日産 キックス vs マツダ CX-3徹底比較!人気BセグメントSUV対決

自動車ニュース / ガリバー

2020.9.18

日産 キックス vs マツダ CX-3徹底比較!人気BセグメントSUV対決

※本記事内に安全装備への言及がありますが、安全装備には作動条件や限界があります。機能を過信せず、安全運転を心がけましょう。

日産キックス vs マツダCX-3徹底比較!人気BセグメントSUV対決

日本で最も売れているのが、Bセグメントと呼ばれるコンパクトカーだ。
トヨタ ヤリスや日産ノート、マツダ2など各社力の入ったモデルが多い。
そんなBセグメントのコンパクトカーをベースとしたコンパクトSUVが、最近人気を集めている。
そこで、今回は新登場のハイブリッド車である日産キックスと、マツダCX-3のディーゼル車を徹底比較。
燃費性能、価格、デザイン、車内空間、安全装備、走行性能などさまざまな角度から評価した。

この記事の目次 CONTENTS
日産キックスの特徴
マツダCX-3ディーゼル車の特徴
1.燃費比較
2.価格比較
3.購入時の値引き術
4.デザイン比較
5.室内空間と使い勝手
6.安全装備の比較
7.走行性能の比較
8.リセールバリュー比較
9.まとめ・総合評価

日産キックスの特徴

キックスは、2020年6月に登場した新型車だ。

キックス

「e-POWER」と呼ばれるシリーズハイブリッドシステムが、搭載されている。
基本的にはノートe-POWERと同じ仕組みなのだが、プラットフォームやハイブリッドシステムは、大幅に改良されたものが使用されており、ノートe-POWERの派生車的なイメージはない。
シリーズハイブリッドシステムは、エンジンで発電し、その電力でモーターを駆動させて走行するもの。
モーターで走るため、非常に力強い走りが特徴だ。

マツダCX-3ディーゼル車の特徴

CX-3はBセグメントコンパクトSUVというカテゴリーで唯一、ディーゼルエンジンを搭載したモデルだ。
2015年に登場した当時は、1.5Lディーゼルエンジンを搭載していたが、2018年5月の改良で1.8Lディーゼルエンジンへ変更されている。
ディーゼルエンジンは非常に大きなトルクを発生し、モーターで走るハイブリッド車にも負けない力強さをもつ。

CX−3

CX-3は都市型のSUVとして開発されており、全高を1550mmに抑えている。
これは都市部に多い立体駐車場の制限内のサイズにするため。
これにより、不便なく立体駐車場が使えるのだ。

1.燃費比較

キックスの評価は4.0点
CX-3の評価は4.0点

ハイブリッド車と同等レベルになるディーゼル車の燃料費

キックスは、1.2Lのハイブリッド車のみの設定で、燃費は21.6㎞/L(FF、WLTCモード)だ。
対するCX-3の1.8Lディーゼル車の燃費は、20.0㎞/L(FF、WLTCモード)。

燃費そのものは、キックスの方が優れている。
ただ、これくらいの差であれば、CX-3の燃料費視点がキックスを上回る。
CX-3はディーゼルエンジンなので、燃料が軽油だ。
軽油は、キックスが使用するレギュラーガソリンより20円/L前後も安い。

つまり、燃費値だけであればハイブリッドのキックスが勝るが、燃料費視点ではディーゼルのCX-3が勝る。

2.価格比較

キックスの評価は3.0点
CX-3の評価は3.0点

ハイブリッド、ディーゼル共にコスト高

キックスの価格は、Xグレードで2,759,900円。
CX-3 は、XDプロアクティブSパッケージの価格が2,789,600円だ。
ほぼ同等レベルの価格となっている。

装備については大きな差はないが、パワーシートやシートヒーターなどがキックスにはなく、CX-3には装備されている。
逆に車線維持機能やSOSコールなどはCX-3にはなく、キックスに装備されている。
一長一短といった印象だ。

ちなみに、CX-3の2.0Lガソリン車である20SプロアクティブSパッケージは、ディーゼル車より約30万円安い。
キックスにはガソリン車がないので比較できないが、ディーゼル車、ハイブリッド車ともに車両価格はガソリン車よりも大幅に高価になる傾向だ。

3.購入時の値引き術

キックスの評価は3.0点
CX-3の評価は4.0点

キックス、新型車でも交渉次第で値引きも?値引き拡大中のCX-3

キックスは2020年6月にデビューしたばかりの新型車だ。
タイで生産され日本に輸入されており、国内生産でないため納期は長くなっており、値引きは基本的にゼロベースとなる。

ただ、日産は経営不振に陥っているため、1台でも多く売りたい状況だ。
ライバル車としっかりと競合させれば、一定の値引きが引き出せるだろう。

競合させるライバル車はCX-3をはじめ、ホンダ ヴェゼル、トヨタ ヤリスクロスだ。
こうしたモデルの見積りを先に取ってから、キックスの商談に向かいたい。
先にライバル車の見積書を取るのは、「キックスが本命ではない」という印象を与えるためだ。
キックスの指名買いであることが営業マンに悟られてしまうと、値引きはほとんど望めない。

一方、CX-3のデビューは2015年。
すでに、モデル末期に入っている。
マツダは値引き抑制戦略を続けているものの、さすがにモデル末期であるうえに国内販売も厳しく、値引き対応するしかない状態になっている。
キックスと同様、ライバル車としっかりと競合させることで、大幅値引きを引き出すことが可能だ。

4.デザイン比較

キックスの評価は3.5点
CX-3の評価は4.0点

キックス、CX-3ともにクラスを超えた上質感

キックスの外観デザインには、新世代日産デザインランゲージである「ダブルVモーショングリル」が採用されている。
大きなグリルと細いLEDヘッドライトの組み合わせにより、精悍でスポーティなフェイスとなった。

キックスのフロントフェイス

インテリアは、モダンプレミアムをキーワードにデザイン。
インパネデザインは、水平基調で伸びやかな印象だ。
全体的に、上質感のある空間に仕上がった。

キックスのインパネデザイン

一方、CX-3はもはやお馴染みとなったマツダのデザインテーマである「魂動デザイン」が採用されている。
他のモデル同様に、躍動感を感じさせる外観デザインだ。
気品ある美しさと、先鋭さをテーマとしている。

cx-3の外観

インテリアはSUV感を抑え、シンプルで上質なデザイン。
「人間中心」の思想のもと、外観デザイン同様、先鋭的で質感を追求した。
派手さはないが機能的で使いやすく、なかなか落ち着いた居心地の空間になっている。

CX-3のインテリア

キックス、CX-3ともにクラスを超えた上質感を求めてデザインされている。
そのため、コンパクトカーにありがちな安っぽさはあまり感じさせない。

5.室内空間と使い勝手

キックスの評価は4.0点
CX-3の評価は3.0点

室内スペース、使い勝手ともにキックスの快勝

キックスのボディサイズは、全長4,290×全幅1,760×全高1,610mm、ホイールベースは2,620mm。
対するCX-3のボディサイズは、全長4,275×全幅1,765×全高1,550mm、ホイールベースは2,570mmだ。
ボディサイズは、ほぼ同等。
しかし、室内スペースに影響するホイールベースは、キックスが50mm長くなっている。

こうしたことも影響して、室内スペースはややキックスの方が広い印象だ。
また、CX-3は全高を1,550mmに低くしたこともあり、とくにリヤシートの頭上スペースがキックスの方が広く感じる。

キックスのリヤシート
CX-3のリヤシート

そして、ラゲッジスペースもキックスが上回る。
キックスの荷室容量は423Lなのに対して、CX-3は350L。大きな差となった。
キックスの荷室容量は、クラストップレベルの実力だ。

キックスのラゲッジスペース
CX-3のラゲッジスペース

なお、狭い駐車場での出し入れなど、クルマの取り回しに影響する最小回転半径は、キックスが5.1m、CX-3が5.3mとなった。
狭い場所での扱いやすさも、キックスが優位に立っている。

6.安全装備の比較

キックスの評価は3.5点
CX-3の評価は3.0点

やや、物足りなさを残すキックスとCX-3

キックス、CX-3共に歩行者検知式自動ブレーキ、踏み間違え防止制御など、一定レベルの予防安全装備が装着されている。
ただ、どちらも自動ブレーキでは自転車検知機能がない。

また、それぞれ安全装備が一長一短だ。

まず、キックスにはプロパイロットと呼ばれる、車線維持しながら走行できる全車速追従式クルーズコントロールが用意されている。ほかにも車線逸脱防止機能や、エアバッグが開くような事故に遭遇した場合に自動で専門のオペレーターに通報し救急車などの手配をしてくれるSOSコールもある。
こうした装備は、CX-3にはない。

逆にCX-3にあってキックスにない予防安全装備もある。
車線変更時に後側方から接近する車両を検知して警報を発する、ブラインド・スポット・モニタリング。
そして後退時に左右から来る車両を検知して警報を発する、リヤ・クロス・トラフィック・アラートなどだ。

車線維持機能やSOSコールなどは、少し前までは高級車用の装備だった。
キックス、CX-3ともに微妙に物足りないとはいえ、そんな先進技術をいち早く装備している点では、安全装備においてはキックスがやや上回るといった印象だ。
CX-3は設計がキックスより古く、モデル末期でもある。若干不利なのは仕方がない。

7.走行性能の比較

キックスの評価は3.5点
CX-3の評価は4.0点

超絶レスポンスのキックス、熟成された走行性能のCX-3

キックスの最大出力は129ps&260Nm。
エンジンは発電専用で、エンジンで発電した電力を使い、100%モーターで走るシリーズハイブリッド方式を採用している。
これが日産の「e-POWER」だ。

キックスのエンジンルーム

モーターは、アクセル操作に対して、瞬時に260Nmという大トルクを発生する。
260Nmというと、自然吸気2.6Lクラスのガソリン車相当だ。
コンパクトなボディに260Nmというトルクは、十分過ぎるほど。
アクセルをグッと踏み込むと、スムーズで力強い加速を披露する。
アクセルレスポンスの良さと、スムーズな加速は「e-POWER」ならではだ。

対するCX-3の1.8Lディーゼルエンジンは、116ps&270Nmをアウトプットする。
最大トルクは、ほぼ同じ。
そのため、加速力でもほぼ互角といったところだ。

CX-3のエンジンルーム

ただ、大きく違うのがアクセル操作に対するレスポンスだろう。
CX-3のディーゼルエンジンは、ターボを使う。
このターボがあるからこそ、1.8Lという小さな排気量でも270Nmという大トルクを発生することができる。
しかし、ターボにはターボラグという悪癖がある。
ある程度エンジンの回転が高まり、過給されないと、わずかだがアクセル操作に対して無反応の時間があるのだ。
これが、ドライブフィールを悪くする。
この部分だけは、電気の力で走る「e-POWER」には敵わない。

そんな「e-POWER」だが、シリーズハイブリッドという仕組み上、どうしても速度域が高くなると、どんどん燃費が悪くなる。
そのため、高速道路での速い速度でのクルージングの場合、燃費面ではディーゼル車が優れる結果になる。
高速道路などでのロングツーリングを重視するなら、ディーゼル車が向く。

キックスの乗り心地はやや硬め。
タイヤが硬いこともあり、道路の凹凸を細かく拾う。
荒れた道路は苦手だ。
リヤサスペンションは、いつもゴツゴツした感覚をドライバーに伝えてくる。
速度が上がると若干よくなるが、乗り心地がよいというレベルではない。
ただ、こうした硬めの乗り味ということもあり、ステアリング操作に対するクルマの反応はよく、スイスイと軽快にクルマの向きを変える。
カーブを走っていても、安定感がある。

キックスの運転席

対するCX-3も、デビュー直後はリヤサスペンションの突き上げ感が強かった。
しかし、何度か改良を繰り返したこともあり、今では随分洗練された乗り味になっている。
乗り心地面では、CX-3が優勢だ。
カーブでもCX-3の気持ちよさは、際立っている。
エンジンやミッションをきめ細かく制御し、4輪の接地荷重を最適化。
滑らかで快適な走りに貢献する、G-ベクタリング コントロールを装備している。
運転が少しうまくなった気持ちになる制御だ。
キックスほどキビキビ感のあるハンドリングではないが、クセがなく誰もが自然に乗れる。

CX-3の運転席

8.リセールバリュー比較

キックスの評価は4.0点
CX-3の評価は4.0点

不透明な部分が多いキックス、安定した価格のCX-3

キックスはかなり割り切った仕様になっている。
なんとFF(前輪駆動)車のみ、ハイブリッドの「e-POWER」のみ。
さらにグレードは1つのみで、ツートーンインテリアエディションの選択ができる程度だ。
この選択肢の少なさが、中古車マーケットでどう判断されるのか、非常に先行き不明だ。
ただ、人気のコンパクトSUVなので、リセールバリューが悪くなることはないと予想できる。
今後、リセールバリューが高くなるのは、ツートーンインテリアエディションの可能性が高い。

一方CX-3は新車販売台数が伸びず、それが影響してか、中古車マーケットでも徐々に価格を下げている。
とはいえ、一般のコンパクトカーに比べれば、人気のSUVということもあり高値傾向だ。
グレードや色にもよるが、高年式が少し安めになっている。
新車ではなく、中古車という選択肢もありだろう。

9.まとめ・総合評価

キックスの総合点は28.5点/40点
CX-3の総合点は29点/40点

ハイブリッドかディーゼルか?好みで選択肢が変わる

キックスはシリーズハイブリッドの「e-POWER」を搭載し、モータードライブ車らしい優れたアクセルレスポンスと力強い走り、そしてスムーズな加速力をもつ。
低い速度で走る市街地などは、「e-POWER」が得意とする領域だ。
ディーゼルのCX-3より、優れた燃費値になるだろう。
また、使い勝手面も優れていて、後席や荷室の広さ、小回り性能もキックスがCX-3を上回る。
総合バランスでは、キックスが無難な印象だ。

ただ、キックスの燃費性能はハイブリッド車ながら特別優れているわけではない。
燃料費視点で見れば、ディーゼルのCX-3の方が安価傾向となる。
とくに、高速道路などでのロングツーリングでは、よりディーゼルの低燃費性能が際立つ。
また、キックスは4WDの設定がないがCX-3にはあり、降雪地域に住んでいる人や、ウインタースポーツ、キャンプなどを頻繁に楽しむ人に向く。
乗り心地やハンドリングといった走行性能も、好みにもよるが、CX-3がやや上回る。

こうした部分をどう判断するかが重要だ。
自分がどういう使い方をすることが多いのか、何を重視するのか、優先順位をつけて考えるとよいだろう。

キックス CX-3
総合得点(40点満点) 28.5点 29点
1.燃費 4点 4点
2.価格 3点 3点
3.購入時の値引きしやすさ 3点 4点
4.デザイン 3.5点 4点
5.室内空間と使い勝手 4点 3点
6.安全装備 3.5点 3点
7.走行性能 3.5点 4点
8.リセールバリュー 4点 4点

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員