izuru_endo_title101

悩ましき2台 トヨタ プリウス と トヨタ・アクア

クルマ選びって楽しいですよね。でも、最後に選ぶ決め手ってなんだろう?って思うこと、ありませんか。このコーナーは、クルマ選びで悩み疲れたそんなアナタの背中をドーンと押しちゃいます。迷える子羊よ、存分に迷いたまえ・・・・

今回は、同門対決とも言える、日本を代表するハイブリッドカーであるトヨタのプリウス(3代目)とアクアをお届けします。同じトヨタのハイブリッドカーですが、実は価格帯もサイズも大きく違うので、予算ベースでクルマ選びをする場合は比較対象にならないのですが、単純にこの2台を比べて悩む方も多いのではないでしょうか。

プリウスも新型が登場し、先代の良質な中古車も手に入りやすくなるはず。そこで今回は、その違いにもフォーカスしてこの2台を比べてみることにしましょう・・・うーん、果たしていったいどっちを選んだらいいのでしょうか!?


◆ 2台の大きな違いは?


ズバリ、プリウスとアクアは車格が違います。わかりやすくトヨタの他のクルマで例えれば、プリウスは「カローラ」クラス、アクアは「ヴィッツ」クラスに相当します(厳密に言えばヴィッツクラスよりちょっと上)。

車格の違いはボディサイズの違いにも反映されます。プリウスはアクアよりも50cm近く大きいのです。また、ハイブリッドシステム、エンジンも異なります。プリウスはエンジンが1.8リッターですが、アクアは1.5リッターなのです。この違い、ご存知でしたか?


◆まだまだ頑張る熟成の先代プリウス

copyright_izuru_endo_2016_01_toyota_prius_1600_1131

新型プリウス(4代目)が登場したことで、良質で低走行の中古車も出回りやすくなった3代目プリウス。3代目の登場は2009年。すでに発売開始後6年が経過し、幾度かの改良を経て完成度も高まり熟成も進んでいます。クルマは新型もいいけれど、熟成された末期モデルも「買い」だと言われる理由はそこにあります。

見切りと後方視界が少々悪いプリウスですが、室内や荷室の広さは充分な広さです。ハッチバックであることもステーションワゴン的に使えるので利便性も良好です。燃費も優れており、32.6km/L(JC08モードで計測)という数値を実現!


◆コンパクトだけど日常で困ることがないアクア

copyright_izuru_endo_2016_01_toyota_aqua_1600_1147

一方、全長約4mジャストのアクアは、たしかにプリウスよりも小さいのですが、優れたパッケージによってリアシートの居住性や荷室の広さは日常の使用では狭くて困ることはないボリュームを確保しています。プリウスほどウェッジシェイプのスタイルではないため、見切りも良く、コンパクトなので運転もしやすいのもメリットのひとつ。

エンジン+モーターの合算出力が136psのプリウスに比べ100psしかないアクアは、数値上の動力性能はプリウスよりも劣りますが、車重が軽いこともあってパワー感は必要充分です。燃費はこちらもとても良好で、37km/Lを達成しています。


>> 過去のイラスト記事一覧はコチラをクリック


◆決め手は、どこに!?


この2台、グレードも多く価格はまちまちですが、プリウスとアクアの新車時の価格はもっとも小さい価格差でも約50万円もあり、決して小さな違いではありません。ですが、実際にはプリウスとアクア、どちらにしようか悩む方も多いのではないでしょうか。そうなると決め手は、使い方、かもしれません。

アクアでも前述のように日常で困るシーンは早々には無いのですが、プリウスはアクアよりも広いし、パワーもありますので、リアに人を乗せる機会が多い方や、長距離移動が多いユーザーにはプリウスのほうがいいかもしれませんね。コンパクトカーのアクアと、VWゴルフのクラスで同車もライバルとなるプリウスでは車格が違うぶん内装の質感もプリウスのほうが若干高め(アクアも充分高いのだが)にもなっています。

この2台をハイブリッドカー対決だと考えずにヴィッツとカローラで迷うときのようなイメージで、クラスの違い、ボディスタイルの違い等、好みや予算に合わせて選ぶという視点でも選ぶことが出来ると思います。


◆迷える子羊よ、迷いは消えただろうか


ということで、迷っているアナタ、いかがでしたでしょうか。気になったらぜひ現車に乗り、触れ、いろいろ感じてみてくださいね。
くるま選びは楽しくもあり、そして悩むもの。これからもいろいろな視点でのクルマ選びをこのコーナーで提案出来たら、と思います。


【イラスト/文 遠藤イヅル】
フリーのカーイラストレーター/ライター。東京都出身。自動車雑誌、WEBサイトにクルマをテーマにしたイラストや記事を多数提供。世界各国の生活感があるクルマを好み、20年間で18台のクルマを乗り継ぐ。クレイジーなほど深くて混沌としたクルマ知識を持つ元自動車系デザイナー。自身のクルマ体験をもと、独創的な視点で切り込むイラストやインプレッション記事は、他にないユニークなテイストとして定評がある。2015年7月現在の愛車はプジョー309SI。最新の掲載誌は遠藤イヅルのfacebookで確認!

>> 過去のイラスト記事一覧はコチラをクリック