(最終更新日:2016年10月)
クルマでしか行けないVol.46
鴨川の窯元×Cafe@笹谷窯/SASAYA Cafe
太平洋高気圧が名残を惜しむことなくどこかに消え、急速に秋の気配が訪れた東京。夏でもス○バで「エキストラホット」(熱め)のカプチーノをオーダーするコーヒー好きの筆者にとって、冷え込みは歓迎。夏場では「あー温まる…」ではなく「熱っ!!」になりますから。
そんな筆者が、もう一つ拘っているのがカップ。レギュラーカップにモーニングカップ、エスプレッソカップにマグカップと、何を飲むかによって形の異なるカップを使用しています。
ところが先日、お気に入りのマグカップが粉砕骨折となり現役を引退。探したものの、なかなか前担当者を超えるものはなく諦めていました。
そこに「神の声!?」あっ、どうせならば自分で造ってみるのはどうだろうかと…。
調べてみると、千葉県鴨川市の里山に笹谷窯さんという窯元があり、陶芸体験だけでなく隣接するカフェスペース「SASAYA Café」で作品を鑑賞することもできるとのこと。陶芸の知識はもちろん、経験も0の筆者。
まずは作品を見せてもらい、話しを伺ってからでも遅くはないと笹谷窯さんを目指してクルマを走らせます。
到着すると、出迎えてくれたのは窯元の杉山さんと奥様の奈津子さん。
「笹谷窯の特徴は灯油やガスを使わずに、薪だけで焼成する窖窯(あながま)という窯を使用しています。温度調節が難しいのですが、焼きあがった作品の色合いなどは、作者の予想を超えることもあり、毎回驚きと喜びを与えてくれます」と、笹谷窯の特徴を教えてくれ工房を案内してくれました。
工房の中に広がる土の香り。粘土のそれとはまた違う、何か優しさを含んだものです。棚には、所狭しに並ぶ杉山さんの作品が。
「陶芸体験では難しいことはいいません。つくりたい物を思うようにつくってみてください。満足できる作品をつくるには、その気持ちが一番です。そのために私がお手伝いをしますよ」
続きはカフェで、と誘われるがままついていくとそこは正に「里山のCafe」。
置かれている暖炉が、更にその雰囲気を倍増させます。「これは冬にもう一度訪れたい」と思いました。
せっかくですから、自慢のランチを頂くことに。目の前に運ばれてきたのはキーマカレー。そしてセットのスープとサラダ。器はもちろん笹谷窯の器です。作品に囲まれ、窓から見える山の景色を楽しみながら贅沢なランチタイム。地元の食材を使ったキーマカレーは、時折、ピリリと口の中を刺激!!
それを新鮮な野菜で和らげながら完食しました。
食後のコーヒーが入れられたカップももちろん笹谷窯。どっしりとした厚みやすっと手になじむ感触、そして飲口の曲線に思わず「このカップ欲しいな…!!!」と口から出ていました。
「元々は工房に訪れる方の休憩スペースでコーヒーを出していたんですけど、気が付けばカフェを目的に訪れる方が増えましたね。そういった方たちに笹谷窯の良さを知ってもらえると嬉しいですね」と奈津子さん。
自分で造る!!!! という思いで訪れましたが、帰る際には「このカップで飲みたい!!!」に心変わりしてしまった筆者でした。
〈アクセス〉
笹谷窯/SASAYA Cafe
住所:千葉県鴨川市金束905
TEL::0470-98-0388
営業時間:10:30~17:00
定休日:月・火・金
※事前にご予約の場合は陶芸体験、カフェともに営業
HP http://www.sasayagama.com/