この記事の目次 CONTENTS
BMW1シリーズとミニ
一目でミニと分かる高いデザイン性
滑らかな走りや静寂性なら BMW1シリーズ
最新安全装備は1シリーズ
せっかくなら上級グレードを

ライター紹介

CAR-TOPICS編集長

村田 創 氏

大学卒業後新車ディーラーにて5年勤務。その後、中古車のガリバーへ入社。車一筋20年以上のベテランが新車から中古車まで幅広く解説します。

BMW1シリーズとミニ

同じBMWグループのコンパクトカーである、BMWの1シリーズとミニの各種モデル。それぞれのカラーはあるものの、軽快な走りを備えている点は同じ。それだけにどちらにしようかと迷う人も意外に多い。そこで今回は、この2車種にスポットライトを当ててご紹介したい。

BMWのエントリーモデル1シリーズ

BMWのエントリーモデル1シリーズ

Cセグメントに属するBMW1シリーズの登場は2004年と比較的新しい。3シリーズコンパクトの継続モデルとして、新たな顧客獲得を目指す意図もあって誕生した。現行モデルは第2世代で、2011年にお披露目されている。

デビュー当初はハッチバックに加えてクーペやカブリオレも展開。その後、クーペやカブリオレは2シリーズとして新たな名前になったため、現在はハッチバックのみのとなっている。

ミニ(BMW)のスタンダードモデル、ミニ

ミニ(BMW)のスタンダードモデル、ミニ

1959年から続くイギリスの老舗ブランドであるミニ。2001年にBMWグループの一員となるものの、BMWとは別のブランドとして展開している。

BMWに買収された翌年の2002年には、ミニ3ドアを発売。その後は、5ドアのモデルも追加している。現行モデルは2013年から発売されている第3世代にあたる。伝統にこだわっているため、現在でも生産はドイツではなくイギリスで行われている。

一目でミニと分かる高いデザイン性

最近では街で見かける機会も増えたミニ。その特徴的なエクステリアデザインだけに、一目でミニだと分かる。丸みを帯びたスタイリングは、伝統的を踏襲。丸型ヘッドライトや六角形のグリルといった昔から伝わるデザインアイコンが継承されつつ、LEDヘッドライトやなだらかなルーフラインといった現代的な技術やデザインも取り入れている。

そんなデザイン性はインテリアにも取り入れられている。柔らかい曲線を多用しつつ、ところどころに丸のモチーフを用いた遊び心のあるデザイン。特徴的なのはセンターにある丸いパネルで、リング型のLEDライトが埋め込まれていて、エンジンやエアコンの温度に反応して色が変わる。それでいて、意外に車内は広く快適なのもポイントが高い。

一目でミニと分かる高いデザイン性

スポーティさを感じさせるBMW1シリーズ

同じBMWグループでも、本家BMWの1シリーズはもう少しオーソドックスなクルマのデザイン。ハッチバックながらも全高がやや低く、ロングノーズなデザインに仕上げているため、スポーティでシャープな顔つきに仕上がっている。

車内に目を向けると、エントリーモデルとしては意外なほどに質感のある仕上がり。中でもデザインが一新されたセンターコンソールは、グロスブラックが採用されているため上質。モダンで洗練されたスタイルで、センスの良さを感じさせてくれる。

ただ後部座席の広さという点ではミニには及ばない。大人の男性が座ると、少し狭いかなと感じるくらいだ。そのスペースをラゲッジに割いているので、後部座席は子どもが座る、あるいは荷物が多いという人には1シリーズが便利だろう。

スポーティさを感じさせるBMW1シリーズ

車内に目を向けると、エントリーモデルとしては意外なほどに質感のある仕上がり。中でもデザインが一新されたセンターコンソールは、グロスブラックが採用されているため上質。モダンで洗練されたスタイルで、センスの良さを感じさせてくれる。

ただ後部座席の広さという点ではミニには及ばない。大人の男性が座ると、少し狭いかなと感じるくらいだ。そのスペースをラゲッジに割いているので、後部座席は子どもが座る、あるいは荷物が多いという人には1シリーズが便利だろう。

滑らかな走りや静寂性なら BMW1シリーズ

エントリーモデルというと排気量の小さいエンジンしかないのではないかという懸念が頭をもたげるが、この2台に関してはその心配は無用。特に1シリーズに関しては、シルキーシックスとも呼ばれる3リッター直列6気筒エンジンも用意されている。

1シリーズ
・1.5リッター直列3気筒DOHCターボ
・2.0リッター直列4気筒DOHCターボ
・3.0リッター直列6気筒DOHCターボ

ミニ
・1.2リッター直列3気筒DOHCターボ
・1.5リッター直列3気筒DOHCターボ
・2.0リッター直列4気筒DOHCターボ
・2.0リッター直列4気筒DOHCディーゼルターボ

対するミニも、BMWグループの一員であることを生かした、性能の高いエンジンが用意されている。ラインナップという点では1シリーズには及ばないものの、BMWグループが開発したツインパワーターボテクノロジーが搭載されており、その性能に不足はない。

燃費性能は車体の軽いミニが優勢

ミニ(BMW)のスタンダードモデル、ミニ

このクラスだと、どうしても注目されることが多いのが燃費性能とパワー。ダウンサイジングの流れに乗ったコンパクトなエンジンで、いかに燃費とパワーのバランスをとるかがメーカーの腕の見せ所だ。

1シリーズの燃費
・全体:13.4~22.2km/L
・ガソリン:13.4~18.1km/L
・ディーゼル:22.2km/L

ミニの燃費
・全体:14.8~23.9km/L
・ガソリン:14.8~20.2km/L
・ディーゼル:23.8~23.9km/L

同じ1.5Lガソリンモデルである「118i」はリッター18.1km。対する「クーパー3ドア」はリッター19.6km。2.0Lディーゼルモデルの「118d」がリッター22.2kmに対し、「クーパーSD」はリッター23.8km。ガソリン、ディーゼルともに100kgほど重量が軽いミニに軍配が上がる。

どちらも軽快な走りだが安定性という点で1シリーズ

BMWのエントリーモデル1シリーズ

そんな軽量ボディのミニは、見た目からは驚くほどに早い。吹け上りは良く力強い走りが特徴で、ゴーカートのようなステアリングフィールを楽しめる。BMW譲りの最高出力192ps、最大トルク300Nmというエンジンユニットが力を発揮している。

ただ、その軽量なボディのせいか、乗り心地はかなり硬く、振動やノイズもかなり感じる。また高速での安定性という点では、今一つなところもある。

その点、1シリーズはその仕上がりの良さが光る。加速はスムーズで心地よく、ハンドリングはスッキリ。これは先述の新開発エンジンに加えて、BMW伝統のロングホイールベースにFRレイアウトとロングホイールベースによるものが大きいだろう。

最新安全装備は1シリーズ

1シリーズは、ほかのシリーズ同様に最新鋭の安全装備を搭載できる。例えば、歩行者検知機能がついた衝突回避・被害軽減ブレーキや、夜間の走行において視認性を上げる「LEDヘッドライト」が装備されている。これにより、1シリーズの走りをさらに楽しむことができる。

最新安全装備は1シリーズ

ミニにも画期的な安全装備があり、ダミーによる実験が繰り返されるなど入念に試験が重ねられている。中でもヘッドアップディスプレイで情報を確認できるほか、衝突・歩行者警告機能は秀逸である。これにより、運転中に困ったことがあってもサポートしてもらえる。

せっかくなら上級グレードを

1シリーズの新車販売価格
・全体:364~618万円
・ガソリン:364~618万円
・ディーゼル:385~420万円

ミニの新車販売価格
・全体:230~429万円
・ガソリン:230~429万円
・ディーゼル:324~394万円

ミニは200万円台、BMWの1シリーズは300万円台と、どうにも手が届かない値段ではない。1シリーズの方がやや高い価格設定ながら、1シリーズの方がボディが少し大きく、またFRであることを考えれば妥当な価格設定だろう。

ただ、どうで買うなら上級グレードを買いたいところ。特にこのクラスのクルマは、エンジンのグレードで走りが全く異なる。せっかくミニやBMWのクルマを買うのだから、その走りを存分に楽しめるグレードにしたい。

上級グレードはちょっと手が届かないという人は中古車も検討してみると良いだろう。このくらいのボディサイズのクルマは日本でも流通量が多いため、中古車の在庫が豊富。走行距離が短いもの、未使用のクルマなどもあるので、ぜひまずは在庫や価格をチェックしてみてほしい。