この記事の目次 CONTENTS
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すぐできる!バッテリーが上がったときの3つの対処法
なぜバッテリーが上がってしまうとエンジンがかからないの?
バッテリーが上がる原因は?
バッテリーが上がりは自然回復するの?
一度上がってしまったバッテリーは、交換したほうがいいの?
バッテリー上がりが原因かを見分ける方法とは?
まとめ

ライター紹介

現役整備士車専門Webライター

太田 りく 氏

所有資格は整備士3級。得意な記事は車の構造やメンテナンス関連。趣味はドライブ。車が好きだったため、車とは関係のない職場から整備工場へ転職。現在は働きながら2級を目指して奮闘中。現場でのリアルな情報を読者の方にお伝えできるよう心がけていきます。

すぐできる!バッテリーが上がったときの3つの対処法

買い物帰りにクルマを動かそうとしたらバッテリーが上がってしまい、エンジンがかからない。
昨日の夜までは問題なくエンジンがかかっていたのに、朝かけようとしたらかからない。
このような経験はありませんか?

バッテリー上がりは突然起こります。
対処方法を知らなければ、必要以上に焦ってしまいますし、不安に感じることでしょう。
実際にバッテリー上がりを起こした場合の対処方法を、ここでは3つご紹介します。

1:最も一般的!他のクルマとケーブルでつなぐジャンピングスタートをする

最も一般的な方法が、ジャンピングスタートという方法です。
ジャンピングスタートとは、他のクルマから電圧をもらう方法です。
用意するものは、ブースターケーブルと協力してくれるクルマの2つ。

具体的な手順は、

  1. ブースターケーブルを、バッテリーが上がったクルマのプラス端子に接続
  2. ブースターケーブルを、救護車のプラス端子に接続
  3. ブースターケーブルを、救護車のマイナス端子に接続
  4. ブースターケーブルを、バッテリーが上がったクルマのマイナス端子に接続
  5. 救護車のエンジンをかける
  6. バッテリーが上がったクルマのエンジンをかける

です。

手順は簡単なのですが、注意点もあります。

  • ブースターケーブルをしっかりつなぎ終えるまでは、救護車のエンジンをかけない
  • 救護車にハイブリッド車を選ばない
  • 必ずプラス同士、マイナス同士でつなげる

間違えるとバッテリー上がりを起こしたクルマだけでなく、協力してくれたクルマまで壊れてしまう可能性があり、危険です。
もし自信がなければ近くの整備工場に電話し、指示を仰ぎながら対処してもよいでしょう。
なお、バッテリーが上がった時のために、普段からブースターケーブルをクルマに常備しておきましょう。

2:最も手軽!JAFなどのロードサービスを呼ぶ

最も簡単で失敗がないのが、JAFなどのロードサービスに連絡するという方法です。
迅速に対応してもらえますし、その場でエンジンをかけてもらうこともできます。
また、もしバッテリーが原因でない場合、近くの整備工場に搬送もしてくれます。
気になる費用ですが、JAF会員に入っておけばバッテリー上がりの対応は無料となります。

なお、ロードサービスを行っている会社は、JAFだけではありません。
契約している任意保険に、ロードサービスがついている場合もあります。

特に「エンジンはかからないけど、バッテリー上がりなのか、他の原因なのかどうか自分で判断できない」という方は、JAFなどのロードサービスを利用するのがおすすめです。

3:あれば便利!ジャンプスターターを使う

最近では、ジャンプスターターという便利なツールが、お手頃な値段で販売されています。
スマートフォンを充電するためのモバイルバッテリーのような見た目ですが、バッテリー上がりを起こしたクルマを始動させられます。

使用方法も簡単。
まずプラス端子をつなぎ、次にマイナス端子をつなぎます。
そしてジャンプスターターの電源を入れ、エンジンをかけます。
ジャンピングスタートよりも簡単で、1人で対処できて手軽です。

また、ジャンプスターターにはさまざまな機能のあるものが登場しています。
モバイルバッテリーになったり、ライト機能があったりするものもあり、1つ持っておけば心強いツールです。
バッテリーが古くなっており、バッテリー上がりが心配だと感じている方は、値段もお手頃なので購入してみてはいかがでしょうか。

なぜバッテリーが上がってしまうとエンジンがかからないの?

バッテリー上がりは、バッテリーの劣化や充電不足で発生します。
よって、新品のバッテリーでも、油断することは出来ません。

そもそもなぜ、バッテリーが上がると、エンジンがかからないのでしょうか?

クルマはエンジンが動いている(爆発している)間は、空気と燃料の混合気を高い圧力で圧縮し、爆発させ動力をえます。
しかしエンジンが止まっている状態では、動力がありません。
そこで、バッテリーに蓄えられた電気によってエンジンを起動させるスターターモーターが活躍します。

スターターモーターは、電気の力でクランクシャフトを強制的に回転させ、ピストンを動かすもの。
ピストンが動くとその他の装置が連動し、エンジンが始動できるのです。

このスターターモーターを動かしている動力が、バッテリー電圧です。
バッテリーが上がると、スターターモーターを作動させらないため、エンジンがかからないのです。

バッテリーが上がる原因は?

バッテリーが上がる原因は大きく分けて4つあります。

バッテリーが上がる原因1:バッテリーの劣化

バッテリーが劣化してくると、バッテリー上がりが起きやすくなります。
バッテリーの寿命は約3~4年。
もちろん使用方法によっては短くも長くもなりますが、長く使うほど劣化していくのは、どのバッテリーでも同じです。

バッテリーが劣化すると、充電できる割合が低下していきます。
新品のバッテリーと比べると、例えば4年経ったバッテリーは、フル受電でも新品の70%しか充電できない…といったことが起こるのです。
当然、充電量が減れば、バッテリー上がりを起こしやすくなります。

近年のバッテリーは高性能で、年数が経過しても性能がなかなか落ちません。
一方で、一度電圧が落ち始めると、急激に電圧が下がっていくという特徴があります。
「昨日までは問題なかったけど、急にバッテリーが上がった」というトラブルは、このようなバッテリーの特徴から起こります。

そのため、ある程度年数が経過したら、適切なタイミングでバッテリーを交換することが大切です。

バッテリーが上がる原因2:充電不足

短距離走行の繰り返しも、バッテリーが上がる原因となります。
短距離走行の繰り返しはショートトリップといい、自動車整備の点検項目でもシビアコンディションに該当します。
エンジンをかけてすぐに切るという乗り方は、クルマへのダメージが大きいのです。
短距離走行を繰り返していると、比較的新しいバッテリーでもバッテリー上がりを起こしてしまう可能性があります。

一番バッテリーの電圧を消費するのは、エンジンをかける時。
「一度エンジンをかければ、30分間は充電が必要」といわれるほど、スターターモーターの消費電力は大きいのです。
しかし、短距離走行ですぐにエンジンを切ってしまえば、充電を十分に行うことができません。
結果としてバッテリーが充電不足になり、バッテリー上がりを起こしてしまいます。

「でも、短距離走行でも乗らないと自然に放電してしまい、バッテリー上がりを起こしそうだから乗った方がいいのでは…」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
もちろん、何ヶ月もエンジンをかけなければバッテリーは上がります。
しかし実は、自然放電よりも短距離走の繰り返しの方が、電圧低下に影響するのです。

1ヶ月に1回しか乗らないが、1回の走行時間が2時間程度のクルマと、毎日エンジンをかけるが1回の走行距離は5分程度のクルマを比較した場合、後者の方がバッテリーは上がりやすいです。

バッテリーを長く使用するには、1週間に1回程度、1時間ほどの走行をするのがおすすめです。

バッテリーが上がる原因3:装飾品が多すぎる

バッテリーは新しく、走行時間も多いのにバッテリーが上がりを起こしてしまうことがあります。
その場合は、電気を利用する装飾品の多さが原因です。
シガーソケットに大量の電装品を付けていたり、100V変換機を使用して家庭用の家電製品を車内で使用していたりする場合です。
車内で家電製品を使用できれば便利ですし、さまざまな装飾品で自分好みのクルマにしたい気持ちもわかります。

しかし使用する電圧が多いと、走行で発電する電圧を超えてしまい、バッテリーに充電している電圧を使用してしまいます。
その結果、バッテリーがいつまでも充電されず、バッテリーが上がってしまうのです。

車のエンジンルームにある小型の発電機は、エンジンの動力を利用して12Vの発電をします。しかし、100V程度の家のコンセントと同じ感覚で使用すると、さすがに電圧不足になります。

どうしてもクルマで家電製品を使用したいなら、ポータブル電源なども使用しましょう。

バッテリーが上がる原因4:エンジンをかけてないのにバッテリーが上がることも

長期間エンジンをかけていないクルマでも、バッテリー上がりが起こる場合があります。

エンジンをかけてないにも関わらず、バッテリーが上がる要因は2つあります。

  • 自然放電
  • 暗電流

自然放電は、自己放電とも呼ばれ、電気を消費する装置がなくても自然に電圧が減っていく現象です。
自然放電は短期間でバッテリー上がりを起こすほど減るわけではないので、あまり気にする必要はないでしょう。

もう一方の暗電流とは、クルマのエンジンを切っていた場合に使用される電流を指します。
クルマはエンジンを切っていても、少量ですが電気を消費しています。
取り付けられている時計や、カーナビの時計はエンジンを切っていても動いていますよね。
また、スマートキーなどもイグニッションをオンにしなくても、ボタンひとつで解除したり、エンジンをかけたりできますよね。
これは、エンジンを切っていても、電気が流れている証拠です。

このようにクルマは動いていない状態でも電気を消費しています。
そのため、定期的な充電が必要なのです。

なお、常時録画のドライブレコーダーや、駐車監視機能がついたドライブレコーダーを使用している場合は、暗電流量が多いため、バッテリーが上がりやすいので注意が必要です。

バッテリーが上がりは自然回復するの?

バッテリーが一度上がってしまったら、自然に回復することはありません。
なぜならバッテリーには、発電機能がないからです。

バッテリーは、身近なものでいうと乾電池と同じです。
繰り返し充電できる乾電池を、思い浮かべて見てください。
乾電池がバッテリーだとすると、充電するための家庭用コンセントが、オルタネーターです。
家庭用コンセントが24時間電力を供給しているのに対し、オルタネーターはエンジンの力で作動するため、エンジンがかかっていなければ発電しません。

バッテリーの電圧が極端に低くなれば充電が追いつかず、バッテリー上がりを起こしてしまうのです。

一度上がってしまったバッテリーは、交換したほうがいいの?

バッテリーは安い部品ではありません。
交換する場合1万円以上かかり、高いものでは5万円前後するものもあります。
できれば長く使用したいと思っている方は多いでしょう。

では、上がったバッテリーを、再度使用してもよいのでしょうか?
再度使用できるかどうかは、バッテリーの劣化具合によって異なります。

バッテリーが古ければ、充電し使ってもすぐにまたバッテリー上がりを起こしてしまいます。すでに古くなっている場合は、交換した方が安心でしょう。
逆にバッテリーが比較的新しく、乗り方が原因でバッテリーが上ったのであれば、十分に充電すれば使用できます。

バッテリーの製造年月日は、記載がある場合とない場合があります。
記載がある場合は、バッテリーの上部に4桁の数字で書かれていることが多いです。
記載の仕方はさまざまで、下2桁が年を上2桁が月を表しているものや、その逆のタイプも存在します。

記載年月日を見て、もしバッテリーの製造から4年前後経過していれば、交換を検討したほうがよいでしょう。
製造から1年程度であれば、まだ交換する必要はありません。

充電する場合は、近くの整備工場で行なうのがおすすめです。
整備工場にはバッテリーを充電する装置があります。
その装置を使用し、電圧を満タンまで充電してもらいましょう。
可能であれば、急速充電ではなく1日かけてゆっくりと行う「定電圧充電方」がおすすめです。
充電に時間はかかりますが、急速充電よりバッテリーへのダメージが少ないのです。

このようにバッテリーが上がっても、必ず交換しなければならないわけではありません。
自分で判断できないときは、整備工場の整備士に相談してみてはいかがでしょうか。

バッテリー上がりが原因かを見分ける方法とは?

バッテリーが上がる前には、前兆があります。

バッテリー上がりのサインは

  • エンジンがかかりにくい
  • ヘッドライトが以前よりも暗い
  • メーター計が暗かったり、一部が点灯しなかったりする

などです。

必ずしも全てのサインが現れるわけではありません。
なかには、「全く前兆がなかったのに急にバッテリーが上がってしまった」というケースもあります。

しかし、そもそもバッテリーが上がったことで動かないのか、それとも別の要因なのかは何で見分ければよいのでしょうか。

まず、エンジンをかける動作をしてみましょう。
その際、

  • メーター計が表示されているか
  • スターターモーターが回転しているか

の2点を確認します。

メーター計が表示されておらず、ヘッドライトも点灯しない場合、バッテリーが上がっていることが原因である可能性が高くなります。

また、スターターモーターが全く回転していない場合も、バッテリーが上がっていることが原因である可能性が高いです。
もし、スターターモーターが回転していれば、その音をしっかりと聞いてみましょう。
回転が遅く、もたついたような音をしている場合、バッテリー上がりである可能性は十分にあります。
ただし、回転速度や音がいつもと同じであれば、ガス欠や点火装置の故障などの要因も考えられます。
また、スターターモーターがもたついていいた場合でも、バッテリー上がりだけでなくスターターモーター自体の故障も考えられます。

このような点に注目して原因を調べていけば、クルマについてあまり詳しくなくてもある程度の診断はできます。
バッテリー上がりではバッテリーの電圧が全くない状態だと思われがちですが、実はスターターモーターを回す電力が無いというだけで、電圧は残っています。
12Vのバッテリーであれば9V以下まで減ってしまうと、エンジンがかかりにくくなってしまい、最終的にバッテリー上がりが発生するのです。

バッテリー上がりはクルマを乗っていくうえで、1度は経験するトラブル。
年間でも上位を占める、トラブルの一つです。
出先でトラブルにならないためにも、バッテリー上がりの前兆を見極め、適切なタイミングで交換をしましょう。

まとめ

クルマのバッテリーは、充電しなければ上がります。
また、バッテリーが古かったり、充電が不足していたり、電子品が多すぎたりするような場合も、バッテリー上がりを起こしてしまいます。
理由はさまざまですが、全ての原因はバッテリーの充電が無くなっているからであり、バッテリーを充電さえしてしまえば解決するのです。

バッテリーが上がってしまったら、まずは充電してクルマが動くようにするとともに、今後同じトラブルが発生しないよう予防することも必要です。

劣化していれば新品に交換する、使用電力が多すぎるのであれば不要な装飾品電子品を外す、
クルマにあまり乗らず充電不足になっているのであれば、週に1回程度は長距離を走る、などがその予防方法です。