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悩ましき2台 スバル インプレッサスポーツ と マツダ アクセラスポーツ

クルマ選びって楽しいですよね。でも、最後に選ぶ決め手ってなんだろう?って思うこと、ありませんか。このコーナーは、クルマ選びで悩み疲れたそんなアナタの背中をドーンと押しちゃいます。迷える子羊よ、存分に迷いたまえ・・・・

今回は扱いやすいサイズで世界的にも各メーカーで販売の中心となっている“Cセグメントハッチバック”から「スバル インプレッサスポーツ」と「マツダ アクセラスポーツ」をお送りします。選ぶなら、どっち!?


◆VWゴルフを相手に戦う厳しい市場


Cセグメントハッチバックと聞いてもピンと来ないかもしれませんが、ズバリ、VWゴルフのあるクラスで、ライバル車にはアウディ A3、プジョー 308、ルノー メガーヌなどなど各メーカーの量販車種のオンパレード。このクラスのベンチマーク(基準)とまで言われるゴルフと戦うため開発に力を注ぐ必要があり、そのぶん製品として高い仕上がりが要求されるのです。

日本車でも欧州などでも販売するクルマは高い巡航速度と荒れた路面、厳しいカーブをクリアする動力性能と足回り、そして長時間の移動に耐える快適なシートや乗り心地、良好な視界、大人数と大きな荷物を詰込めることが要求されます。なかでもスバル インプレッサとマツダ アクセラ(欧州名:マツダ3)は、厳しい海外市場でも高い評価を得ている国産ハッチバック車です。

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◆スバルの伝統フラット4を積むインプレッサ

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スバルと言えば1970年代に登場したレオーネから一貫して水平対抗4気筒エンジン(フラット4)を採用し続けて来ました。現行型は2011年に登場。海外のショーではすでに次期モデルがアンヴェールしていますが、毎年少しずつ年次改良で毎年地道なアップデートを行うスバルのクルマは、末期モデルになればなるほど熟成が進み、購入時に値引きも期待出来るため、むしろ買い時とも言えるのです。

インプレッサはハッチバックの「スポーツ」とSUV風ハッチバック「XV」、セダンの「G4」にわかれますが、どの車種もこれ以上大きいとちょっと街中や駐車場ではもてあますかな、というぎりぎりのサイズに広い室内を持ち実用性もじゅうぶん。フラット4エンジンのもたらすハンドリングの高さなども魅力的です。ハイブリッドモデルも用意されるほか、スバルの安全装備の代名詞ともなった進化を続ける衝突被害軽減ブレーキ「EyeSight」はインプレッサ購入で迷った際の大きなプラスポイントになります。


◆デザインと運転の楽しさで勝負するアクセラ

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マツダの各車種は統一されたエッジと曲面の融合した完成度の高いデザインを誇り、エンジン、ボディ、足回りなどクルマの設計をすべてゼロから見直したという「SKYACTIVETECHNOLOGY」も注目の的。とくに日本車では国内初導入となったクリーンディーゼルのインパクトは大きく、本来欧州ではメインのディーゼルエンジンを各欧州メーカーが日本投入を開始する契機にもなりました。

アクセラはかつてのファミリアの流れを汲むハッチバック(「スポーツ」と呼ばれる)&セダンで、とかく燃費や実用性ばかりがセールスポイントになりつつあった国産車の中で、ほかのマツダ車同様、マツダデザインの美しさと運転する楽しさをアピールするという魅力的な勝負の掛け方をしていることが特徴。ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドという3種のパワートレーンを持つのも魅力的です。

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◆決め手は、どこに!?


海外での評判や使い勝手のよさなどは、どちらのクルマにも高い点数が与えられます。世界では主流のこのクラスのハッチバックを国内BIG2メーカーが日本向けには販売していないという意外な事実もあります。どちらのメーカーも時流に合わせた改良は重ねつつも根本的なクルマづくりへの真面目な姿勢やこだわりを変えることが無いという「職人肌」な気風も魅力的。

インプレッサは世界で唯一のフラットエンジンを積んだハッチバック車というだけでもモデル末期のいまでもなお魅力的です。そしてアクセラはデザインとファンな乗り味があるのです。どちらも買ったら幸せな気持ちになること間違いありません。


◆迷える子羊よ、迷いは消えただろうか


ということで、迷っているアナタ、いかがでしたでしょうか。気になったらぜひ現車に乗り、触れ、いろいろ感じてみてくださいね。
くるま選びは楽しくもあり、そして悩むもの。これからもいろいろな視点でのクルマ選びをこのコーナーで提案出来たら、と思います。


【イラスト/文 遠藤イヅル】
フリーのカーイラストレーター/ライター。東京都出身。自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他にないユニークなテイストとして定評がある。2015年7月現在の愛車はプジョー309SI。最新の掲載誌は遠藤イヅルのfacebookで確認!

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