高級セダンオススメランキング 2015秋

車種選びにお悩みの方へ。
コリズム編集長で車評論家の大岡氏に、この秋おすすめの新車・高級セダンを聞きました。

メルセデス・ベンツ Cクラス

現行のCクラスは、2014年にデビューした。従来のCクラス史上、最もスポーティなCクラスとなっていて、高い俊敏性を誇っている。そうした走行性能だけでなく、世界トップといえる高い安全性能も持っている。レーダーセーフティパッケージ装着車は、自動ブレーキだけでなく部分自動運転を可能とした。
BMW 3シリーズ

日本国内で売られているこのクラスのセダンの中で、3シリーズだけがガソリン、ディーゼル、ハイブリッドと3つのパワーユニットを用意している。また、欧州では全幅が1,800㎜を超えていた3シリーズだが、日本の立体駐車場事情を考慮し、日本仕様は全幅を1,800㎜に変更。日本マーケットでの使いやすさを考慮したモデルでもある。
日産 スカイラインハイブリッド

北米や欧州では、インフィニティQ50と呼ばれているが、日本ではスカイラインの名で販売されている。インフィニティは、海外ではプレミアブランドとして発売されていることもあり、スカイラインも同様の高いクオリティをもつ。スカイラインには、前輪とステアリングが機械的につながっていない、世界初のダイレクトアダプティブステアリング（DAS）が採用された。

燃費・経済性

Cクラス

C180系には、1.6Lターボエンジンが搭載され燃費は17.3㎞/L。C200系は16.5㎞/Lという平均的な燃費値だ。どちらもエコカー減税に対応している。車両価格はC180のアバンギャルドで476万円。C200アバンギャルドになると534万円となる。高い安全性能や先進性を加味すると、価格なりのバリューは十分にある。
3シリーズ

燃費は320i Mスポーツで16.4㎞/Lで、このクラスの平均値。お勧めしたいのはクリーンディーゼル車。クリーンディーゼルの320d Mスポーツの燃費は19.4㎞/Lでガソリン車よりも燃費がよい。車両価格は約23万円のアップとなるが、クリーンディーゼル車はエコカー減税が免税になることや、ハイオクガソリンと軽油の価格差が約30円/L前後あることを考えると、走る距離にもよるが、数年で車両価格分を燃料費さで取り戻せる。距離を走る人ほど、経済性は良くなる。
スカイラインハイブリッド

日本マーケットには、2種類のパワーユニットが用意されている。2.0Lターボの200GT-tタイプSPの燃費は13.0㎞/L。350GTハイブリッドタイプSPは17.8㎞/Lだ。ターボ車は、エコカー減税対応、ハイブリッド車はエコカー減税免税となっている。欧州車と肩を並べるモデルだが、価格面では割安感がある。

装備・使い勝手

Cクラス

ステレオカメラに6つものミリ波レーダーを装備したレーダーセーフティパッケージは、エントリグレードを除き、全車に標準装備。前方の車両や歩行者だけでなく、後側方のクルマの存在や、後方からの追突にも対応。全周囲で高い安全性能を誇る。また、全車に追従してハンドル操作をアシストする機能などが満載。レーダーセーフティパッケージは、絶対に選びたい装備だ。
3シリーズ

歩行者を検知できる自動ブレーキ関連の安全装備ドライビングアシストは、ほぼ全車に標準装備。ナビも標準装備されている。豪華装備などは、グレードによりかなり違うので、そこはシッカリとチェックしたい部分。リセールバリューの高いグレードは、スポーティなMスポーツになる。3シリーズの全幅は、日本マーケットに合わせ1,800㎜になっている。都市部に多い立体駐車場の制限ないなので、使い勝手はいい。
スカイラインハイブリッド

世界初のダイレクトアダプティブステアリング（DAS）や、歩行者検知はできないものの2台前を走る車両の車間・相対速度をモニタリングする自動ブレーキ関連技術など、多くの先進技術が搭載されている。しかし、日本車なのに、日本マーケットにあまり対応しておらず、全幅は1,820㎜となっていて、都市部に多い立体駐車場には入らないサイズになっている。また、ハイブリッド車の最小回転半径は5.7mと狭い道での使い勝手は良くない。

走行性能

Cクラス

どのモデルもとてもスポーティなハンドリング性能をもつ。ステアリングをわずかに切った瞬間に、即座にクルマが反応し向きをかえる。それでいて、高い直進安定性を保っているのはさすがメルセデスといった印象。クルマの性格を変えるアジリティセレクトは、エコ、コンフォート、スポーツ、スポーツ＋と、なんと4種類から選択が可能だ。
3シリーズ

前後50：50というこだわりの重量配分に、キレのあるハンドリング性能をもち、このクラス屈指のスポーツセダン。以前は硬めだったMスポーツのフットワークは、現行モデルになりしなやかさを増し、スポーティさはそのままに快適性をも向上させている。お勧めのクリーンディーゼル車は、380N・mという大トルクを誇り、エンジンのフィーリングもディーゼル車であることを感じさせないスムースさが魅力だ。
スカイラインハイブリッド

3.5Lエンジンを搭載したハイブリッド車は、システム出力364psを誇る。このハイブリッド車は、燃費もいいのだが、どちらかというとパワー重視系。アクセルを踏んだ瞬間はモーターで、その後はエンジンの出力がプラスされ、スムースなのに妙に速い加速性能を持つ。この走行フィーリグは秀逸。低燃費とスポーツドライビングという相反する要素を同時に満たしてくれるハイブリッドシステムだ。

デザイン

Cクラス

迫力あるLEDヘッドライトに、スリーポインテッドスターを中央に配した押し出し感のあるフェイスは迫力満点。ボディサイドには、シャープなキャラクターラインが入り、スピード感をアピールする。インテリアの質感も高く、シャドウシルバーメッキのスイッチ類が上質感をプラスしている。
3シリーズ

ヘッドライトを低い位置に設置し、低く構えたスタイルに伝統のキドニーグリルが加わり、スポーツセダンらしさを表現。ギリギリまで切り詰められたオーバーハングは、BMWの重量配分にこだわった証でもあり、それが機能美となっている。インテリアは機能的なデザインで、多くの計器やスイッチがドライバー側に傾けられており操作性を重視している。
スカイラインハイブリッド

猛禽類の目を感じさせる眼光鋭いヘッドライトに、押し出し感のある立体的なグリルが加わり、かなりシャープな顔だ。インテリは、先端部コンソールをややドライバー側に傾け操作性を向上。スポーツセダンであることをアピールする。そのセンターコンソール上部には、8インチワイド＆7インチワイドの大画面ツインディスプレーが用意されていて、車両の情報や操作ができる。

新車値引き交渉術

メルセデス・ベンツCクラスとBMW3シリーズは、ある意味永遠のライバルといえる車種同士なので、絶対に競合させたい。メルセデス・ベンツは、ここ数年販売実績が好調ということもあり、さらに3シリーズはマイナーチェンジ直前なので、BMW側は値引き対応する可能性は極めて高い。Cクラスはなかなか好調ということもあり、値引きを引き出すには一定の時間が必要。3シリーズだけでなく、アウディA4やレクサスISなどを加えて、ジックリと商談するしかなさそうだ。ただ、Cクラスの在庫状況にもよるが、12月末がインポーターの決算。色やグレードなど一定の条件付とはなるものの、大幅値引きが期待できる。

日産スカイラインの場合、レクサスISと競合させたいところだが、レクサスは異常なくらい高価な価格設定になっている。そのため、値引きが期待できる3シリーズやクラウンあたりと競合させてみるといいだろう。日産は2015年度に投入される新型車が無いため、販売店は集客に必死。一度来店した顧客を逃がさないように、値引き対応で販売台数を積み上げるしかない状況だ。