三菱デリカD:5新旧比較レビュー!唯一無二の悪路走行可能なミニバン

自動車ニュース / ガリバー

2019.4.1

三菱デリカD:5新旧比較レビュー!唯一無二の悪路走行可能なミニバン

三菱デリカD:5新旧比較レビュー

三菱デリカD:5の新旧比較レビュー。
2019年2月にマイナーチェンジを行って発売された新型と旧型のデザインや走行性能、燃費性能などを徹底比較。
アウトドア性を保ちながら安全性能をアップさせたデリカの購入ポイントも解説した。

この記事の目次 CONTENTS
1.三菱デリカD:5の歴史・概要
2.コンセプト&エクステリアデザイン
3.インテリア&装備
4.走り、メカニズム
5.おすすめは新型デリカD:5 それとも旧型デリカD:5?
6.価格とスペック一覧
7.新車値引き交渉のポイント

1.三菱デリカD:5の歴史・概要

三菱デリカD:5は2007年に登場した。
13年目に突入した長寿モデルということもあり、改良を続け熟成されてきた。
熟成というと聞こえがいいが、度重なる不祥事や品質問題なのにより、フルモデルチェンジするだけの開発費が無かったというのが現状だ。

クルマは、一般的に古くなればなるほど売れなくなる。
しかし、デリカD:5は激戦ミニバンマーケットにおいて、長期間1,000台/月前後を地味に販売し続けていた。
ヒットモデルが無い国内三菱にとって、収益的に非常に重要な車種なのだ。

ロングセラー車になった理由

なぜ、販売台数が少ないながらもロングセラー車になれたのか?
それは、コンセプトが明確でユニークだったこと。
デリカD:5は、豪華さを競い合うミニバンマーケットにおいて、唯一無二の悪路走行も可能なミニバンだったからだ。

このクラスのミニバンには、4WDの設定はあってもほとんどFF(前輪駆動)が売れ筋となる。
しかし、デリカD:5は悪路での走破性を重視した本格的な4WDを備えていた。

ミニバンでありながら、オフローダーでもあるという強みを持っているクルマはデリカD:5しかなかったのだ。

トヨタやホンダ、日産がこうしたオフローダー的なミニバンマーケットに競合車を送り込んでこなかった理由は、デリカD:5の販売台数が1,000台/月と少なかったことが上げられる。
ライバルメーカーはあまり収益が見込めないとして、似たコンセプトの競合車を投入してこなかった。
こうしたこともあり、デリカD:5は長寿モデルの道を歩むことができたのだ。

マイナーチェンジで上質さをプラス

しかし、何度も改良を施してきたとはいえ、さすがに13年にもなると予防安全装備や燃費性能、質感などがマーケットニーズに対応しきれなくなってきた。
そこで、初となる大幅マイナーチェンジを2019年2月に行った。

新型デリカD:5
旧型デリカD:5

このマイナーチェンジは、フルモデルチェンジと言っても過言ではないだろう。
デザインは、標準モデルに加え、エアロパーツなどを装備し都会派のスタイリッシュ系にまとめられたアーバンギアが登場。
トヨタ アルファード/ヴェルファイアにも対抗するために、インテリアも上質感あふれたものに変更されている。
このマイナーチェンジで、エンジンは2.3Lディーゼルエンジンのみ。全車4WDのみという設定となった。
ガソリン車やFF(前輪駆動)車に関しては、マイナーチェンジ前のモデルが継続販売されている。

2.コンセプト&エクステリアデザイン

三菱デリカD:5のコンセプトは、オールラウンドミニバン。
三菱の4WDテクノロジーを用いた圧倒的な走破性をもつミニバンとしての価値だ。

そのため、従来はアウトドア志向が強かった。
ただ、それが販売台数こそ少なかったものの、着実に長年売れ続けた理由のひとつだ。

しかし、今回のマイナーチェンジではより売りたいという意識が強くなっている。
そのため、アウトドアキャラを薄めてアルファード/ヴェルファイアなど、売れているミニバンのようにプレステージ性を持たせる方向へ舵を切った。

ただ、アウトドア志向の強い従来の顧客も失いたくない。
そこで、標準車は従来通りアウトドアイメージを残し、もう一方でよりプレステージ性を重視したもうひとつのカタチとしてアーバンギアを用意したのだ。

主流の迫力威圧系フェイスになった新型

デリカD:5のデザインは激変した。
プレステージ性をアップするために、売れているミニバンのトレンドデザインともいえる迫力&威圧系を選択した。

標準車、アーバンギア共にギラギラ感はものすごい。
三菱のデザインアイデンティティともいえるグリルデザイン、ダイナミックシールドを中心に、左右をLEDの縦型ヘッドランプを配した。
上部両サイドにある薄型のヘッドライトのように見えるのは、ポジションランプだ。
かなり、個性的なデザインになり、やや好き嫌いが分かれるデザインだ。

ひと目で分かるオフローダー的フェイスの旧型

マイナーチェンジ前のモデルは、いかにもオフローダー的イメージが強い。
アンダーガードなどで、やや迫力があるが意外とスッキリしている。
迫力という点ではマイナーチェンジ後にはかなわないが、2007年に登場したクルマとは思えないほど古臭さは感じない。
迫力&威圧系顔が嫌いという人にとっては、マイナーチェンジ前の方が好みという人も多いだろう。

3.インテリア&装備

インテリアも新型と旧型は大きく異なる。

歩行者検知式自動ブレーキなどの先進装備が大幅に拡充した新型

プレステージ性を重視したこともあり新型は質感や豪華さが大幅にアップしている。

新型の質感は、旧型と比べると1クラス以上も上のレベルに達した。
インパネデザインは、シンプルながらオフローダー的なタフネスさと高級感を演出している。

アルファード/ヴェルファイアの顧客を取りたい、という意思を強く感じる仕上がりだ。

予防安全装備面では、太刀打ちできない旧型

対して旧型は、良くも悪くも質素な印象。

インテリアのデザイン、質感なども新型が圧勝。
ただ、オフローダーミニバンとしての性格を考えると、気兼ねなく汚れたものもガンガンと積めたりできそうなので、デリカD:5のキャラクターに合っている。

新型の豪華さは、どこかデリカD:5のイメージとかけ離れている気もする。

飛躍的に向上した予防安全性能

デリカD:5の大幅マイナーチェンジでイッキに進化した部分が、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備だ。
歩行者検知式自動ブレーキを含む三菱の予防安全装備e-Assistが、新型では全車標準装備化された。
e-Assistが標準装備化されたことで、デリカD:5の予防安全性能は飛躍的に向上している。

新型デリカD:5
旧型デリカD:5

この機能は、全車速追従式クルーズコントロールや車線逸脱警報、オートマチックハイビームがセットで装備される。
こうした装備が装着されたことは歓迎すべきだが、このクラスに車線逸脱警報では物足りなく、車線維持支援といったステアリング操作の支援機能が装備されているのが平均的といえる。

また、後側方車両接近警報や後退時車両接近警報といった日常的に使うベーシック機能がオプションでも選択できないグレードがある点も物足りない。

こうした予防安全装備を比較すると、旧型はまさに完敗といった状況だ。

4.走り、メカニズム

走行性能面でも静粛性が高くなっただけでなく、上質な乗り心地を誇る。
最低地上高が185mmと高いため、重心高はライバル車と比べると高め。
高速でのカーブでは、ややクルマの傾きが大きくなる傾向になる。

新型デリカD:5
旧型デリカD:5

ところが、この最低地上高の高さがオフロード走行では抜群に活きてくる。
もはやミニバンでは走れないような荒れた道や場所でも、デリカD:5なら何事も無かったように走破する。

オフロードでも意外に乗り心地が良く、運転しやすいのも美点だ。
三菱の4WD技術は高く、優れた走破性とステアリング操作に忠実な走りが魅力だ。

8速ATに大幅改良の2.3Lディーゼルなどを投入した超絶進化した新型

新型デリカD:5に搭載されたエンジンは、2.3Lのディーゼルエンジンのみ。
出力は145ps&380Nmとなった。
このエンジン型式こそ同じで出力も大差はないものの、まったく別物といえるほど進化した。

新しく投入された8速ATと組み合わされたことで、静粛性や振動、レスポンスなどが向上し、非常にスムースで力強い走りを披露する。
高級ミニバンに相応しいパワーユニットになった。

また、燃費性能はJC08モードで13.6㎞/L。
旧型が13.0㎞/Lなので、こちらも大きな差が無い。
しかし、アイドリングストップ機能が追加され、8速ATになったことで、実燃費では大きな差になるだろう。

ガソリン車もある旧型

旧型デリカD:5は、エンジン性能や静粛性、燃費、乗り心地などほぼすべての面で新型にかなわない。
これは仕方の無いことだ。

だが、三菱の4WD技術による走破性の高さは旧型でも変わらない。
悪路の走破性ももちろん新型が勝るが、それほど大きな差になっていない。

旧型デリカD:5でも「ミニバンでこんな所走れるのか?」というような場所を、サラッと走り切ってしまう実力がある。
これが根強い人気の秘密でもある。

5.おすすめは新型デリカD:5 それとも旧型デリカD:5?

三菱デリカD:5のマイナーチェンジは、フルモデルチェンジに近いほど大きな変更が加えられた。
そのため進化の幅は非常に大きい。

開発する側もかなり気合が入っていて、すべての面で旧型のデリカD:5を超えることを目標としている。
その結果、走行性能や予防安全装備、質感などのおいては、完全に新型が旧型を圧倒している。

すべての面で勝る新型、予算重視で気兼ねなく使い倒せる旧型

では、旧型がダメかというとそうでもない。
新型は新たな顧客を得ようとしたことで、プレステージ性を重視した方向性にシフトしている。
迫力&威圧系のフェイスデザインや、豪華さをアピールする室内など、旧型とは大きく異なる。
新型のデザインに関しては、好き嫌いが明確に出そうだ。あのデザインは…、という人には旧型が向くだろう。

また、インテリアも新型ほど豪華でなくてもいい、もしくは、汚れたものや人が乗るので逆に豪華過ぎて困るという人もいるだろう。
もっと、道具として使い倒せる内装を好む人も旧型の方が使いやすいだろう。

そして、やはり旧型の魅力は経済性。
ディーゼル車の2年落ちとなる2017年式で250万円台から手に入る。

上級グレードになると300万円を超える。
まだまだ高値を維持しており、三菱車としてはなかなか優れたリセールバリューだ。

ただ、新型が発売され少々時間が経過すれば、大量の旧型中古車がマーケットに流通する。
急激な流通量の増大は価格を下げる傾向になり、今後、旧型の価格は下落傾向になると予想できるので、経済性という面では、さらにメリットが出てくるだろう。

6.価格とスペック一覧

デリカD:5 グレード 価格
M 3,842,640円
G 3,942,000円
G-Power Package 4,082,400円
P 4,216,320円
デリカD:5アーバンギア グレード 価格
G 4,067,280円
G-Power Package 4,207,680円
三菱デリカD:5 P 8人乗りスペック
全長×全幅×全高(mm) 4,800×1,795×1,875
ホイールベース(mm) 2,850
トレッド[前/後](mm) 1,540/1,535
車両重量(kg) 1,960
最小回転半径(m) 5.6
JC08モード燃費(㎞/L) 13.6
WLTCモード燃費(㎞/L) 12.6
エンジン 直列4気筒DOHCディーゼルターボ
排気量(㏄) 2,267
最高出力[ネット] [kW(PS)/rpm] 107(145)/3,500
最大トルク[ネット][N・m(kgf・m)/rpm] 380(38.7)/2,000
ミッション 8速AT
駆動方式 4輪駆動

7.新車値引き交渉のポイント

新型三菱デリカD:5の登場は、2019年2月。
まだ発売されたばかりということもあり、しばらくの間値引きを引き出すのは厳しいだろう。

ただし値引き「ゼロ」ということはない。
新型デリカD:5で新規顧客を得たい三菱なので、トヨタ アルファード/ヴェルファイアや日産エルグランド、ホンダ オデッセイなどを競合させれば、一定の値引き対応をするしかない。
そのため、指名買いはNGだ。

消費税増税後が値引き大への転換時期?

また、2019年10月には、消費税増税が予定されている。
当然、駆け込み需要の後、10月以降には販売が落ち込むことが予想できる。

この時期を境に、値引きは拡大傾向になるだろう。
2%アップした消費税分以上の値引きを引き出せれば、増税後でもメリットがある。
そのときも必ずライバル車との競合は必要だ。

旧型は売れ残ったモデルが未使用車として流通している。
かなり値引きされており、お買い得感のある価格になっているので、旧型派はこうしたモデルを狙ってみるといいだろう。
未使用車同士を競合させて、より値引きを引き出すのも効果的だ。

そして、注意したいのが下取り車の処理だ。
予算を少しでも節約したいのであれば、下取車の売却は重要だ。
三菱車の下取りなら少々話は別だが、ディーラー系の下取りは安いと思っていたほうがよい。

とくに、三菱系のディーラーは再販能力が低い。
再販能力とは下取車を中古車として販売する能力だ。

こうした中古車の再販能力が高いのがやはり買取店。
多くのオークション会場での相場や売り時を知っているので、高値で買取れる。

とくに中古車販売店が全国にあるお店はさらに強い。
買取ったクルマを、そのまま全国のお店で売れるのだから、オークションに出すより高く売れる。
その分、高価買取ができるのだ。

まずは、複数の買取店に行き査定することが必須。
その上で下取り価格と比べて、一番高価で買取ってくれるところに売却すればいい。

少しでも高く売りたいなら個人売買がおすすめ

さらに、時間や手間がかかっても、少しでも高く売却したいのであれば、個人売買という方法もある。個人間売買なら消費税がかからないので、消費税が上がればよりメリットが出てくる。
ただし、個人間売買は、書類や支払い関連でトラブルのリスクも高くなる。
当然、こうした個人間売買のリスクは軽減したい。

そんな個人間売買をアシストしれくれるサイトがサイトも存在する。
中古車大手のガリバーが開設しているクルマの個人間売買専門サイト「ガリバーフリマ」だ。

代金の回収や名義変更のリスクを回避するために、ガリバーが手続きを代行してくれるサービスがある。
面倒なことを代行してくれるのだから一定の手数料が必要だが、個人間売買におけるリスク回避の保険と思えば安いだろう。

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員