新型となる3代目インサイトが2018年12月に復活した。
ハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載し、完成度高く仕上がっている。
内装・外装、安全装備などを比較評価している。
- この記事の目次 CONTENTS
- ホンダ インサイトの歴史・概要
- 1.コンセプト&外装デザイン
- 2.内装&装備
- 3.走り、メカニズム
- おすすめは3代目インサイト?2代目インサイト?
- ホンダ インサイトの価格・スペック
ホンダ インサイトの歴史・概要
初代ホンダ インサイトは、1999年に登場した。
1.0LのハイブリッドシステムIMA(インテグレーテッド・モーター・アシスト)を装備した3ドアハッチバックだ。
空気抵抗を低減するために、リヤホイール上部の半分を覆うリヤホイールスカートを装備した。
その結果、35.0㎞/L(10・15モード)という低燃費を実現した。
2代目インサイトは2009年2月に登場、1.5LのIMAを搭載し、燃費は30.0㎞/Lとなった。
このモデルは200万円を切るハイブリッドとして話題になり、その後投入される予定だったプリウスとのハイブリッド戦争と言われ話題になった。
このとき、トヨタはインサイトをかなり意識しており、3代目となる30型プリウスの価格を205万円からという戦略的な価格に設定し、インサイト潰しを行った。
価格だけでなく燃費性能面でも3代目プリウスは38.0㎞/Lと、大幅に勝っていた。
その結果、インサイトは大敗し、2014年に販売を終了することとなる。
生まれ変わったインサイト
しばらく姿を消していたインサイトだったが、2018年12月に復活した。
3代目のインサイトは、2代目とはまったく異なるクルマになった。
ハイブリッドシステムは、最新世代の2モーター式ハイブリッドである1.5Lの「SPORT HYBRID i-MMD」が採用され、燃費性能は34.2㎞/Lと大幅に向上した。
しかも、ボディサイズも大幅に拡大され、全長は4,675mmとなりレクサスISやメルセデス・ベンツCクラスなどのセダンと同等になっている。
価格も3,261,600円からとなり、完全に2クラス上の高級セダンになった。
1.コンセプト&外装デザイン
クラスやボディ形状が全く異なるのでデザイン比較しづらいが、やはりワイド&ローでスタイリッシュなフォルムの3代目に軍配は上がる。
2代目インサイトは燃費重視ということもあり、とにかく傾斜したAピラーとCピラーが特徴だ。
本来ならば、スポーティに見える手法だが、全高も高く見え全体的にポテッとした印象が強くなる。
3代目は今時の迫力系フェイス
3代目の外観デザインは「品格」を重視されている。
ホンダのデザインはどうもロボットっぽいデザインになる傾向が強い。
コンパクトカーなどではそれほど気にならないが、高級車になるとカジュアル感が強く高級感を出し切れていなかった。
しかし、3代目では水平基調のグリルデザインに、よりワイド感をアップした。
組み合わされたクロームバーで高級感を出している。
なかなか彫りの深いデザインとなり、やや睨みの利いた表情も含め、最近流行りの高級セダンデザインともいえる。
そして、リヤまわりも最近のトレンドでCピラーを大きく傾斜させたクーペ調のルーフラインを採用した。空力も意識したデザインでもある。
フェンダーまわりのグラマラスな造形もなかなか美しい。
2.内装&装備
3代目はドライバー中心のインパネデザインを採用し、操作まわりがシンプルになった。
2代目はエアコンダクトが主張しすぎており、少々やりすぎ感がある。
視認性の良さとホンダセンシング装備で安全性能アップ
3代目はドライバー中心のコックピット型インパネデザインになっている。
各操作系はセンターコンソールに集約され、メーター類もシンプルで見やすい。
ただ、モニターの位置が少し前のクルマと同様の位置にあり、やや古さを感じる。また、この位置だと視認性が悪い。
最近のモデルは、視線の移動量を減らすためにセンターコンソール最上部で、なるべくフロントウインドウ側にモニターを設置する傾向になっている。
視線の移動量を減らすことで、より安全に運転できるようにするためだ。
また、助手席側に厚さ2.0mmのクッション層を内包したリアルステッチソフトパッドを採用した。
ソフトパッドは、最近のトレンドでもあり触り心地もよい。
ステッチを入れることで上手に高級感を出している。
また、3代目には、歩行者検知式自動ブレーキを含む予防安全装備として「ホンダセンシング」が全車に標準装備化。サイド&カーテンエアバッグも標準装備化されており、優れた安全性能を誇る。
個性的な内装だった2代目
2代目のインパネデザインは、他のクルマとは違うことをアピールしたかったのか、とにかくゴチャゴチャしたインパネデザインとなっている。
エアコンのダクトまで強烈に存在をアピールしたものの、デザイン性が無く残念な印象だ。
ちょっと変わっていていいね、と思う人もいるだろうが、少々やり過ぎな感じがする。
2代目の前期モデルにはVSA(横滑り防止装置)が一部オプション設定とされていた。
横滑り防止装置は、今では法律で装着が義務付けられており、できる限りVSA装着モデルを選ぶと良い。2011年10月のマイナーチェンジ以降は標準装備されている。
3.走り、メカニズム
3代目は1.5Lエンジンということもあり、それほどパワフル感はない。
ただハンドリングは軽やかで、機敏な動きを見せた。
乗り心地も良好で静粛性も高く、上級セダンとしての平均点は超えている。
ステアリング奥には、減速セレクターと呼ばれるパドルシフトのようなものが装着されており、アクセルオフ時の減速度を3段階に変更できる。
市街地で少し速度を落としたいときに使うと、エンジンブレーキのような感覚で減速でき、楽に運転できる。
2代目は、意外と元気よく走る。
88psの出力をもつ1.3Lエンジンに対して、14psのモーターが組み合わされている。
モーターは瞬時に最大トルクを発揮するので、アクセルを踏んだ瞬間の反応はなかなか気持ち良い。サスペンションはやや硬めで、安定感がある。
3代目は超低燃費で上質なセダン、2代目は軽快感を楽しむ
3代目インサイトには、2モーターのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」と1.5Lエンジンが組み合わされている。
エンジンの最高出力は109ps&134Nmで、走行用モーターは131ps&267Nm を発揮する。
このSPORT HYBRID i-MMDは多くのシーンでEV走行する。
走行モードは、EVドライブとハイブリッドドライブ、エンジンドライブの3つだ。
コンピュータが走行状況に合わせて最適なモードを選択してくれ、その結果34.2㎞/Lという超低燃費性能を実現した。
2代目は1モーター式のハイブリッドで、モーターはエンジンアシストのような役割になる。
低速域など、限られた領域でのみEV走行が可能だ。
おすすめは3代目インサイト?2代目インサイト?
年代やボディサイズ、ハイブリッドシステムも違うため比べづらいのだが、3代目が2代目を超える部分が見当たらない。
最新ハイブリッド車なら3代目を、激安ハイブリッド車なら2代目を選ぼう
3代目の完成度は高く、ハイブリッドシステムである「SPORT HYBRID i-MMD」は今後ホンダの主力となる。
排気量などを変えて、さまざまな車種に展開されていくだろう。
新しいもの好きな人や、トヨタのハイブリッドシステムTHSⅡに飽きた人に好まれるだろう。
ほとんどEVに近いハイブリッドシステムなので、モーター特有のレスポンスの良さやトルク感が気持ちの良い走りをアシストしてくれる。
2代目もまったくダメということはない。
新車であまり人気が無かったということに加え、年式も古くなってきたことで、中古車価格は安くなっており、かなお買い得だ。
新しい年式の車両が少ないのが難点だが、2009~2010年式が約20~50万円で多く売られている。
ハイブリッド車なので燃費もよいし、最小回転半径も5mと小さく使い勝手もよい。
生活の足や、通勤・通学などに向くモデルだ。
ホンダ インサイトの価格・スペック
- インサイトLX :3,261,600円
- インサイトEX :3,499,200円
- インサイトEX・BLACK STYLE :3,628,800円
代表グレード | インサイトEX・BLACK STYLE |
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全長×全幅×全高 | 4675×1820×1410 mm |
ホイールベース | 2700 mm |
車両重量 | 1390 kg |
エンジン(LEB-H4型 直4DOHC) | 1496 cc |
エンジン最高出力 | 80 kW(109 ps) / 6000 rpm |
エンジン最大トルク | 134 N・m(13.7 kgm) / 5000 rpm |
モーター最高出力 | 96 kw(131 ps) / 4000-8000 rpm |
モーター最大トルク | 267 N・m(27.2 kgm) / 0-3000 rpm |
駆動方式 | FF(前輪駆動) |
トランスミッション | 電気式無段変速機 |
ホンダ インサイトJC08モード燃費 | 31.4 km/L |
WLTCモード燃費 | 25.6 km/L |
関連ページ
ホンダ インサイト
インサイトのカタログ情報
- 平成30年12月(2018年12月)〜令和4年12月(2022年12月)
- 新車時価格
- 326.2万円〜372.9万円
インサイトの在庫が現在5件あります
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