リーフ REVIEW 新旧比較レビュー

リーフ REVIEW 新旧比較レビュー

初代日産リーフは2010年12月に登場。日産のEV(電気自動車)戦略を一手に担う重要な役割をもったモデル。デビュー当時の航続距離は200㎞だったが、何度か改良やマイナーチェンジを繰り返し、最終モデルでは、280㎞まで航続距離を伸ばした。それでも日産が予想していたほど振るわなかった初代リーフ。その弱点を克服し、さらにプロパイロットと呼ばれる先進運転支援機能をプラスし魅力を大幅にアップしたのが、2017年10月に販売開始した2代目だ。大きくパワーアップしてみた新型リーフを、旧型と比較しながらご紹介したい。

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日産リーフの歴史・概要

欧州では昨今、EVへのシフトが声高に叫ばれている。そんな中、日産リーフは2010年にすでに登場していた。24kWhという容量をもつリチウムイオン電池を搭載し、デビュー当時は200㎞の航続距離を誇った。

思うように売り上げが伸びなかったデビュー当初

しかし、マーケットはこの航続距離では不満があるとのことで、販売台数は日産が想像する以上に伸び悩む。また、車両価格も高く、補助金頼みというのも販売が伸び悩んだもうひとつの理由でもある。

それ以降、リーフは航続距離との戦いとなる。初代リーフの最終モデルでは、ついに30kWhという大容量電池を搭載し、280㎞まで航続距離を伸ばした。しかし、それでもマーケットの反応は冷ややかなままだった。

2代目リーフは大きくパワーアップ

ただ、日産は地道にEVの普及に力を入れ続けた結果、充電インフラは年々向上。よほどのへき地でなければ、充電に困ること無いという環境になっている。充電インフラに関しては、日本は世界トップレベルにある。

そして、2017年10月に2代目リーフが登場した。

2代目リーフは、40kWhという大容量リチウムイオン電池を搭載することで、課題だった航続距離を解決することを狙った。注目の航続距離はいっきに伸び、なんと400㎞に。さらに、2018年以降には、なんと60kWhというリチウムイオン電池を搭載したモデルを投入するという。このモデルになると、航続距離は500~600㎞になると予想され、航続距離への不満はほぼ解消されるとみられている。

また、先進運転支援技術も投入された。高速道路などの同一車線内で追従走行が可能なプロパイロットを用意。さらに、自動で駐車できるプロパイロットパーキングも用意。こうした装備を用意することで、より先進性の高いEVであることをアピールしている。

コンセプト&エクステリア

新旧全く異なるデザイン

初代日産リーフは「SMART FLUIDITY=賢い流動体」をテーマに、流麗さと空力特性を磨き上げたスマートなスタイルとした。

そもそも、EVにはエンジンが無い。そのため、フロントのデザインは、グリルレスで独特な造形をもつ。ただ、全般的に丸くコロッとした感じが強く、個性的だ。良くも悪くも好き嫌いが明確に出るデザインといえる。

2代目リーフは、そうした初代リーフのデザインを一新。日産のデザインアイコンであるVモーショングリルを使いそつなくまとめた。しかし、プラットフォームが初代リーフと同じため、全体的なプロポーションは初代リーフと同様。シャープなエッジを入れることで、ややスポーティな印象をアピールしている。

新旧とも先進性やEVらしさはイマイチ

デザインが大きく変わった2代目だが、そのデザインはEVというと想起されるような先進感はそれほど感じられない。どちらかというと、一般的なCセグメントのハッチバックといったスタイルともいえる。

初代、2代目ともデザインに関しては、かなり苦労しているといっていいだろう。EVらしいデザインとはどんなものなのか? 試行錯誤中といった印象だ。

新旧リーフのデザインは、端的に言えば丸いのが好きか、シャープなのが好みなのかというところで評価が変わるだろう。

インテリア・装備

質感や先進感があった初代リーフ

初代日産リーフのインテリアデザインは、なかなか先進性にあふれていた。

上下2段のツインデジタルメーターを採用。エコインジケーターと、視認頻度の高いスピードメーターは見やすいアッパーメーターに配置した。ロアメーターには、リチウムイオンバッテリーの出力と回生を表示するパワーメーター、充電や電費情報、バッテリー残量、航続可能距離などを表示するデザインになっている。

また全体の空間デザインに目を向けても、水平基調のインパネデザインとエアグレーの明るい内装色との組み合わせにより、ルーミーな解放感あふれる仕上がりに。

また、今となっては画面が小さいナビだが、充電場所の検索やスマートフォンから車両状況の確認、乗る前エアコンなど各種設定が行えるIT技術も駆使されていた。また、後期のモデルには歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備なども装備されたモデルもある。

先進運転支援技術が充実した2代目

2代目リーフは、コストダウンを狙ったのか、初代リーフと比べると質感に乏しい。

ツインデジタルメーターは、無くなり一般的なものに。さらに、このメーターの右側にあるスピードメーターはアナログタイプ。左側に電池や出力・回生状況などを表示するデジタルメーターが装備される。先進EVとは思えないくらいシンプル過ぎる仕様だ。また、ナビ関連も先代のものを流用していることがすぐに分かる。ナビの画面も今では、やや小さい。

インテリアの質感や先進感という点では、初代リーフが勝る。ただし、装備面では高速道路などの同一車線内を追従走行が可能なプロパイロットや、自動で駐車が可能なプロパイロットパーキングといった先進のドライバー支援技術が2代目リーフには用意されている。先進装備面では当然2代目リーフが勝る。

走り・メカニズム

パワフルになった2代目

初代日産リーフ最終モデルの出力は109ps&254Nm。これに対して、2代目リーフは150ps&320Nmへとパワーアップされている。2代目リーフの力強さは、かなりパワフルになった。この加速力は強力。EVらしいレスポンスの良い走りが楽しめる。

また、リーフは床下に大きく重い電池を搭載する。そのため、かなり低重心化されている。この低重心化は、カーブでの卓越した安定感をもたらす。ややアップライトなドライビングポジションだが、カーブでの速度、安定感はちょっとしたスポーツカー並み。ただ、サスペンションが乗り心地を重視しているため柔らかい。

上記にあまり路面状況を伝えてくれないステアリングフィールがあいまって、楽しい走りをややスポイルしている。こうした走りを楽しみたい人には、NISMO仕様があるのでこちらがお勧め。リーフの卓越した運動性能を十分に堪能することができる。

大きな差を感じるのは航続距離

2代目リーフは、力強さや静粛性、カーブでの安定感、乗り心地とすべての面で初代リーフの上を行く。だが、その差は意外と小さい。これは、プラットフォーム(車台)が初代と2代目共に共通であることが原因。それほど、クルマの走りに関心が無い人なら、その差に気が付かないレベルでもある。

明確に感じるのは、やはり航続距離。実電費を1kWh当たり6~7㎞とすると、初代リーフの30kWh車は、180~210㎞くらいの実航続距離。40kWhの2代目は、240~280㎞くらいが実航続距離となる計算だ。

この差が大きいか小さいかは、個人の使い方にもよるが、2代目リーフの40kWhは、やはり航続距離に対する心の余裕まで含めれば大きな違いともいえる。

お勧めは2代目リーフ? それとも初代リーフ?

買い得感があってお勧めなのは中古の30kWh車の初代リーフ

ずばりお勧めしたいのは、中古の30kWh車の初代リーフだ。歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備が装着されているものがベスト。この初代リーフの中古車はとにかく安い! 2016年式で150万円~180万円くらいの車両価格で購入可能だ。新車価格が約350~400万円だったので、かなり買い得感がある。

新車の軽自動車を買う人の中には、近所の街乗り用としていることも多い。スーパーハイト系の軽自動車なら、すぐに180万円くらいの価格になる。街乗り用としているであれば、初代リーフの航続距離が多少短くても気にならないはず。先進のEVがこれだけ安く買えるので、初代リーフはあまりにも魅力的だ。

また、リーフtoホームと呼ばれる接続機器を購入すれば、安い夜間電力を使いリーフに充電。昼間はリーフから家に給電し、電力代を抑えるということも可能だ。

2代目も中古はかなり手ごろになる可能性が

もちろん、2代目リーフでもこうした使い方は可能だ。しかし、新車なので価格が高いので、コストパフォーマンス的には初代リーフの中古車にはかなわない。2代目リーフは、やはり先進の運転支援技術が必要な人となる。

中古車の初代リーフの価格がかなり安いということは、初代リーフのリセールバリューも低いということ。2代目リーフのリセールバリューがどうなるのかは、今後の人気次第。

しかし、急激に2代目リーフが大人気モデルとなるというのは考えにくい。そう考えると、初代と2代目とも新車で買うというよりは、中古車を買ったほうがはるかにお得だ。2代目リーフが欲しいと考えているのなら、しばらく待って中古の2代目リーフの購入を考えたほうがいいだろう。

新車値引き交渉のポイント

税制優遇はあるが車体価格は高い

まず、2代目リーフを新車で購入する場合、2017年11月現在補助金が40万円出る。さらに、エコカー減税分を含めると、約50万円以上定価よりは安くなる。しかも、市町村によってはさらに補助金がプラスされる。

こうなると、随分税制面で優遇されているように感じるが、元々の価格が高い。最上級グレードのGで3,990,600円だ。補助金ありきの価格設定で、補助金分を引いてもハイブリッド車より高価な印象。これでは売れない。

2代目リーフは、発売直後とあってしばらくの間は値引きゼロを基本としてくるだろう。ただし、日産は完成検査不正問題で大きな打撃を受けている。そのため、顧客を逃がしたくないという理由から、値引き対応する可能性も十分にある。とくに、2~3月の繁忙期では値引きしてでもリーフを売れという状況になると予想できる。この時期が2代目リーフを購入する場合、最もチャンスといえる。

PHVと比較していることを伝えるのがポイント

まず、EVの航続距離への不満や日産の完成検査不正問題などをチラつかせながら、やっぱりPHVかなぁ、という姿勢を出しておきたい。事前にトヨタ プリウスPHVの見積もりを取っておくことが重要だ。

そこで、ジックリと時間をかけながら商談。先方がしびれを切らせ値引き額を上げだしたらチャンス到来。ぜひ、あなたから買いたい、などと営業マンに甘い言葉をかけながら徐々に値引き額をアップしてもらうといいだろう。

この間、ライバル車の値引きもアップしているという情報を営業マンに流すことも重要。ある程度値引き額が提示されたら、期日を決めてしまうのもいい。来週末に決めるので、もう少し値引きしてほしいなどと伝えるといいだろう。値引き額がアップしなくなった場合、ディーラーオプションのサービスなどに切り替えるという作戦もある。

下取り車のことも忘れずに

そして、新車値引きと同様に重要なのが下取り車の処分。

まず、最初に行うことは、必ず買取り店に行き査定すること。この手間が最も重要。下取り車の本当の価値を知ることができるからだ。新車ディーラーでは、値引きを大きくした後、下取り車の価格を下げ、値引き損分を取り返そうとすることがある。相手の術中にはまらないように、まず買取り店での査定し本当の価格を知っておくことが重要なのだ。

また、新車ディーラーは自社の下取り車に対して高値が出るが、他車ものは安値になるケースが多い。こうしたディーラーの都合による下取り車処分による損も買取り店での査定で一定の目安が付くため回避することができるのだ。

顧客側とすれば、ディーラーでも買取り店でも、より高く売れればいいだけだ。買取り店で100万円と査定されたクルマが、70万円、80万円という下取り価格になるケースも・・・。こうなると何のために、手間暇かけて新車値引きしてもらった分が、すべて無駄になってしまうので、くれぐれも気を付けてほしい。

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中古車買取相場
日産 リーフ

118.9万円

※過去約6ヶ月間の弊社査定実績の中での最高額。
平成29年式 日産リーフ X サンクスエディション(30kwh)(パール 走行距離1万km走行) 2017年11月査定。

新車値引き術
カタログ情報

新型 リーフ

カタログ情報
■新車時価格(税込):
315万円〜399万円
■中古車相場:
- ~ -

旧型 リーフ

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■新車時価格(税込):
273.9万円〜456.4万円
■中古車相場:
74万円〜100万円