BMW5シリーズBMWは、ミディアムクラスのセダンである5シリーズをフルモデルチェンジし発売を開始した。新型5シリーズは、約7年ぶりのフルモデルチェンジとなり、これで7世代目となる。この新型5シリーズは、2017年2月11日より販売を開始するが、グレードにより発売日が異なる。BMW 523d、BMW 530i、BMW 540i、BMW 540i xDriveが本年2月より、BMW 530eが本年第三四半期より、BMW 523iが本年第四四半期からとなる予定だ。


豊富なグレード、パワーユニットでライバルを圧倒する新型BMW5シリーズ


日本マーケットでのBMW車のセダンは、3シリーズの比率が圧倒的に高い。5シリーズや7シリーズは、ライバルであるメルセデス・ベンツに比べると比率が低い状態だ。BMWは、収益面で見ると、やはり5シリーズや7シリーズといった高収益車種の販売台数の比率をもう少し伸ばしたいところだろう。 そんな狙いがあるのか、新型5シリーズのグレードはとても豊富だ。なんと14グレードも用意され、価格帯は599~1,017万円までと幅広い設定となった。メルセデス・ベンツEクラスが6グレードなので、倍以上の設定だ。BMWは選択肢を増やし、より顧客ニーズに対応したグレードを提案することで、販売台数を伸ばしたいのだろう。

 

代わり映えのしない外観デザインに対して、インテリアは大胆な先鋭的デザインに


BMW5シリーズ新型5シリーズのデザインは、パッと見ためは先代モデルとあまり代わり映えしないようにも見える。これはこれで意味がある。先代の5シリーズは、世界的に成功したモデルだ。そのため、あえて冒険するようなデザインは採用しにくい。とくに5シリーズは、欧州などでカンパニーカーとして使われているケースが多い。あまりエモーショナルなデザインだと、カンパニーカーとしては避けられるケースが多くなるからだ。適度なコンサバさが求められるのだ。新型5シリーズのデザインは、こうした傾向に合わせたともいえる。

そんなあまり代わり映えしない外観デザインにも見えるのだが、ジックリみると細部はまったく異なるものとなっている。先代5シリーズと比べると、全体的に筋肉質のように見える。ボディ全体がギュッと引き締まった力強さがあり、面の張り方も、まるで筋肉のようだ。精悍さが一段とアップし、BMWらしい独特の存在感がある。

外観デザインに対して、インテリアデザインは、もはや先代のイメージはほとんどない。優れた機能性はそのままに、コクピットの配置を運転席側に向けて大きく傾け、ドライバー中心のいかにもコックピットなデザインとした。さらに、非対称なフォルムのセンターコンソールデザインもかなり斬新。他のBMW車の中でも、最も先鋭的といえるオリジナリティ溢れるデザインとなった。この個性派デザインに、厳選された素材と匠の技で生み出された高品質な仕上がりが加わり、高級車としての魅力をより際立たせている。

 

パワーユニットは5種類も用意!売れ筋は2.0Lクリーンディーゼル車?


BMW5シリーズ新型5シリーズに搭載されるパワーユニットは、5タイプと豊富なのが特徴。エントリーグレードとなる523iに搭載される2.0L直4ターボエンジンは、184ps&290Nmを発生。 クリーンディーゼルエンジンの523dには、2.0L直4ディーゼルターボが搭載され、190ps&400Nmをアウトプットする。523dの燃費はクラストップレベルの21.5 km/Lを達成。 530iに搭載される2.0L直4ターボは、252ps&350Nmを発揮。燃費は15.4km/Lとなった。そして、BMW特有のレイアウトである3.0L直6ターボは、540iおよび540i xDriveに搭載され、340ps&450Nmとパワフルな設定。燃費値は12.5km/L。

そして、BMWが着実に進めるPHVモデルもデビューとほぼ同時に投入される予定だ。PHVモデルは530eと呼ばれ、2.0L直4ターボエンジンに、8速ATと一体化された高出力電気モーターが組み合わされている。システム・トータルの最高出力は252ps。最大トルクは420Nmという余裕あるパワーとトルクを発揮する。

搭載されるリチウムイオンバッテリーの容量は7.7kWh。モーターだけで、120km/hまでの速度域で走行可能で、モーターのみで最長距離50.0kmまで走行可能だ。

Eクラスに負けない!安全装備も大幅向上させ、部分自動運転も可能に!

BMW5シリーズライバルのメルセデス・ベンツEクラスは、 自動で車線変更を可能にするなど部分自動運転化が進んでいる。当然、新型5シリーズもメルセデス・ベンツEクラスに対抗し、部分自動運転化と安全装備を大幅に向上させた。新型5シリーズには、ルームミラー内にステレオ・カメラを内蔵。ミリ波レーダーセンサーを前方に3基、後方に2基装備。日常走行域での急停止や飛び出し等を瞬時に判断し警告すると共に、夜間や悪天候下でも安定して検知し警告することにより、安全運転をサポートしている。

新機能として、ステアリング&レーン・コントロール・アシストを装備。この機能は、ステアリングに自動で操舵力を加えることで高速走行時に車線の中央付近を走行しやすいようにサポート。また、渋滞時は先行車追従走行を行い、安全性とドライバーの疲労軽減を図る。これが、部分自動運転と呼ばれる機能だ。

そして、これも新機能。アクティブ・サイド・コリジョン・プロテクションは、ボディ・サイドの前後左右に設置された4つのセンサーが車両側面の交通状況を監視し、隣車線で走行する車両が自らの車線に入ってくるなど、側面衝突の危険性が高まった場合には、ステアリング操作に介入し衝突を回避する。

さらに、新機能で後車追突警告は、リヤ・バンパーに組み込まれたセンサーが後方のクルマを監視し、衝突の危険がある場合にはハザード・フラッシュを点灯し、後続車のドライバーに注意を促す。衝突の危険性が高まった際には、アクティブ・プロテクションの全ての機能が作動し、万が一の時の衝突に対して乗員を保護する。

こうした新たな機能がプラスされ、新型5シリーズはより安全なクルマとしの価値をアップしている。ただし、Eクラスのような自動で車線変更するなど、分かりやすい部分自動運転技術は採用されておらず、ややメルセデス・ベンツがリードしている印象だ。

 

新型BMW5シリーズの選び方。お勧めはクリーンディーゼルとPHV!


BMW5シリーズ新型BMW5シリーズの選び方。新型5シリーズのパワーユニットは5種類もあり、選び方が難しいように感じるかもしれない。ガソリン車にこだわるのなら、そうかもしれない。しかし、全世界的な環境問題を考えると、これからの時代普通のガソリン車は選びにくい。そうなると、選択肢はクリーンディーゼルの523dかPHVの530eという選択になる。クリーンディーゼル車とPHV車は、今後中古車マーケットでも人気が高まることは確実なので、リセールバリューでも期待できお勧めだ。

523dのディーゼル車は、燃料が軽油なのでハイオクガソリンを使うガソリン車に比べ30円/L前後燃料費が安くなる。さらに、燃費は21.5㎞/Lと優れているので、燃料費面では非常に経済的だ。

PHVの530eは、エンジンがハイオクガソリン仕様なので、燃料費は高めになる。ただし、50㎞程度の距離をEVで走行できる。日常でチョイ乗りが多い人ならば、自宅で深夜電力を使い充電、出かけた先のショッピングモールなどでサービス充電などを活用すれば、かなり高い燃料費経済性を誇る。

BMW5シリーズ523dにするか、それとも530eかという選択は、クルマの使い方によって選ぶといい。例えば、1度乗ると遠出が多く距離を走る人はクリーンディーゼル車である523dがお勧めだ。540eは、毎日のようにチョイ乗りや短い距離での通勤などで使う人にお勧めだ。PHVは高価なイメージが強いが、523dとの価格差はMスポーツベースで37万円。BMWの戦略もあり、PHVはそれほど高価ではない。ただし、PHVを買うには充電設備の設置が必要になる。

お勧めのグレードは、両車ともMスポーツとなる。日本マーケットでは、エアロパーツ類を装着したスポーティなMスポーツが中古車マーケットで大人気。中古車での人気の高さは、リセールバリューに直結する。そのため、Mスポーツのリセールバリューは高価な設定となるのだ。乗り潰すという人には関係ないが、とくに、5年以内で乗り換えるような場合、リセールバリューが高い方が次の乗り換えにも有利になる。


<関連情報>BMW 5シリーズを売りたい!車種情報と最新の買取相場はこちらから

BMW5シリーズ価格


・BMW 523i ¥ 5,990,000

・BMW 523i Luxury ¥ 7,450,000

・BMW 523i M Sport ¥ 7,430,000

・BMW 523d ¥ 6,980,000

・BMW 523d Luxury ¥ 7,680,000

・BMW 523d M Sport ¥ 7,660,000

・BMW 530i Luxury ¥ 7,640,000

・BMW 530i M Sport ¥ 7,890,000

・BMW 530e Luxury ¥ 7,780,000

・BMW 530e M Sport ¥ 8,030,000

・BMW 540i Luxury ¥ 9,720,000

・BMW 540i M Sport ¥ 9,860,000

・BMW 540i xDrive Luxury ¥ 10,030,000

・BMW 540i xDrive M Sport ¥ 10,170,000