スバルは、コンパクトクロスオーバーSUVであるXVに、1モーター式ハイブリッドシステムを搭載した新グレード「Advance」を設定し、発売を開始した。スバルは、このハイブリッドシステムをe-BOXERと呼んでいる。
- この記事の目次 CONTENTS
- 1モーター式のハイブリッドシステムe-BOXERを新搭載!
- ハイブリッドなどの電動化技術が遅れているスバル
- 先代XVハイブリッドの1モーター式を使うしかなかった?
- 世界トップレベルの安全装備は、さらに充実
- スバルXVの価格、スペック
- スバルXV Advanceスペック
1モーター式のハイブリッドシステムe-BOXERを新搭載!

スバルXVは、2017年5月にデビューした。ベースとなっているのは、Cセグメントのコンパクトカーであるインプレッサだ。インプレッサをベースに、十分な最低地上高を確保し悪路での走破性をアップするなどしたクロスオーバーSUVがXVになる。搭載されるエンジンも共通。1.6Lと2.0L水平対向エンジンが用意されている。
世界トップレベルの安全装備を装着しているXV

Cセグメントのコンパクトカーだが、XVの安全装備は、インプレッサと同様に世界トップレベルだ。歩行者検知式自動ブレーキを含む先進の予防安全装備であるアイサイトを標準装備するだけでなく、歩行者エアバックも標準装備化している。このクラスのモデルで、ここまで充実した安全装備を標準装備化したモデルは稀だ。
年々、こうした安全装備への関心が高まる中、XVやインプレッサは安全性能で高く評価され、販売状況は好調を維持。スバルを代表するモデルとして成長している。
ハイブリッドなどの電動化技術が遅れているスバル

優れた安全性能を誇るXVだが、万全ではない。ライバルに対して、大きく遅れている部分もある。それは、ハイブリッドなどに代表されるクルマの電動化技術だ。
減税メリットが提示ができないクルマは選択肢から外れる
日本マーケットでは、顧客が重視するエコカー減税の燃費基準は、年々厳しくなってきている。もはや、ガソリンエンジンでは基準をクリアすることが難しい状態だ。こうなると、顧客の選択肢から外される可能性が高くなる。
エコカー減税などの減税メリットが提示ができない状況は、販売面で大きな足かせになることは確実。新車効果で売れている1年程度は良いとしても、その後、ジリ貧状態に陥るのも確実だろう。エコカー減税に対応するハイブリッド車の投入が望まれている。
ハイブリッドシステムの改良が必要
ところが、現在のスバルには、大幅な燃費向上が期待できるハイブリッドシステムがないのだ。トヨタの傘下になり、トヨタのハイブリッドシステムであるTHS-IIを使ったモデルを出すとしていたが、これも大きく遅れている。
先代XVハイブリッドの1モーター式を使うしかなかった?

営業面で、エコカー減税に対応するグレードは必要。そんな声から生まれたともいえるモデルがe-BOXERを搭載したXV Advanceといえる。
車重が重くなったことが燃費に影響
このe-BOXER、基本的にすでに発売されているフォレスターのe-BOXERと同じだ。先代XVハイブリッドのシステムを改良したものになる。搭載されたモーターは、10kw&65Nm。先代と同じ小さな出力のモーターが使われている。フォレスター同様、FB20型エンジンの出力もXVハイブリッドよりダウンされており、145ps&188Nmとなった。
このe-BOXERを採用することで、XV Advanceの燃費は19.2㎞/Lとなった。先代XVハイブリッドの燃費20.4㎞/Lよりも悪くなっている点がやや気になるところ。やや車重が重くなっていることも影響しているのだろう。
先代のシステムをしっかりと改良したが・・・
先代XVハイブリッドとの大きな変更点は、ニッケル水素バッテリーから、リチウムイオンバッテリーへ変更されたこと。また、インバーターなども効率をアップさせている。電圧も100Vから118Vへアップ。この電圧のアップにより10kWという小さな出力のモーターだが、より早く最高出力に達することができるようになった。そのため、低速域でのEV走行時間を先代モデルより、より長く維持できるようになった。
先代XVハイブリッドのシステムをそのまま流用するのではなく、しっかりと改良している点は、まじめなスバルらしさを感じる。とはいえ、既存の電動化技術を使うしかなかったスバルの電動化技術の遅れを感じさせる部分でもある。
世界トップレベルの安全装備は、さらに充実
e-BOXERを得たXV Advance専用装備として、ブルー内装を設定した。新色となるボディカラー「ラグーンブルー・パール」も採用されている。
魅力的な安全装備で、より安全なクルマに

注目すべきは、安全装備がさらに充実した点だ。一部のグレードを除き、駐車場から後退で出るときなど、接近してくるクルマを検知し、もしものときに自動ブレーキを作動させてくれる後退時自動ブレーキシステムを標準装備した。
また、アイサイトセイフティプラス(視角拡張)にサイドビューモニター機能が追加された。
もはや、国産高級車並みの安全装備が、CセグメントのコンパクトSUVであるXVに装備されている。この充実した安全装備は、非常に魅力的。より安全なクルマに乗りたいというのであれば、XVは十分に満足できるモデルといえる。
スバルXVの価格、スペック
スバルXVの価格、スペックの情報は以下の通り。
グレード | 価格 |
---|---|
XV 1.6i EyeSight | 2,138,400円 |
XV 1.6i-L EyeSight | 2,268,000円 |
XV 2.0i-L EyeSight | 2,505,600円 |
XV 2.0i-S EyeSight | 2,700,000円 |
XV Advance | 2,829,600円 |
スバルXV Advanceスペック
全長×全幅×全高 | 4465×1800×1550mm |
ホイールベース | 2670mm |
最低地上高 | 200mm |
車両重量 | 1550kg |
最小回転半径 | 5.4m |
燃料消費率 JC08モード | 19.2km/L |
サスペンション[前輪/後輪] | ストラット式/ダブルウィッシュボーン式 |
エンジン 型式・種類 | FB20水平対向4気筒 |
総排気量 | 1995cc |
最高出力[ネット] | 107kW(145PS)/6000rpm |
最大トルク[ネット] | 188N・m(19.2kgf・m)/4000rpm |
モーター最高出力 | 10kW(13.6PS) |
モーター最大トルク | 65N・m(6.6kgf・m) |
動力用主電池種類 | リチウムイオン電池 |
トランスミッション | リニアトロニック |