ハイブリッド車は用意されなかったものの、ホンダ初となる1.5Lダウンサイジングターボエンジンを搭載。
排気量が1.5Lになったことで、出力や低燃費性能の他にライバルに比べ自動車税が年間5,000円軽減。
新たな魅力を徹底評価する!
- 縦に開き、利便性が増したユニークなわくわくゲート
- 低速域では2.4L車並みのトルクを誇る低燃費な1.5Lダウンサイジングターボエンジン
- 歩行者を検知する自動ブレーキ関連の安全装備「ホンダセンシング」がオプション設定
ライバルに無い、ユニークな1.5Lダウンサイジングターボエンジンとわくわくゲート
- 新型、すなわち5代目となるステップワゴンでは画期的なクルマ作りがなされている。後部ドアに縦開きのほかに横開きも可能にしたわくわくゲートを採用したのが大きなポイントで、小さな手荷物の積み下ろしが楽になるほか、3列目シートの床下収納によって後方からの乗り降りも可能としたからだ。後方にリヤゲートを上げるスペースの無い駐車場や、背が低く力がない女性などに大きなメリットとなる。
また、搭載エンジンをダウンサイジング直噴ターボの1.5Lターボとしたのもポイント。低回転域では、2.4L並みのトルクで力強く低燃費化されているのが特徴だ。1.5Lになったことで、従来の2.0L車に比べ自動車税が年間5,000円節税できるメリットがある。
低床・低重心のパッケージングはそのままに、全高をやや上げ室内の広さをアピール
トヨタのハイブリッド車並みの燃費には手が届かないが、ガソリン車の中ではトップレベルの燃費性能をもつ
フロア下に収納できるマジックシートをもつのは、ステップワゴンのみ
低床・低重心パッケージングをベースに、今回のモデルでは全高を高くし、ホイールベースを延長している。これによって室内空間はグンと広くなった。室内高は+30mmと全高を高くした分以上に高くなっているし、1列目と3列目の間のタンデムディスタンスはホイールベースの延長分よりも拡大され40mm広くなった。全席で大人快適に座れる空間が確保された。
ダウンサイジングターボの利点を生かし、低回転域では2.4L級の余裕ある走りが楽しめる
- 直噴ターボ仕様とはいえ、1.5Lではどうなるかと心配する人がいるかも知れないが、想像以上に良く走る。1.5L直噴ターボの実力は2.0Lの自然吸気エンジン並みの実力であり、しかも低回転域での過渡的な実力は2.4Lエンジンに相当するトルクを発生するから、余裕ある走りが味わえる。
直噴ターボの良さが感じられるのは加速時だ。自然吸気エンジンだとアクセルを踏み込んでエンジン回転を高めないと力強い加速が得られないが、直噴ターボでは低回転域からトルクが働くので、より静かでスムーズな加速が得られるのだ。
ボディ剛性の強化やサスペンションのセッティングが煮詰められたことで、操縦安定性のレベルは確実に向上している。電子制御パワーステアリングも切り始めの段階から滑らかですっきりしたステアフィールを実現している。これらを合わせて高速でもふらつきの少ない安定した走りが可能である。全高をやや高くしたものの、重心高はほとんど高くなっていないので、コーナーでのロール感も従来のモデルと変わらない印象だ。
自動ブレーキ関連の安全装備「ホンダセンシング」はオプションなので、必ず選びたい!
- 新型ステップワゴンには、自動ブレーキ含んだ最新の安全装備であるホンダセンシングが設定されている。ただし、全車にオプション設定であり、標準車ではサイド&カーテンエアバッグもオプション設定とされている。購入時にはこれらの装着を忘れないようにしたい。中古車マーケットでも、自動ブレーキを装備しているクルマは人気なので、こうしたオプションを選ばないとリセールバリューも低くなると予想できる。
ホンダインターナビ+リンクアップフリーはベースグレードを除く全車にオプション設定。マルチビューカメラなどとセットで装着することになる。これらの必須ともいえるオプションを装着すると、車両価格はかなり高くなる。それを計算に入れて購入予算を組みたい。
予算が必要だが、選ぶならスパーダ
標準車にするかスパーダにするかが難しいところ。標準車の方が、価格は安めの設定になっているが、装備もそれなり。一定水準の装備を求めるのなら、やはりスパーダという選択になる。ステップワゴンの発表後、約1か月後の受注状況では、約70%もの多くの顧客がスパーダを選択している。3~5年程度で乗り換えるつもりなら、リセールバリューの面で有利になるのもスパーダだ。装備がよいスパーダでも、右側パワースライドドアがオプションだったりする。装備を充実させると、車両価格で300万円を超える水準に達するので、それなりの予算が必要なクルマではある。
新型ステップワゴン ギャラリー
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自動車評論家
松下 宏(まつした ひろし)中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。
誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。
そのため、大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。
ステップワゴンのカタログ情報
- 現行モデル
- 令和4年5月(2022年5月)〜現在
- 新車時価格
- 299.9万円〜406.7万円
ステップワゴンの在庫が現在105件あります
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