メルセデス・ベンツは、主力モデルであるCクラスセダンやステーションワゴン、クーペ、カブリオレをマイナーチェンジし発売を開始した。
- この記事の目次 CONTENTS
- 高い人気を誇る4代目Cクラスがマイナーチェンジ
- 世の中の流れと逆行し、ラインアップから姿を消したPHEV
- マイルドハイブリッドのBSGを搭載した1.5Lターボをメイングレードに設定
- 燃費だけでないBSGのメリットととは?
- よりパワフルでクリーンな2.0Lディーゼルエンジンを搭載
- 日本人好みのより精悍なフェイスに変更
- 先進性を感じさせるインテリア
- Cクラスの選び方:C180は選択肢から外すこと
- メルセデス・ベンツCクラス価格
高い人気を誇る4代目Cクラスがマイナーチェンジ
メルセデス・ベンツCクラスであるW205型は、2014年にデビュー。Cクラスとしては、4代目となる。このCクラスは、非常に人気の高いモデルで、デビュー後から2017年まで、このクラスの輸入車で4年連続して販売台数ナンバー1の座を獲得している。
インポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞
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4代目Cクラスの人気を支えているのは、日本人好みの迫力あるデザインと、Cクラス史上最もスポーティなハンドリング性能、クラストップレベルの予防安全性能など。クルマとしての基本性能も優れていることもあり、2014-2015日本カー・オブ・ザ・イヤーのインポート・カー・オブ・ザ・イヤー部門を受賞している。
世の中の流れと逆行し、ラインアップから姿を消したPHEV
欧州を中心としたクルマの電動化の波は止められない状況。いかに素早くクルマから排出されるCO2を減らしていくことが、世界的に重要視されている。
そんな中、メルセデス・ベンツCクラスのマイナーチェンジでは、CO2排出量を減らし、実用面でもガソリン車と遜色ないPHEVの設定が無くなった。
足元の販売台数を意識した戦略か
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マイナーチェンジ前のPHEVの価格はかなり高価だったこともあり、売れなかったのも大きな要因の一つだろう。しかし、BMW3シリーズは安価な設定として売り続けている。本来ならば、CクラスもPHEVの価格を見直し、積極的により電動化へ道を進むべきだ。今回のラインアップでは、かなり足元の販売を意識した設定で、売りやすいガソリン車主体の設定となっている。
先進性というブランドイメージを欠く結果に
こうした設定は、ある意味、トヨタやレクサスを中心とした、ハイブリッド勢との燃費勝負から逃げた格好になる。唯一、トヨタ&レクサス勢にCO2の排出量で勝負できたのは、PHEVだけだったからだ。
こうしたガソリン車ばかりの設定は、メルセデス・ベンツの先進性を感じさせないラインアップになった。世界の高級車ブランドをけん引するメルセデス・ベンツなのに、残念な結果だ。
マイルドハイブリッドのBSGを搭載した1.5Lターボをメイングレードに設定
先進性に乏しいガソリン車中心のラインアップとはいえ、Cクラスもそれなりの進化を果たした。売れ筋となるC200アバンギャルドには、新開発のM264型1.5L直4ターボエンジンを搭載した。このクラスの高級車も、ついに、1.5Lエンジンという小排気量時代に突入した。
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この1.5Lエンジンは、単なるダウンサイジングエンジンではない。なんと、マイルドハイブリッド機能である「BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)」、「48 Vボルト電気システム」などの新技術が採用されている。
BSGとは?
このBSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)は、ベルトを介してクランクシャフトと接続される、スターターとジェネレーターを兼ねるモーターだ。いわゆるマイルドハイブリッドになる。
低燃費に貢献
BSGは、最高出力14PS(10kW)、最大トルク160Nmを発生し、エンジンを補助する役割をもつ。回生時には、48 Vボルト電気システムにより、発電した電気を1kWhのリチウムイオン電池に蓄電。この回生電力でモーターを駆動して、エンジンをアシストし低燃費化に貢献している。
燃費だけでないBSGのメリットととは?
BSGのメリットは、モーターがエンジンのアシストをして低燃費化するだけではない。アクセル操作に対するレスポンスを良くし、より気持ちのよい走りにも貢献する。
まず、小排気量ターボは、アクセル操作に対するレスポンスが悪い。まず、絶対的な排気量が少ないので、ターボの過給がかかる前のトルクが小さい。低速域やアクセルを戻し再びアクセルを踏み再加速するときに、ターボ特有の過給遅れによりエンジンの力がすぐに出てこない。わずかな時間だが、これがターボラグだ。これが、少々もどかしく感じる。
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しかし、BSGはターボの過給遅れをフォローする。モーターは、瞬時に最大トルクを発生できる特性をもつ。このモーターが、ターボラグに起こるもどかしさを改善。アクセル操作に対するレスポンスを向上させている。これにより、小排気量のターボ車でありながら、気持ちの良い走りができるようになった。
このBSGを採用したM264型1.5Lターボエンジンの最高出力は184PS(135kW)、最大トルク280Nmを発生。燃費性能は、現在のところ公表されていないが、20.0㎞/L前後の優れた燃費値になると予想される。
よりパワフルでクリーンな2.0Lディーゼルエンジンを搭載
徐々に人気を高めているディーゼル車、C220dアバンギャルドはEクラスと同様の最新エンジンに変更された。この2.0Lディーゼルエンジンは、最高出力143kW(194PS)、最大トルク400N・mをアウトプット。従来の2.2Lディーゼルよりダウンサイジングされているが、高出力化され、振動、騒音も低減された。
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また、排ガスに関しては、排出ガス浄化経路の短縮やsDPF(DPF with SCR Coating:選択触媒還元法コーティング付粒子状物質除去フィルター)を採用。排気の浄化性能も向上。さらに、欧州において導入されているRDE(実路走行試験)規制に適合している。
日本人好みのより精悍なフェイスに変更
Cクラスの外観デザイン変更は微小に留まった。フロントおよびリアバンパーが刷新された。また、大きな変更点のひとつが「LEDハイパフォーマンスヘッドライト」だ。ヘッドライト内部にマルチチャンバーリフレクターが上下4列ずつ立体的に並んでおり、近未来的な眼光を演出。
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さらに、上位グレードには「マルチビームLEDヘッドライト」を採用した。このヘッドライトは、EクラスやSクラスに使われているシステムと同じ。片側84個のLED光源を瞬時に個別に制御し、前走車や対向車のドライバーを幻惑することなく、広い範囲を明るく照射することができる。最長650m先まで照射するウルトラハイビームも新搭載した。
こうした変更で、Cクラスのフェイスデザインは、一段と精悍さが増した。元々、日本人好み強面系デザインが、より強調された印象で独特の存在感を放つ。
メルセデス・ベンツのCクラス、Eクラス、Sクラスは、似たデザインが採用されており、ひと目で判別が難しいくらいによく似ている。Cクラスでは、セダンのテールライトユニットを内部がCクラスの“C”の文字をモチーフにしたライトデザインに変更。Cクラスらしさを強調するデザインとし、EクラスやSクラスと判別しやすくなった。
先進性を感じさせるインテリア
Cクラスのインテリアは、スポーティなデザインコンセプトを継承。ダッシュボード中央には、ナビゲーションやエンターテインメントシステムの表示画面となる、高精細10.25インチの「ワイドディスプレイ」を装備。視認性が高い場所に設置されている。
メーターには、高精細12.3インチのCクラス専用デザイン「コックピットディスプレイ」を装備。スピードメーターや回転計、ナビゲーションや安全運転支援システムなどの情報を表示することができる。その他、「クラシック」、「スポーツ」、「プログレッシブ」の3種類のデザインの中から、好みの画面を選択できる。
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Cクラスの選び方:C180は選択肢から外すこと
Cクラスで、まず選択肢から外したいのがC180だ。このグレードは、スポーティな内外装デザインをもち人気の高いアヴァンギャルドでもなく、装備も簡素化されている。いわゆる価格訴求用のオトリグレードだからだ。
このC180を除くと、他のグレードはすべて人気のアヴァンギャルドなので、エンジンの選択が重要になる。
予算重視でCクラスに乗りたい人向けはC180系1.6Lターボ
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まず、1.6Lターボを搭載したC180系だが、このモデルは燃費や動力性能など、とくに特徴がないので選びにくい。せっかく輸入車を買うのに、今時、ただのガソリンという選択は、ちょっと微妙。ただ、価格設定は安く4,890,000円。マイルドハイブリッドの1.5Lターボを搭載したC200系に対して63万円も安い。C180系は、予算重視という人向けといえる。
新型エンジンを搭載したC200系の価格は5,520,000円となった。マイナーチェンジ前に搭載ていた2.0Lターボ車の価格は比べ、22万円価格がアップしている。とくに、先進感は無いものの、どうしてもガソリン車でなくてはダメという人向けになる。
おすすめはディーゼル車のC220d系
最近のガソリン高騰を考えると、やはりおすすめはディーゼル車のC220d系 だ。C220d系の価格は5,780,000円。ガソリン車のC200系と比べると26万円高価な設定となった。
26万円高でもディーゼル車を選ぶべき
ガソリン車はハイオク仕様であるのに対して、ディーゼル車は軽油を使う。燃料費は、30円/L前後安い。燃費もディーゼル車の方がよい場合が多いので、燃料経済性に優れる。しかも、ディーゼル車のトルクは400Nmもあるので、非常に力強い走りが可能だ。
車両価格がガソリン車に対して26万円高となるものの、ディーゼル車はエコカー減税などの減税メリットも大きくなる。また、燃料費差を含めれば、なんとか元が取れる範囲内といったところだ。
メルセデス・ベンツCクラス価格
Cクラスの価格は以下の通り。
セダン
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グレード | 価格 |
---|---|
C 180 | ¥4,490,000 |
C 180 アバンギャルド | ¥4,890,000 |
C 200 アバンギャルド | ¥5,520,000 |
C 200 4MATIC アバンギャルド | ¥5,800,000 |
C 220 d アバンギャルド | ¥5,780,000 |
メルセデス AMG C 43 4MATIC | ¥9,400,000 |
メルセデス AMG C 63 | ¥12,110,000 |
メルセデス AMG C 63 S | ¥13,790,000 |
ステーションワゴン
グレード | 価格 |
---|---|
C 180 ステーションワゴン | ¥4,730,000 |
C 180 ステーションワゴンアバンギャルド | ¥5,130,000 |
C 200 ステーションワゴンアバンギャルド | ¥5,760,000 |
C 200 4MATIC ステーションワゴン アバンギャルド | ¥6,040,000 |
C 220 d ステーションワゴンアバンギャルド | ¥6,020,000 |
メルセデス AMG C 43 4MATICステーションワゴン | ¥9,590,000 |
メルセデス AMG C 63ステーションワゴン | ¥12,350,000 |
ルセデス AMG C 63 Sステーションワゴン | ¥13,980,000 |
クーペ
グレード | 価格 |
---|---|
C 180 クーペ スポーツ | ¥5,640,000 |
メルセデス AMG C 43 4MATICクーペ | ¥9,500,000 |
メルセデス AMG C 63 クーペ | ¥12,920,000 |
メルセデス AMG C 63 Sクーペ | ¥14,240,000 |
カブリオレ
グレード | 価格 |
---|---|
C 180 カブリオレ スポーツ | ¥6,150,000 |
メルセデス AMG C 43 4MATICカブリオレ | ¥10,030,000 |
メルセデス AMG C 63 Sカブリオレ | ¥14,830,000 |
Cクラスのカタログ情報
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- 現行モデル
- 令和3年7月(2021年7月)〜現在
- 新車時価格
- 596.0万円〜1020.0万円
Cクラスの在庫が現在84件あります
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