トヨタC-HRの燃費は35.0㎞/L前後? 価格や発売日を予想してみた


トヨタC-HRトヨタは、2015年の東京モーターショーでトヨタC-HRコンセプトを公開した。このC-HRコンセプトは、個性的なデザインが施されたコンパクトSUV。ボディサイドに入れられたハイブリッドと書かれたエンブレムから、C-HRはハイブリッド車であることが分かった。全世界的に、SUVは人気が高い。さらに、日本国内ではハイブリッド車でないとコンパクトモデルは売れないという状況もあり、C-HRは東京モーターショーで、いつ市販化されるのかも含め非常に話題となった。そして、ついにトヨタC-HRはジュネーブショーで市販モデルが世界初公開された。

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トヨタC-HRのデザイン


トヨタC-HRのデザインはコンセプトは「センシュアル スピード - クロス」。市販化モデルになったこともあり、コンセプトカー時の先鋭さは少し無くなった。C-HRの特徴は、SUVのもつ大径ホイールに大きく張り出したフェンダーなど、たくましい足回りに加え、ボディにはシャープなキャラクターラインを加えることでスピード感を融合している。全高も低く、SUVのもつオフローダー的な印象は薄く、やや背が高いハッチバックとのクロスオーバー車にも見える。

ボディサイズも公表された。トヨタC-HR ハイブリッド車のボディサイズは全長4,350×全幅1,795×全高1,555㎜、ホイールベース2,640㎜。トヨタC-HRは、プリウスベースのSUVとも言われていたが、全長とホイールベースはプリウスより短く、全幅はワイドなシルエットをもつ。ホイールベースも異なることから、単純にプリウスベースのSUVということではなさそうだ。

トヨタC-HRこのボディサイズで、注目したい部分が全高だ。C-HRの全高は1,555㎜といことで、SUVとしてはかなり低め。この全高、あと5mm低ければ、全幅も1,800㎜以下なので国内に多くある立体駐車場の制限内に入る。仮に1,550㎜になったのであれば、都市部で立体駐車場を使う顧客も車庫証明を取ることができ、積極的に新型C-HRを選ぶことができるようになる。トヨタも国内専用車であるクラウンでは、こうした立体駐車場を使うオーナーに配慮して、全幅を1,800㎜に抑えた経緯がある。日本で実際に発売される場合、こうした数値がどう変化しているかにも注目だ。

トヨタC-HRの燃費は?


C-HRに搭載される予定のパワーユニットは3つ。国内で売れ筋になるのは、ハイブリッド車。C-HRのハイブリッドシステムは、新型プリウスと同じ1.8Lハイブリッドが搭載される。新型プリウスと同じとなるシステム出力122psとなりそうだ。燃費は非公表。新型プリウスの燃費が37.2㎞/Lなので、多少車重が重くなったとはいえ、30.0㎞/L以上は確実だろう。区切りのよいところで、35.0㎞/Lを超えるかどうかというところがポイントになりそうだ。

C-HRは、日本だけでなく欧州での発売も予定されている。欧州では、トヨタのハイブリッド車のフィーリングが嫌いという顧客が多く、トヨタは何度も改良しCVTのフィーリングを向上させている。しかし、それだけでは販売の機会損失になるとして、ガソリン車には1.2Lダウンサイジングターボエンジンを用意。このエンジンは、116ps&185Nmという出力を発揮。恐らく、オーリスに搭載されているものと同じだろう。

この1.2Lターボエンジン車が、日本仕様に搭載されるかどうかは未定。オーリスに搭載されているものと同じなら、残念ながらハイオク仕様となる可能性が高い。このクラスでハイオク仕様では、日本では売れない。オーリスは、車両価格も高くハイオク仕様のため、1.2Lターボエンジンはあまり売れていない。導入するのであれば、欧州仕様をそのまま持ってくるのではなく、日本マーケットに合わせレギュラーガソリン仕様に変更するくらいの対応はしてほしい。この他、自然吸気の2.0L直4エンジンも用意され、150ps&193Nmとなっている。

トヨタC-HRSUVという車種なので、気になるのは4WD車の設定。新型プリウスは、新たに4WDの設定がされ降雪地域で絶大な人気を誇っている。しかし、C-HRのハイブリッド車はFFのみになりそうだ。4WDの設定があるのは、1.2Lターボのみとなりそうなのだ。日本では積雪地域の顧客も多いので、もう少し幅の広い4WDの設定に期待したい。

トヨタC-HRの価格予想


さて、トヨタC-HRの価格を予想。プリウスのエントリグレードが約250万円なので、280万円程度からと予想したいところだ。ただ、ハイブリッド車は高価でも売れるという絶対の自信をもっているトヨタなので、強気の価格設定になる可能性が高い。そうなると、290万円前後と予想される。

トヨタC-HRの発売日は?


トヨタはC-HRの発売日を2016年としている。トヨタは、このところ多くの人気モデルを12月に発売するケースが多い。新型プリウスもアクアも12月に発売が開始されている。12月の自動車販売業界は閑散期。この時期に投入し、閑散期の営業マンを効率よく稼働させ先行受注活動をさせたり、販売台数の底上げ、そして1月から3月までの繁忙期に向けて準備させるなど、営業戦略面の意味合いも強い。その流れで考えると、C-HRの発売時期も12月頃ではないかと予想した。

国内では、ややサイズが小さいがホンダ ヴェゼルやマツダCX-3、日産ジュークが高い人気を集めている。このクラスより上となると、スバル フォレスター、日産エクストレイル、マツダCX-5となり、C-HRはこうしたモデルよりやや小さいボディサイズになる。微妙なサイズではあるものの、隙間を埋めるモデルとなりそうだ。日本で使う上では、使い勝手に優れたSUVになりそうだ。

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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。