レクサスNXレクサス は、コンパクト SUV であるレクサスNX の発売を開始した。

新型レクサスNXは、レクサスブランド初となるコンパクトSUV。コンパクトSUVと呼ばれているものの、全長4,630×全幅1,845×全高1,645mmという立派なボディサイズをもつ。こうしたモデルは、世界的に人気でBMW X4やポルシェ マカンなどが、こうしたマーケットに参入している。

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スタイリッシュなデザイン


レクサスNXのデザインは、真横からみるとよく分かるが、クーペ的なルーフラインが特徴。ルーフそのものも低く設定されてい優雅でスポーティなシルエットが印象的だ。また、塊から削り出したような複雑でシャープなエッジの効いたキャラクターラインもスタイリッシュだ。リヤまわりのデザインも秀逸で、微妙な凹凸も表現されていて、こうしたデザインを再現できた生産技術も称賛できるレベルにある。もちろん、デザインだけでなくクラストップレベルのCd値をも達成しており、燃費性能や走行安定性にも貢献している。

クリスタルのようなキラキラ感があるヘッドライト

フロントフェイスのキーとなっているのが、L型に光るLEDユニットが配されたヘッドライトだ。ロービームとハイビームをひとつのユニットとして3眼で構成されている。ロービーム状態では、この3眼ライトが3つのL字となり光る。なんと、このヘッドライトには78個ものLEDが使われていて、NXの特徴ともいえるクリスタルのようなキラキラ感をアピールしている。

高い剛性をもつボディでハンドリング性能を高める

レクサスNX新型レクサスNXは、世界トップレベルのハンドリング性能を目標とし、ハンドリング性能を高めるために、高い剛性をもつボディが開発された。わずかなハンドル操作でも感じられる機敏さを実現するためには、シッカリしたボディが必要だったからだ。すでに、ISで採用されているボディパネルを面で結合する構造用接着剤、従来のスポット溶接に比べて打点間を短くできるレーザースクリューウェルディング、ルーフとBピラー周辺のスポット増し打ちなどが行われている。

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乗り心地とスポーティな走りを両立

その強固なボディに取りつけられたショックアブソーバーには、減衰力を最適に電子制御するAVSが用意されている。従来の9段階から3倍以上となる30段階まで可変制御の範囲を拡大した新型だ。きめ細かくサスペンションをコントロールすることで、乗り心地とスポーティな走りという相反する性能を両立している。重心の高いSUVとは思えない、スポーティな走行性能を得ている。

2つのパワーユニットでキャラクターを変える


レクサスNXは、2つのパワーユニットが搭載されている。このパワーユニットの違いによって、NXのキャラクターが大きく変化する。まず、NX300hに搭載されるのは、2.5Lのハイブリッドシステム 。これは、ハリアー ハイブリッドにも搭載されているものと同じ。このエンジン型式は2AR-FXEとなっていて、クラウン やIS に搭載されている最新の2AR-FSE型ではない。ハリアーには無いFFも用意され、FFと4WDのいずれかを選択することが可能だ。システム最高出力は197ps。燃費は、FF車が21.0㎞/L。4WD が19.8㎞/Lとなっている。

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そして、NX200tには、トヨタとして久しぶりのターボエンジンが搭載された。新開発されたターボエンジンは、2.0Lで238ps&350Nmという出力を持ち、世界初の4-2集合エキゾーストマニホールドを内蔵したシリンダーヘッドと、ツインスクロールターボの組み合わせを採用した。この2.0Lターボの最大トルクは、自然吸気3.5L V6エンジン並みだ。歓迎すべきは、トヨタのガソリンエンジンとして、ようやくアイドリングストップ機能が標準装備されたことだ。燃費は、FFが12.8㎞/Lで4WDが12.4㎞/Lとなっている。これから、このエンジンが現在のV6エンジンと置き換わることが予想される注目のパワーユニットだ。組み合わされるミッションは6AT。現在、BMWは8速、メルセデス・ベンツ は7速となっており、ギヤの多段化が進んでいるのに、やや時代遅れな印象。

安全装備は、トヨタの中では高いレベルのものを用意


レクサスNXレクサスNXの安全装備は、トヨタ車の中では高いレベルのものが用意された。ただ、未だ人間を認識し自動でブレーキ作動させるシステムは採用されていない。用意された安全装備は、進路上にある障害物や車両をミリ波で感知し、衝突の危険性があると判断した場合は、自動ブレーキが働くプリクラッシュセーフティシステム、斜め後方の死角で見えない状況をサポートして注意喚起・警告するブラインドスポットモニター、カメラで車線を認識し、車線逸脱する可能性がある場合に、注意を喚起し車線逸脱回避しやすいようにステアリング操作をサポートするレーンデパーチャーアラートなどが用意されている。

レーダークルーズコントロール機能は、全車速追従機能付が採用された。適切な車間距離で、停止状態まで追従走行制御を行う。停止後は、先行車が発進するとアクセル操作またはスイッチ操作により、再び追従走行に入る。この機能は、渋滞中の高速道路などで便利な機能でおすすめだ。

未だ標準装備化されない安全装備

しかし、残念なことに、こうした安全装備のほとんどがオプション設定。プレミアムブランドと標榜している割には、こうした安全装備を標準装備化しない姿勢は安全意識が低いようにも感じる。安全装備をオプション装備として、価格を安く見せたい意図が明確に感じ取れる。これでは、真のプレミアムブランドと言い難くなる。

レクサスNXの選び方


レクサスNXの選び方は、まずエンジンの選択だ。ハイブリッドのNX300hは高価だが、圧倒的な燃費性能をもつ。ターボ車との価格差をガソリン代で回収するのは難しいが、ハイブリッドならではの静粛性とEV走行という先進性は魅力的だ。また、ターボのNX200tは、ダイレクト感のあるスポーティなフィーリングが気持ちいい。ハイブリッドよりパワフルなので、ガンガン走りたいという人に向く。ただし、NX200tはハイオク仕様なので燃料コストは高めとなる。実際の購入の際には、両方試乗して、自分のフィーリングに合うものを選ぶといいだろう。

レクサスNXグレードの選び方

レクサスNXのグレード選び方は、どちらもスポーティなFスポーツがおすすめ。パフォーマンスダンパーも標準装備されるので、よりシッカリとしたハンドリング性能を得ることができる。少し高価だが、リセールバリューも高くなることが予想できるので、車両価格アップ分の一部は相殺できるだろう。

安全装備は絶対に装着したい!

安全装備であるプリクラッシュセーフティシステムなどの安全装備は、オプション設定なのでこれらは絶対に装着したい。今時、500万円ものクルマに装備されていないのは珍しいくらいだ。

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レクサスNXの価格


レクサスNXの価格は以下の通り。

・NX200t 2WD 4,280,000円
・NX300h F SPORT 4WD 5,820,000円

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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。


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