トヨタ カローラ

 

<自動ブレーキ関連のトヨタ セーフティセンスCを装備。新1.5Lエンジンで燃費を23.4㎞/Lへ向上>

トヨタカローラトヨタ は、コンパクトセダンのカローラアクシオと、コンパクトワゴンのカローラフィールダーをマイナーチェンジし発売を開始した。

今回のマイナーチェンジは、大幅改良となった。ひと目見てわかるように、外観デザインが大きく変更されている。フィールダー、アクシオ共に、台形の大型ロアグリルをもつデザインが採用されている。バンパー下部を大型の台形とすることで、小さなボディサイズながら、ドッシリとした安定感あるフェイスとなった。

全体的にマイナーチェンジ後のデザインは、これがカローラ? と、思うくらい随分若々しくなった。少しアクが強く、好き嫌いが分かれそうなデザインとなったが、無味無臭的だった今までのカローラよりは個性的だ。

こうしたデザインの変更は、とにかくトヨタは若年層にリーチしたいという大きな理由がある。トヨタは国内メーカーでも、顧客の年齢層が高いと言われている。このままの年齢構成比でいけば、年々、トヨタの顧客は減っていくことになる。携帯電話電話キャリアが、若年層へのサービスを拡充し取り込もうとしているのと同じ理由でもある。また、CMを見ても分かる通り、フィールダーに関しては、CMに木村 拓哉を起用し、積極的に若返りを目指している。

トヨタカローラデザインの他に、1.5Lエンジンの燃費が大きく向上した。ハイブリッド開発で磨いた燃焼技術を生かした1.5L 2NR-FKEエンジンを採用(2WD・CVT車)。燃費は23.4km/L(カローラフィールダーは23.0km/L)とした。同時に、ようやくアイドリングストップ機能が標準装備された。

しかし、4WD車 には、この低燃費エンジンが搭載されていない。そのため、4WDの1.5L車の燃費は16.4㎞/Lと、新エンジン搭載のFF車に比べ、大幅に燃費性能が劣る。エコカー減税の対象外となった。ハイブリッド車も同様に4WD車がない。トヨタは4WD機能が必要な降雪地域の顧客を捨てているとしか思えない状況。もう少し、4WDで低燃費性能を向上させた車種を増やし、降雪地域の顧客もエコカー減税の恩恵を得られるような設定も必要だろう。ホンダは、逆にトヨタのそうした部分に勝機を見出したのか、エコカー減税の恩恵を受けられるハイブリッド+4WDの組み合わせをアピールしている。

トヨタカローラトヨタ車初のとなる安全装備がカローラに採用された。自動ブレーキなどを備えた先進安全装備トヨタ セーフティセンスCがついに装備されたのであ。トヨタの自動ブレーキは「C」と「P」の2タイプがあり、Cは簡易版で普及型。レーザーとカメラを組み合わせたもので、自動ブレーキの作動速度が約10~80km/hとなっている。30㎞/h以下のタイプが多い中、やや高性能といえるものだが、カメラが付いているのに人間を見分けて、自動ブレーキを作動することはできないなど、少々物足りない点もある。

自動ブレーキ以外の機能として、カメラによって走行車線の白線や黄線を認識し、車線逸脱の可能性を検知した場合にはブザーとディスプレイ表示でドライバーに警報を出すことで、車線逸脱による衝突事故の回避を支援するレーンディパーチャーアラートも用意。カメラによって対向車のヘッドランプ、または先行車のテールランプなどを検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替えることで、他の車両のドライバーの眩惑を低減するとともに、夜間の前方視界確保を支援するオートマチックハイビーム、シフト操作時における急発進を抑制し、衝突時の被害軽減に寄与するドライブスタートコントロールなども用意されている。

残念ながら、全車標準装備ではなく上級グレードに標準装備。エントリグレードなどにはオプションとなっている。54,000円のオプション設定なので、価格設定は高く評価できるが、逆に54,000円なら全車標準装備にしてもいいのではないだろうか。

カローラの選び方は、少々高いがどうしてもセダンというのでなければワゴンのフィールダーを選びたい。こうした小型のセダンは人気がなく、リセールバリューが低い。短期の乗り換えは不利。乗り潰すつもりで購入したい。

トヨタカローラまた、ハイブリッドかガソリンかという選択。予算に余裕があり、より高級感やランニングコストを抑えたいというのであれば、ハイブリッド車がよい。ただし、燃費性能は高いとはいえ、その分、かなり高価な価格設定なので、燃費差によるガソリン代で車両価格差を埋めることは、かなり難しいからだ。経済的に乗りたいのであれば、新開発された1.5Lガソリン車がお勧め。アクシオで23.4㎞/Lと高い低燃費性能を誇る。だが、この新1.5Lエンジン車はFFのみ。ハイブリッドもFFのみなので、降雪地域で4WDが必須という人は、ホンダの4WDハイブリッド車がお勧めだ。フィールダーには1.8Lがあるが、このグレードは高価な上に、それほど燃費性能も良い訳でないので、選ぶ理由があまり見当たらない。予算があるならハイブリッド、予算が厳しいなら1.5Lということになる。

上級グレードなら、自動ブレーキ関連のトヨタセーフティセンスCが標準装備されているが、もしオプション設定のグレードを買う場合は、必ずトヨタセーフティセンスCをオプションで選択したい。今後、リセールバリューは下がると予測できるし、何よりももしもの時の保険としてなら、54,000円というオプション代は安いと思ったほうがよい。

■トヨタ カローラ フィールダー代表グレード価格

・1.5X CVT FF 1,743,709円

・1.5G CVT FF 1,922,400円/“AEROTOURER” 1,989,163円/“W×B” 2,114,837円

・1.5G CVT 4WD 2,063,782円/“AEROTOURER” 2,130,545円/“W×B” 2,240,509円

・HYBRID FF 2,195,345円/HYBRID G 2,298,437円/“AEROTOURER” 2,373,055円/“W×B”   2,474,182円

■トヨタ カローラ アクシオ代表グレード価格
・1.3X CVT FF 1,485,491円

・1.5X CVT FF 1,584,655円

・1.5G CVT FF 1,813,418円

・1.5G CVT 4WD 1,954,800円

・HYBRID FF 2,030,400円/HYBRID G 2,207,127円