この記事の目次 CONTENTS
プリウスを超える低燃費性能で大ヒットのモデル
細部にわたる熟成が施される
高い操縦安定性・快適性を確保し、走りの質感アップ
新グレード「アクアX-URBAN(Xアーバン)」を設定
エクステリア関係控えめだが、カラーバリエーションは33通り
アクアの選び方
アクア価格

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

プリウスを超える低燃費性能で大ヒットのモデル

トヨタは、人気のコンパクト ハイブリッドカーであるアクアをマイナーチェンジし発売を開始した。

トヨタ アクアは、新開発の1.5Lハイブリッドシステムを搭載し2011年12月にデビューした。当時、ガソリンが高騰していたという社会情勢もあり、プリウスと同様、デビュー直後から超人気モデルとなった。価格はやや高めとなったが、プリウスをも超える低燃費性能で、アクアはまさに飛ぶように売れた。

一般的に国内販売で、月販1万台を超えれば大ヒットと言われる中、アクアは2万台以上のセールスをコンスタントに続けるほどの人気車として成長する。年度末の3月には、単月で3万台を超える販売台数を記録したほどだ。この人気ぶりは一時的なものではなく、発売から3年目を迎えても、ほとんど販売台数が落ちてこないというほど。こうした人気が長続きするクルマは数少ない。

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燃費は世界最高37.0㎞/Lのまま

しかし、2013年9月にホンダ フィットハイブリッドがデビューし、アクアの燃費を超えた。しかし、アクアはその直後、2013年11月にアクアが一部改良を施し、燃費を37.0㎞/Lとして再び世界最高燃費を奪い返した。そのため、今回のマイナーチェンジでは燃費向上は行われておらず、37.0㎞/Lのままとなっている。

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細部にわたる熟成が施される

今回のマイナーチェンジでは、細部にわたる熟成が施された。エクステリアは、1灯の光源でロービームとハイビームを切り替え可能なBi-Beam(バイビーム) LEDヘッドランプや新意匠のフロントバンパーとなった。リヤは縦基調のリヤコンビネーションランプを採用。ワイド感を強調したほか、ターンシグナルランプ部にメッキ加飾を施し質感を高めている。

全14色でカラーバリエーション豊富

ボディカラーには、新色オレンジパールクリスタルシャインとフレッシュグリーンマイカメタリックのほか、シャイニーデコレーション専用色であるチェリーパールクリスタルシャインおよびダークバイオレットマイカメタリックを含む全14色を設定。かなり明るい色味が増えたことで、コンパクトカーらしい元気の良さが表現されている。

質感を向上し、グレードごとの個性を際立たせる

インテリアは、大きく質感が向上した。センタークラスターやサイドレジスターなどにピアノブラック塗装を施してクオリティを高めている。売れ筋グレードである「S」のインテリアカラーに、先進感を表現したブルーブラックと華やかさを表すブリリアントレッドを新設定。上級グレード「G」では、シックで上質なディープブラウンの設定など、グレード毎の個性を際立たせている。

高い操縦安定性・快適性を確保し、走りの質感アップ

走りの質感アップにもこだわった。まず、フロントとリヤフェンダーの後部にエアアウトレットを追加し、空力性能を向上。ボディへのスポット溶接の増し打ちによるボディ剛性の向上、サスペンションのチューニングなどにより、世界トップのJC08モード走行燃費37.0km/Lを維持しながら、高い操縦安定性・快適性を確保した。もともと、重量バランスや重心高が低く優れた素性をもつアクアだけに、こうしたチューニングにより一段と高いパフォーマンスを発揮することが可能だ。

新グレード「アクアX-URBAN(Xアーバン)」を設定

良くも悪くも、外観がそれほど大きく変わった訳ではない。そのため、目新しさも欲しい。そこで投入されたのが、今回アクアのマイナーチェンジで最大のトピックスとなる、クロスオーバースタイルの新グレード「アクアX-URBAN(Xアーバン)」を設定。

Xアーバンは「都会的なセンスのクロスオーバー」として、専用サスペンションを採用。最低地上高を20mmアップし全高を1490mmとしている。通常のアクアの全高より35mm高くなった。

エクステリア関係控えめだが、カラーバリエーションは33通り

エクステリア関係では、専用のフロントグリルやサイドマッドガード、ルーフモールなどが採用。しかし、あまりに控えめ過ぎてクロスオーバーらしいアクティブなイメージがあまりない。オプションの外装パーツをフル装備してちょうど良いくらい控えめだ。もう少し、大胆に攻めないと、その差がほとんどないように感じる。

その代り、大きく差別化しなかったことで、価格はそれほど高価ではないのも魅力だ。アクアXアーバンには、外板色11色と専用パーツカラーを組み合わせ、33通りのカラーバリエーションが用意され、自分好みの組み合わせが楽しめる。

アクアの選び方

アクアの選び方だが、Xアーバンはとりあえず、他のアクアと少し違う程度なので、オプションの外装パーツを選んで少し差別化したい。しかし、その分、予算はアップするのが難点。アクア全般に言えることだが、FF車のみなので、SUVのルックスをしていても走破性などはあまり期待できない。

通常グレードのアクアは、まずSグレード以上から。Sグレードのままでは、装備が貧弱なので、これに必要なオプションをプラスする必要がある。スマートエントリーパッケージは必須オプション。これだけでも、200万円弱となる。納得できるレベルの装備を考えると、プラス15~20万円位みておいた方がよいだろう。

アクア価格

トヨタ アクアの価格は以下の通り。

トヨタ アクアの価格

・L 1,761,382円
・S 1,887,055円
・G 1,953,818円
・Gブラックソフトレザーセレクション 2,036,291円

トヨタ アクアXアーバン(X-UEBAN)の価格

・X-URBAN 2,046,109円