パリショーで新型マイクラ(マーチ)が世界初公開!
次期マーチは全長が4mとなりAセグメントからBセグメントへ移行!
日産は、5代目となる新型「マイクラ」をパリショーで世界初公開した。日産マイクラは、欧州などで使われている車名で、日本名はマーチとなっている。そのため、新型マイクラは新型マーチということになる。
とにかくボディが大きくなった
5代目となったマイクラ(マーチ)は、大きな変貌を遂げた。まず、ボディサイズが、先代モデルに比べてとにかく大きくなった。新型マイクラ(マーチ)のボディサイズは全長3,999mm(+174mm)×全幅1,743mm(+77mm)×全高1,455mm(-55mm)、ホイールベース2,525mm(+75mm)。( )内は先代比。なんと、全長は174㎜も大きくなり約4mに。さらに、全幅は日本の5ナンバーサイズ(1,695㎜)をはるかに超える1,743㎜となっている。従来のマイクラ(マーチ)は、Aセグメントと呼ばれるサイズに属していた。しかし、全長が4mということは、ひとクラス上のBセグメントのボディサイズとなっている。Bセグメントの国産車は、ノートやアクア、デミオなどが属しており、当然全幅は1,695mm。フォルクスワーゲン ポロなどは1,685㎜なので、マーチの全幅がいかにワイドなのか分かる。フォード フィエスタの全幅が1,720mmなので、クラストップレベルのワイドな全幅をもつコンパクトカーだ。日本マーケットにマーチの導入はあるのか?
新型マイクラ(マーチ)がBセグメントになったということは、すでに販売されているノートとクラスが被ることになる。こうなると、いわゆる共食いが発生する。しかし、国内マーケットではノートにこの秋e-POWERと呼ばれるシリーズハイブリッド車が登場。ノートはハイブリッドとガソリン車。新型マイクラ(マーチ)は、ガソリンとディーゼルの設定とすれば、意外と棲み分けができそうだ。最近では、ダイハツがハイト系ワゴンにムーヴの派生車を大量に投入し、顧客ニーズの多様化に対応している。
対して、国内マーケットでは、マーチサイズのAセグメント車は、非常に厳しい状況に置かれている。国内マーケットでは、Aセグメント車のライバルは軽自動車になるケースが多い。そうなると、価格は同程度であっても軽自動車の税制上のメリットを重視し、軽自動車を選ぶ顧客が多い。そうした理由もあり、マーチの販売は苦戦が続いている。
ならば、いっそのこと、新型マイクラ(マーチ)とノートの2台Bセグメントで勝負にでるというのも面白い選択だ。2台のBセグメント車で、国内Bセグメントのシェアアップが狙える。そう考えると、新型マイクラ(マーチ)が日本に導入される可能性は、無い訳ではない。
マーチの代わりに、ルノーのトゥインゴが日産バージョンで投入か?
そして、もうひとつ注目したいのが、新型マイクラ(マーチ)がひとクラス上のBセグメントに移行したことで不在になったAセグメント車だ。この無くなったAセグメント車には、ルノーとのアライアンスでトゥインゴが投入されることも予想できる。そうなると、トゥインゴの日産バージョンと新型マイクラ(マーチ)、そしてノートというコンパクトカーラインナップが完成する。もはやマーチらしさが全くない新型マイクラ(マーチ)
新型マイクラ(マーチ)のデザインは、ビックリするくらい従来のマイクラ(マーチ)のイメージを受け継いでいない。かわいらしさが一切なくなって、シャープなキャラクターラインでスポーティさを強調している。このデザインは、2015年のジュネーブモーターショーで公開したコンセプトカー「スウェイ」のデザインを忠実に再現。シグネチャーデザインキューとエモーショナルで彫刻的なボディ形状より、日産の最新のデザインランゲージを体現した。特徴的なVモーショングリル、ブーメラン型ランプ、開放感を感じさせるフローティングルーフなどで個性をアピール。全高が低くなったことや、Cピラーに隠れたリヤドアハンドルやスポイラーにまで伸びるルーフラインは、クーペのようなサイドビューを生み出した。こうしたデザインにより、ハッチバックではトップレベルのCd値 0.29を達成した。
車体色は、エネルギッシュな「エナジーオレンジ」など、10色を設定。さらに、より顧客の好みに合わせることができるエクステリアおよびインテリアのパーソナライゼーション用オプションを設定。125種類のバリエーションの中から選択ができるようになり、自分好みの新型マイクラ(マーチ)に仕上げることができる。
気になる安全装備面は?
最近、安全装備や自動運転に熱心な日産なので、新型マイクラ(マーチ)には、「ニッサン インテリジェント ドライビング」が用意された。欧州のBセグメントで初採用となる「車線逸脱防止支援システム(LDP)」や日産ブランド車としては欧州初となる「歩行者認識機能付きインテリジェントエマージェンシーブレーキ」を搭載している。さらに、上級セグメントに搭載されている「インテリジェントアラウンドビューモニター」、「標識検知機能」、「ハイビームアシスト」、「ブラインドスポットワーニング」などの技術も採用されていて、クラストップレベルの安全性能を得た。
日本マーケット投入なら、注目は1.5Lクリーンディーゼル車! 欧州では2017年3月に発売予定
走行性能面では、新型マイクラ(マーチ)のシャシーとドライブトレインに、快適な乗り心地を実現する「アクティブライドコントロール」と、アンダーステアを低減し軽快なハンドリングをサポートする「アクティブトレースコントロール」を搭載。このシステムは、欧州の「キャシュカイ」と「エクストレイル」にも採用されていて運転の楽しさと安心を両立する技術。
注目のパワーユニットは、3タイプが用意されている。90馬力を発生する0.9Lターボチャージャー付3気筒ガソリンエンジンと1.5Lディーゼルエンジンの2タイプを用意。ディーゼル車は220Nmという大トルクを発揮。この最大トルクは、デミオのディーゼル車と同等。そして、最もベーシックなエンジンとして、73馬力の1.0L自然吸気ガソリンエンジンも用意されている。
新型マイクラ(マーチ)は、ルノー・日産アライアンス戦略の一環として、フランスにあるルノーのフラン工場で生産される。2017年3月に欧州で発売予定だ。日本導入で期待したいのは、ディーゼルエンジン車。この新型マイクラ(マーチ)のディーゼル車が導入されれば、日産はBセグメントクラスにおいて、ノートのシリーズハイブリッドを含めると、ガソリンとディーゼル、ハイブリッドと3つのパワーユニットを顧客に提供できるようになる。日産はディーゼルの国内購入に消極的だが、国内Bセグメント車で、3つのパワーユニットを顧客に提示できているメーカーは今のところ1社もない。やっちゃえ日産! そんな気持ちになる。
日産マイクラ Gen5(日本名:日産マーチ)のスペック
スペック詳細は以下の通り。
主要諸元 (現行モデルとの比較)
全長:3,999mm (+174mm)全幅:1,743mm (+77mm)
全高:1,455mm (-55mm)
ホイールベース:2,525mm (+75mm)
エンジン主要諸元
●型式 HR09DET 0.9リッター ターボチャージャー付ガソリンエンジン・シリンダー数 3気筒
・最高出力(kW/hp) 66/90
・最大トルク(Nm) 140 +10 オーバーブースト時
・トランスミッション 5MT
●型式 K9K 1.5リッター ディーゼルエンジン
・シリンダー数 4気筒
・最高出力(kW/hp) 66/90
・最大トルク(Nm) 220
・トランスミッション 5MT
●型式 BR10DE 1.0リッター 自然吸気 ガソリンエンジン
・シリンダー数 3気筒
・最高出力(kW/hp) 54/73
・最大トルク(Nm) 95
・トランスミッション 5MT
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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表 大岡 智彦 氏CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。
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マーチのカタログ情報
- 平成22年7月(2010年7月)〜令和4年12月(2022年12月)
- 新車時価格
- 100.0万円〜187.7万円
マーチの在庫が現在26件あります
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