SUV 中古車オススメランキング 2016年冬

コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この冬おすすめの中古車・SUVを聞きました。
しかも今回は、中古車選びの醍醐味でもある「知名度が低く新車では人気薄のため、実は非常に良いクルマなのにお買い得！」な安くて良いクルマも、「裏車種」として厳選してもらいました。

マツダ CX-5

マツダの新世代商品群の第一弾モデル。2012年登場のモデルで、まだ新しいモデルであることや、CX-5のリセールバリューが高いこともあり、中古車としての買い得感は少ないものの、420Nmを誇るクリーンディーゼル車の魅力は格別。
ガソリン車も悪くないが、今後の未来を考えるとクリーンディーゼル車を中心に選びたいモデルだ。
日産 エクストレイルハイブリッド

日産の新プラットフォーム戦略であるCMFを採用した初のモデルがエクストレイルだ。CMFは低コストであることも魅力。
そんなメリットが生かされ、エクストレイルの価格は比較的リーズナブル。2013年登場のモデルと新しいが、ガソリン車の総合力は高く、歩行者検知式の自動ブレーキ「エマージェンシーブレーキ」を用意しており、先進性も高い。
フォード エコスポーツ

フォードの世界戦略車でもあるコンパクトSUVがエコスポーツ。全長は4,195㎜と日産ジュークより、わずかに大きい程度のボディサイズをもつ。
1.5LでSUVながらFF設定のみという割り切った設定だが、ラフロードでの走破性も高く、高速クルージングも快適というバランスの良さが光る。2014年デビューと、中古車では高年式だがフォード車ということもあり、リセールバリューが低く買い得感がある。安くて高性能ということで裏3位とした。

燃費・経済性

CX-5

現在の燃費は、2.2Lディーゼルの燃費がFFで18.4㎞/L。2.0Lガソリンは、FFで16.4㎞/L、2.5LはFFで15.2㎞/Lとなっている。
リセールバリューや、今後の低燃費時代を考えると、ガソリン車よりディーゼル車を選択したい。ディーゼル車は2012年式で210万円程度から良質なものが選べる。購入時にディーゼル車はやや高価だが、燃料が軽油なので20円/L以上安い。長距離を走る人にとっては、燃料経済性も高い。
エクストレイルハイブリッド

現在、2.0L FF車の燃費が16.4㎞/Lで、2.0Lハイブリッド車がFFで20.6㎞/Lだ。ガソリン車の燃費は良好。ハイブリッド車は、まだ新しい上に価格も高めなので、中古車としては旨みがないので、しばらく待った方がいい。
エコスポーツ

エコスポーツの燃費は、1.5LのFFで14.5㎞/L。燃費値は、実燃費に期待したいところだが、なんとハイオク仕様。燃費も物足りない上に、燃料費も高めになる。走りとデザイン、価格が優れているということで、経済性は割り切るしかない。

装備・使い勝手

CX-5

CX-5には、サイドエアバッグが標準装備されているので、国産車の中では安全装備は充実している。
Lパッケージには、対車両のみの自動ブレーキやレーダークルーズコントロールが装備されている。安全性を考えるのならLパッケージを中心に選びたい。また、初期のモデルは、純正ナビでも後付け感のあるものとなっているのが残念なポイント。最新モデルでは、マツダコネクトが採用されている。
エクストレイルハイブリッド

荒れた道でもフラットな乗り心地とするための制御であるアクティブライドコントロールや、カーブ手前で上手く減速させスムースにクルマを曲がるアシストをするアクティブエンジンブレーキなど、世界初の制御が盛り込まれている。この制御が自然で、違和感がない。そのため、エクストレイルは運転がしやすいクルマという印象が強くなる。また、防水シートなどは、クルマをアウトドアレジャーで使う人にとって、とてもありがたい機能だ。
エコスポーツ

グローブボックスに冷却機能があり、飲み物を冷却できる機能がある。また、フロントシート下には、スライド式の小物入れがあり便利だ。安全装備も自動ブレーキは無いが、ニーエアバッグを含んだ7つものエアバッグを標準装備している。
しかし、全長4,195㎜というコンパクトカーなのに、最小回転半径が6m！大型ミニバン以上の小回り性能なので、道が狭い日本では使いにくい。

走行性能

CX-5

デビュー当初のモデルは、リヤサスが少々突き上げ感のある動きをしていたが、モデル途中の改良で解消されている。そして、何よりディーゼルの420Nmという大トルクは、余裕のある高速クルージングを約束してくれる。カーブでは、それなりにクルマが傾くのだが、自然にゆっくりと傾くので安心感があり、気持ちよく走れる。
エクストレイルハイブリッド

2.0Lガソリン車のパワーは147ps、トルクは207Nm。平均的なスペックで、力強いとは言えないが必要十分。アクディブエンジンブレーキなどの制御もあり、扱いやすく運転しやすい。ハイブリッド車は、EV走行させるとなると、微妙なアクセルワークを強いられる。ハイブリッドの効果で、力強さという面では2.5Lガソリン車相当。とくに、低・中速域からの中間加速は、スムースでありながら力強さを感じる。ハイブリッド化により、ボディ剛性も向上していることもあり、ハンドリング性能や直進安定性などはガソリン車より確実に上のパフォーマンスを誇る。
エコスポーツ

ラフロードを走行するのに必要な地面へのアプローチアングルや、デパーチャーアングルが十分にあるので、FF車ながら高い走破性をもつ。水深550㎜まで対応可能というのだから驚きだ。それでいて、高速クルージングも得意科目のひとつ。1.5Lながら想像以上に力強さがある。静粛性は高いとは言えないが、ロングドライブでも意外と疲労は少ない。

デザイン

CX-5

マツダのデザインコンセプト「魂動（こどう）デザイン」を最初に採用されたモデル。SUVらしいたくましいデザインながら、洗練された躍動感あるキャラクターラインが特徴だ。また、これまで困難だった「鮮やかさ」と「深み」の両立とを目指した塗装技術が「匠塗 TAKUMINURI」。ソウルレッドプレミアムメタリックが、その象徴だ。
エクストレイルハイブリッド

グリル中央にV字型のフレームを入れた日産のデザインコンセプト「Vモーショングリル」がひときわ目立つ。最近のSUVは、グリルの大きさ勝負みたいな傾向が強い。そんな中、エクストレイルは単に迫力重視ではなく、洗練された都会派デザインで勝負している。迫力系デザインが多い中、逆に新鮮で上品に見える。ヘッドライト下部には、個性的なシグネチャーLEDポジションランプが入れられ、エクストレイルの個性を主張している。
エコスポーツ

フォードが提唱するキネティックデザインが採用されたフロントフェイスは、とにかくユニークだ。明確に好き嫌いが分かれそうだが、これほど存在感があるデザインも珍しい。インパネ周りのデザインは、まるでスポーツカーのような流麗なもの。SUVのインテリアとは思えない意外性も魅力的だ。

中古車値引き交渉術

CX-5の人気の中心はディーゼル車。そのため、ディーラーでは、かなり強気な価格が設定され、値引きも厳しい状況。2012年式になると、そろそろ新車保証が切れているものもある。
ディーラー系中古車店では、値引き交渉が厳しくなったら、中古車の有償延長保証を値引きの代わりにサービスしてもらうなどの交渉もいいだろう。

エクストレイルの相場は高値。つまり、人気があるということ。当然、値引きは厳しい。ウルトラC的ではあるが、新車のエクストレイルと比べるという方法がある。
日産の国内新車販売は、新型車が無く厳しい状況で値引きを拡大してでも台数を確保したい状況。そのため、エクストレイルでもガソリン車なら値引き交渉に十分応じてくれる。20X エマージェンシーブレーキパッケージの新車価格は2,412,720円。このモデルが30万円引きなら約211万円となる。同じグレードの2014年式の中古車相場とそれほど変わらないからだ。

エコスポーツは、まず中古車を見つけることが難しい。ディーラー系中古車店がほとんどだ。
エコスポーツの場合、わざわざ探して買いに来る顧客は非常に少ない。ディーラーもいつ売れるか分からないモデルなので、一定の値引きには応じるはずだ。2014年式で170万円もあれば十分に購入でき、かなり買い得感はある。