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クリーンディーゼルとPHEVで、さらなるCO2低減を狙うミニ クロスオーバー
先代ミニ クロスオーバーは、2014年に一部改良で、ミニ初となるクリーンディーゼルエンジンを搭載して話題となった。このクリーンディーゼル車が売れたこともあり、その後、他のミニモデルにもクリーンディーゼルエンジンが続々と投入された。
そうしたこともあり、今回フルモデルチェンジした新型ミニ クロスオーバーは、クリーンディーゼル搭載モデルのみがラインアップされた。基本的に、単純なガソリンエンジン車の設定は無い。ガソリンエンジンを使っているモデルは、PHEVだけとなっている。
こうした設定になるのは、先代モデルのクリーンディーゼル車が売れたということもある。また、それだけでなく、より厳しくなったエコカー減税に対応するには、クリーンディーゼルでないと今後難しくなっていく。また、顧客に税制上や燃費メリットが提示できないなどからすれば、当然ともいえる設定だ。ドイツでは2030年以降にエンジン車が発売できなくなるなど、こうしたCO2減の流れを受けたものともいえる。
かなり割り切った設定ができたというのも、強力なミニブランドが背景にある。しかし、それにしてもかなり大胆な設定であり、今後、他の輸入車メーカーにも大きな影響を与えるといえるだろう。また、ハイブリッド車が台頭する日本において、クリーンディーゼルが燃費や経済性面で対等に勝負できるパワーユニットであることを加味すれば、今回の判断は英断ともいえる。
唯一のガソリンエンジンを搭載するPHEVは、約40㎞EV走行が可能。後輪をモーターで駆動する4WD
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PHEVであるミニ クーパーS EクロスオーバーALL4は、136PS(100kw)&220Nmを発揮する1.5L直列3気筒ターボエンジンに、88PS(65kw)&165Nmの電気モーターが組み合わされている。ミッションは6速AT。トータルのシステム出力は、224PSにもなり、なかなか力強い仕様だ。
駆動方式は、4WDのみの設定。一般的な1モーター式は、エンジンとミッションの間にモーターが存在する。しかし、このモデルはエンジンで前輪を、モーターで後輪を駆動するタイプのPHEVだ。
CO2を排出しないEVモードでは、最高時速125km、最長EV距離は約40km。EVモードを可能とするためのリチウムイオン電池は、後部座席の下に収納され、電池容量7.6kWhとなっている。この電池を充電するには、200V電源を使用。空の受胎から約3時間で満充電となる。
軽油を使うことで燃料費が安くなるだけでなく、パワフルな特性をもつクリーンディーゼルは魅力的
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もちろん、クリーンディーゼルエンジンなので、エコカー減税の対象モデル。自動車取得税および重量税が100%減税、翌年度の自動車税が75%減税となる。
また、クリーンディーゼル車の魅力は、ハイブリッド車並み高い燃料経済性だ。軽油を使うためハイオクガソリンと比べると30円/L前後、レギュラーガソリンに対しても20円/L前後価格が安い。燃費はガソリン車を上回る。ハイブリッド車にこそ燃費で劣るものの、軽油を使うことから、燃料費はかなり抑えられる。そのため、レギュラーガソリン仕様のハイブリッド車に近い燃料経済性を誇る。さらに、最大トルクはガソリン車やハイブリッド車を大幅に上回る。経済性が高いのに、余裕のある走りが可能なのもクリーンディーゼル車のメリットだ。
もう、ミニとは呼べない大きなボディ!? しかし、 使い勝手や居住性は大きく向上
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こうした傾向は、すでにデビューしているミニ クラブマンと同じだ。クラブマンとクロスオーバーは、ホイールベースが同じなので、ベースは同じと推測できる。
生粋のミニファンにすれば、もはやミニとは呼べないサイズ。ただし、大きくなったことでメリットもある。まず、従来モデルに比べ、リアシートを中心に室内空間が広くなり、快適性が飛躍的に高められている。リアのバックレストは40:20:40分割可倒式となった。さらに、バックレストの角度調整が可能となり後席の快適性が向上した。
さらに、クロスオーバーで大切なトランク容量は、先代モデルよりも100L拡大され450Lを実現。実用面での使い勝手を大幅に向上させている。
こうした実用面の向上は、元々、ミニブランドに好感をもっていたものの、実用面で二の足を踏んでいた潜在ファン層にとってはピッタリの1台となる。こうした顧客層を取り込むといった商売面で考えれば、ミニ クロスオーバーは、BMWにとってとても重要な車種といえるのだ。
大きくなってもミニらしさは不変! より高級感が出た内外装
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インテリアデザインは、クラブマンと同じではなくクロスオーバー用のものが採用されている。インパネセンターに鎮座する円形デザインモニターを中心として、やや太めのコンソールとしたデザインになっていて、クロスオーバー車らしいタフネス感がある。車格が上がったこともあり、クローム仕上げをふんだんに取り入れ、いっそう上質な空間に仕上げている。
安全装備面では、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備が標準装備化。先進の安全装備品となるヘッドアップ・ディスプレイやパーキング・アシストもオプションで用意された。
ミニ クロスオーバーの選び方。高いリセールバリューが魅力
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PHEVに向く人は、毎日通勤や送り迎えなどで短い距離を繰り返し走る使い方をする人だ。PHEVは、約40㎞のEV走行が可能。1日の走行距離は40㎞以内であったり、こまめに充電できる環境があれば、繰り返し短い距離の走る人に向く。安価な電力が積極的に使え、ほとんどガソリンを使わない生活も可能となる。
ただし、PHEVはロングドライブには向かない。EVで走れる距離は約40㎞と短く、ハイブリッドで燃費が良いとはいえない上に、燃料は高価なハイオクガソリンを使用するからだ。ロングドライブでは、それほど燃料費が安くならないのに、車両価格も4,790,000円と高価。燃料費で元が取れるとはいいにくい。
使うのは週末。一度ドライブに出ると40㎞以上は走るというのであれば、クリーンディーゼル車がいい。まずハイオクガソリン仕様である他の輸入車と比べると、軽油なので30円/L前後も燃料費が安くなる。さらに、燃費が良いので燃料コストは大幅に低減でき、さらにエコカー減税免税対応と経済面でのメリットが大きい。その上、クリーンディーゼル車は大トルクがウリ。力強い走りも楽しめる。
車両価格面を含め、全般的に多くの人にお勧めできるのは、クリーンディーゼル車だ。
そして、次の選択が4WDのALL4を選択するかFF(前輪駆動)にするかだ。降雪地域に住んでいたり、徹底的にウインタースポーツを楽しんでいる人や、ラフロードでの走行を楽しむという人以外は、FFで十分だろう。たまに、ウインタースポーツを楽しむ程度なら、FFにスタッドレスタイヤの組み合わせでも十分だ。
新型ミニ クロスオーバーのクリーンディーゼルエンジンは、出力違いの2つの仕様があるが、基本的に150PS(110kw)&330Nm仕様のクーパーDで十分な力強さをもつ。4WDとFFの価格差は28万円だ。
とにかく、速くそれでいて高い操縦安定性が欲しいというのであれば、190PS(140kw)&400Nmという圧倒的な大トルクを誇るクーパーSDとなる。ALL4のみの設定となっているので、路面状態を選ばずミニ クロスオーバーを楽しむことができる。
ただ、このグレードはちょっと選びにくい。車両価格が4,830,000円と500万円に近く高価なことがある。クーパーDとの価格差は69万円にもなるからだ。このモデルは、よほど新型ミニ クロスオーバーに惚れ込んでいる人、もしくは予算に余裕がある人向けということになるだろう。
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MINIを売りたい!車種情報と最新の買取相場はこちらから
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ミニの魅力は、高いリセールバリューにもある。乗り換えの時に、下取り車が高く乗り換えやすい。これは、基本値引きゼロという販売手法や高いブランド力によるもの。値引きを期待してはダメなブランドなので、値引きを前提とした予算感は持たない方がいい。また、リセールバリューが高いクルマなので、ミニを売却する場合は、単純に下取りに出すのではなく、買取専門店などで査定してもらうといい。人気車なので、大きな差が出ることも多い。
ミニ クロスオーバー価格
<新世代ハイブリッド・システム>
・MINI Cooper S E Crossover ALL4 4,790,000円
<クリーンディーゼル>
・MINI Cooper D Crossover 3,860,000円
・MINI Cooper D Crossover ALL4 4,140,000円
・MINI Cooper SD Crossover ALL4 4,830,000円
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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表 大岡 智彦 氏CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
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