず。
しかし、驚くことにひと回り以上大きなリーフとホンダeの車重がほぼ同じなのだ。
ホンダeベーシックグレードの車重は1510㎏、アドバンスは1540㎏となっている。
リーフは40kWh車が1490~1530㎏、62kWh車が1670~1680㎏だ。
なんとリーフの40kWh車は、ホンダeより大きなバッテリーを搭載し、ボディサイズがひと回り以上大きいのにホンダeより軽いことになる。

さらにリーフの62kWh車の電費は、ホンダeより重いにもかかわらず、ホンダeより優れている。
単に電費という面だけでは、EVのパイオニアであるリーフが優れていることになる。
ホンダeは車体の軽量化が、今後重要になるだろう。

2.価格比較

ホンダeの評価は2.5点
リーフの評価は3.0点

やや高価な印象が強いホンダe

ホンダeの価格は、エントリーグレードが4,510,000円、アドバンスが4,950,000円となっている。
リーフの価格は、40kWh車が3,326,400~4,189,900円、62kWh車が4,411,000~4,998,400円だ。

リチウムイオンバッテリーの容量は、車両価格に大きな影響を与える。
しかし、ホンダeのリチウムイオンバッテリーの容量は35.5kWhと、リーフより小さいのに価格が高い。

ただ、ホンダeは、インパネに世界初の5つのスクリーンを水平配置するワイドビジョンインストルメントパネルを採用している。
リーフより、明らかにコストがかかっている部分も多い。

単純に価格面ではリーフが勝っている印象だが、どこにポイントを置くかで評価は変わるだろう。

3.購入時の値引き術

ホンダeの評価は2.5点
リーフの評価は4.5点

コロナ禍でリーフは大幅値引き中!

ホンダeは、キュートなデザインに後輪駆動と、ユニークなモデルだ。
そのため、デビュー直後から話題となった。
販売台数そのものが少なく、1期の販売予定台数に達したこともあり、現在は注文が停止されている。
しばらく、こうした状況が続く可能性が高いため、値引きはゼロベースとなるだろう。

一方、リーフはホンダeとは真逆で絶賛大幅値引き中だ。
コロナ禍に加え、経営危機状態なので、値引きして1台でも多く売りたい状況なのだ。
ただ、それでも何もしなければ値引きは抑制される。
リーフの場合、直接的なライバル車がないが、価格帯が近いハイブリッド車などと競合させるだと値引きが引き出せるだろう。

4.デザイン比較

ホンダeの評価は4.5点
リーフの評価は3.0点

個性的なデザインのホンダe。クセのないリーフ

ホンダeは、クルマとしての普遍的なプロポーションを持ちながら、新しい時代になじむデザインとした。
先進感だけを表現するのではなく、自動車デザインの過去と未来とをつなぐ架け橋を目指している。

エクステリアデザインは円を基調としたキャラクターとし、シンプルでモダンなデザイン。
また、見せる要素と隠す要素を明確化、よりアイコニックな要素であるフロントグリルなどを際立たせている。

ホンダeのエクステリア
ホンダeのフロントフェイス

インテリアは、世界初となる5つのスクリーンを水平配置するワイドビジョンインストルメントパネルを中心に、先進性をアピール。
シンプルで心安らぐ、リビングのような空間を目指している。
また、スイッチ類を極限まで減らすことでシンプルなデザインと人にやさしい操作性を実現した。

ホンダeのインテリア

実はホンダeは、当初、前輪駆動で企画されていた。
しかし、このユニークなデザインを実現するには、前輪駆動では難しいという結果に。
そこでホンダの開発陣は、後輪駆動へ変更したという。
それほど、デザインが重視されていることになる。

対するリーフは、シャープでダイナミックなデザインだ。
ひと目でEVらしいと思わせるような部分はないものの、クセのないスポーティなスタイルとなっている。
フロントフェイスには、日産のデザインランゲージであるブーメラン型のランプシグニチャーや、Vモーショングリルを採用。

リーフのフロントフェイス

深みのあるクリアーブルーのフラッシュサーフェイスグリルや、リアバンパーのブルーモールディングなどが、日産の電気自動車であることを主張する。

リーフのエクステリア

インテリアは、優れた空間性と機能性を両立させた、日産ブランドモデル共通のインテリアデザインテーマである「グライディング・ウイング」を採用。
広がり感のあるデザインで、室内を広く感じさせている。

リーフのインテリア

ホンダeのデザインは、ユニークで先進性をアピールしており、新しいクルマであることを感じさせる。
対するリーフのデザインは、かなり守りに入ったものだ。
初代リーフのデザインが個性を出し過ぎたことであまり評価されなかったため、クセのないデザインにまとめられている。
普通のハッチバック車、といった印象だ。
デザイン性という面では、やはりホンダeが上回る。

5.室内空間と使い勝手

ホンダeの評価は4.0点
リーフの評価は4.0点

広い室内を誇るリーフ。先進装備で使い勝手を向上したホンダe

ホンダeの全長は、3,805mm。
対して、リーフの全長は4,480mmと、ひと回り以上大きい。
これだけボディサイズが違うと、その差は歴然だ。
室内スペースは、やはり全長の大きなリーフが上回る。
とくにリヤシートは、大きな差となっている。
乗車定員も異なっており、ホンダeは4人なのに対してリーフは5人だ。

ホンダeのリヤシート
リーフのリヤシート

加えてホンダeは後輪駆動なので、荷室下付近にモーターなどのパワーユニットがあり、荷室が小さい。
荷物を多く積むユーザーには不向きだ。
一方、リーフの荷室容量は435Lと、このクラスではトップレベルとなっている。

ホンダeの荷室
リーフの荷室

室内空間や荷室は、ボディサイズが大きいリーフが勝るのは当然のこと。
しかし、小さいクルマには小さいクルマなりのメリットがある。
ホンダeのメリットは、小さな最小回転半径だ。
狭い道や駐車場が多い日本では、この最小回転半径が小さいモデルが使いやすい。
ホンダeの最小回転半径は4.3m。
この数値は軽自動車並みなので、機動性は非常に高い。
リーフの最小回転半径は、5.2mもしくは5.4m。このクラスの平均といったところだ。

また、ホンダeはサイドミラーがカメラになっており、インパネサイドのモニターに後方の映像が映される。
慣れるまで少々時間がかかるものの、夜間などの視認性はよく、使いやすい。

ホンダeのモニター

また、12.3インチスクリーンの2画面水平配置されたディスプレイは、ボタンひとつで左右の画面入れ替えが可能だ。
さらに「Ok, Honda」と呼びかけるとHondaパーソナルアシスタントが機動し、エアコン操作などのさまざまな機能を、音声で操作できる。

リーフで便利な機能は、3ステップの操作だけで駐車完了するまでドライバーをアシストする「プロパイロット パーキング」のオプション設定。
駐車が苦手なユーザーにとっては、安心できる機能だ。

6.安全装備の比較

ホンダeの評価は3.0点
リーフの評価は3.0点

両車、平均レベルの予防安全装備

ホンダeには、予防安全装備パッケージである「ホンダセンシング」が全車標準装備されている。
重要な自動ブレーキは、歩行者だけでなく自転車も検知可能だ。
対するリーフは、自転車には対応していない。

ただ、リーフにはホンダeにはないインテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)/BSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)などが一部グレードに標準装備化されている。
両車ともに一長一短といったところで、予防安全装備としては平均点といったレベルだ。

7.走行性能の比較

ホンダeの評価は4.5点
リーフの評価は3.5点

両車低重心で高い走行性能。未体験のスポーツドライビングが楽しめるホンダe

ホンダeの出力は、エントリーグレードが136ps&315Nm、アドバンスが154ps&315Nmだ。
リーフは、40kWh車が150ps&320Nmで、62kWh車が218ps&340Nmとなっている。

加速力という面では、ホンダeのエントリーグレードとリーフ40kWh車、ホンダeとリーフ62kWh車が同等程度といった印象だ。

モーターは、アクセルを踏んだ瞬間から最大トルクを発生。
アクセルレスポンスに優れ、力強くスムーズな加速となっている。
ただ、同じEVながら、テイストはやや異なる。
ホンダeは、高速域まで伸びのある加速を誇るのに対して、リーフは低中速域でガツンとくる加速を誇る。

また、両車とも、フロアに大きく重いリチウムイオンバッテリーを搭載しているため、非常に低重心化されていて、カーブなどでの安定感はとても高い。

ただ、リーフは乗り心地を重視したセッティングになっているため、カーブではクルマがそれなり傾き、スポーティとは言い難い乗り心地だ。
また、62kWh車はあまりにパワー&トルクがあるため、前輪駆動ではややオーバースペック。
アクセルを粗く操作すると、タイヤがエコタイヤということもあり、フロントの駆動力が上手く伝わらない。

逆に、ホンダeは後輪駆動にしたことで、加速時にしっかりと駆動力が路面に伝わり、爽快な走りを披露する。
しかも、カーブでのクルマの傾きは適度に抑えられていて、俊敏性も高い。
さらに、アドバンスはミシュラン・パイロットスポーツ4というスポーツ系タイヤを履く。サイズは205 / 45ZR17だ。
電費や航続距離を捨ててまでも、高い操縦安定性を求めているだけあって、ホンダeは外観やインテリアだけでなく、走る楽しさもEVの中ではかなりユニークな存在だ。
今まで体験したことのないEVの走りが楽しめる。

ホンダeの運転席
リーフの運転席

8.リセールバリュー比較

ホンダeの評価は4.5点
リーフの評価は2.5点

不安要素が多いEVのリセールバリュー。リーフの場合、中古車がお買い得

ホンダeは、納期が長く、需要に対して供給が追いつかないため、リセールバリューは高値を維持すると思われる。
しかし、納期が通常モデル並みになってくると、不安要素が大きくなる。

というのも、新車のEVはホンダeに限らず多くの車種が、補助金をもらっていることやバッテリーの劣化などの懸念から、かなり低めのリセールバリューとなっている。
そのため現在、人気のホンダeも、納期が安定してくればリセールバリューが低めになる可能性がある。

なお、ホンダeは、メーカーオプション設定がない。
そのため、グレードによる差のみとなる。
やはり上級グレードであるアドバンスの方が、高めのリセールバリューになるだろう。

対するリーフのリセールバリューは、現在低めで推移している。
おそらく、しばらくの間はリセールバリューが大幅アップすることは期待できない。

全体的には低めのリセールバリューの中でもやや高めになるのは、やはり航続距離が長くパワフルな62kWh車だ。
その中でも、最上級グレードのe+Gが高めになる。
リーフの場合、G系グレード、Vセレクション以外は、高速道路などで車線維持をしながら全車速で先行車に追従走行できる「プロパイロット」がオプション設定となっており、この機能が付いていれば、プラス査定となる。
その他、ほぼ自動で駐車が可能な「プロパイロットパーキング」や「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)」もプラス査定の対象だ。
また、リーフには通常グレードの他に、特別なモデルが設定されている。
専用エアロパーツなどを装備したスポーティな仕様のNISMOだ。
このモデルは人気が高く、通常モデルより高めのリセールバリューになっている。
ただ、40kWh車しか設定がない。

このように、全般的に低めのリセールバリューになっているリーフ。
そのため、どうしても新車でなければダメという人以外は、中古車がおすすめだ。
リセールバリューが低いということは、中古車価格が安いということになる。
例えば、最上級グレードe+Gの新車価格は約500万円。
2019年式の高年式相場は、270~320万円。わずか1年でここまで安くなる。

9.まとめ・総合評価

ホンダeの総合点は28.5点/40点
リーフの総合点は27.5点/40点

デザインや走行性能重視ならホンダe。実用性ならリーフ

ホンダeとリーフは、同じEVながら、やや方向性が異なる。
ホンダeは、航続距離が少し短いことやボディサイズが小さいこともあり、シティコミューター的なEVとして開発されている。

一方、リーフは、62kWhという大容量バッテリーを搭載し、458kmというガソリン車に近い航続距離となっている。
普通のガソリン車に代わるモデルとして、実用性を高めているのだ。
また充電についても、日産ディーラーにはほぼ急速充電器が設置されており、充電に困ることはほとんどない。
対して、ホンダディーラーには、ほとんど急速充電器が設置されていない。
日産ディーラーにある急速充電器も使えるが、肩身の狭い気持ちになるだろう。
より、ガソリン車と同等レベルの使い勝手という面であれば、リーフという選択になる。

ただ、ホンダeは実用性面でやや不安要素があるものの、それを払しょくするデザインや先進性、走行性能といった魅力がある。
こうした要素を重視するのであれば、ホンダeがベストな選択と言える。

ホンダe リーフ
総合得点(40点満点) 28.5点 27.5点
1.燃費 3点 4点
2.価格 2.5点 3点
3.購入時の値引きしやすさ 2.5点 4.5点
4.デザイン 4.5点 3点
5.室内空間と使い勝手 4点 4点
6.安全装備 3点 3点
7.走行性能 4.5点 3.5点
8.リセールバリュー 4.5点 2.5点

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員