「ちょっと豪華な特別仕様車」トヨタヴィッツ購入ガイド

この記事の目次 CONTENTS: 「お買い得感はあまりないが、やや上質感が増した特別仕様車F Smart Style」; トヨタヴィッツ特別仕様車「F Smart Style」価格

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡智彦氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車＆中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

「お買い得感はあまりないが、やや上質感が増した特別仕様車F Smart Style」

トヨタは、コンパクトカーのヴィッツに特別仕様車「F Smart Style」を設定し発売を開始した。

トヨタヴィッツは、2010年12月にフルモデルチェンジした。すでに、6年目に突入し、そろそろモデル末期に入って来た。3代目となった現行モデルは、デビュー当時、車名別の新車販売台数で、常にベスト3に入る人気モデル。まさに、トヨタの基幹車種だった。3代目となる現行モデルは、2代目が丸みのあるデザインだったのに対して、3代目ヴィッツは、シャープなエッジの効いたスタイルとなり、スポーティさを前面に出したデザインとなっている。

まさに、トヨタの看板車種だったヴィッツたが、デビューから約1年後に大きな転換期を迎えることになる。それは、ヴィッツクラスのハイブリッド車アクアが登場だ。プリウスが大成功を収めたことをもあり、高価な価格設定で登場したアクア。高価格だったのにもかかわらず販売台数は月販2万台を超える大ヒットモデルとなった。

当然、同じクラスに属するヴィッツは、その影響で販売台数は下降する。常にトップ争いをしていたヴィッツだが、最近の販売台数ランキングでは、10位前後となった。販売台数は落ちたとはいえ、ガソリン車としてはトップクラスの販売台数を誇るモデルでもある。

販売台数を落としていった理由は、チープと言われていたインテリアの質感もあったようだ。そのため、2014年4月には大幅マイナーチェンジを行って、内装は大幅に質感をアップして登場した。さらに、他のガソリン車のコンパクトカーに負けないようにと、ボディ剛性を高めるスポット溶接の増し打ちや、床下の補強材の大型化のほか、ショックアブソーバーを改良、吸・遮音材、制振材を追加するなどし、操縦安定性や静粛性をイッキに向上。マイナーチェンジ前のモデルと比べると、まるで違うクルマへと変貌した。

さらに、エンジンも新エンジンを搭載し燃費性能も向上させた。ハイブリッド車で得たノウハウを投入した1.3Lの新開発エンジン（1NR-FKE）を投入し、世界トップレベルの最大熱効率38％を達成している。このエンジンを搭載したモデルは、ようやくアイドリングストップ機能が標準装備され、25.0㎞/Lという低燃費を実現した。

そんなヴィッツの特別仕様車「F Smart Style」が投入された。排気量は1.0Lと1.3Lを用意。特別仕様車では、そのヴィッツFグレードのアッパーグリルモールとアウトサイドドアハンドルにメッキ加飾を施したほか、リヤピラーをブラックアウト加飾した。やや高級感が増した印象で、スタイリッシュもプラスされている。

インテリアは、専用ファブリックシート（ブルーブラック＆ライトグレー）を採用。インストルメントパネルオーナメントに布目調フィルム（ライトグレー）、ドアトリムオーナメントに専用ファブリック（ブルーブラック）を特別装備した。また、随所にメッキ加飾やブラックマイカ塗装を施すなど、ブルーブラック＆グレーを基調としたおしゃれで上質な室内空間とした。装備面では、人気のスマートエントリーセットを標準設定している。

1.3Lのトヨタヴィッツ特別仕様車「F Smart Style」の価格は、1,496,585円。ベースのFグレードに対して、約5万円のアップとなっている。標準装備されたスマートエントリーセットが約5万円。つまり、この装備の価格分で専用装備を施した特別仕様車が買える計算になる。つまり、スマートエントリーセット以外の装備分だけお買い得ということになる。ただし、その他の装備の多くは、メッキ加飾やシート表皮の色が違う程度。そのため、それほど買い得感があるわけではなく、値引き金額が一緒なら、まぁ、どうせ買うなら特別仕様車、といった程度だろう。購入時は、通常のFグレードと同じように見積りを出してもらい、同じ値引き金額ならややお買い得だが、特別仕様車は値引きしないというのであれば、よほど気にっているのでなければ通常のFグレードでも十分だろう。

下取り車に関しては、一度は買取店に行き査定してもらうことをお勧めする。自宅にいながら、訪問査定してくれるので、さほど手間はかからない。下取りでも買取でも、最終的に高く買い取りしてくれる所へ売ればいい。