三菱パジェロ

 

<洗練された都会派デザインのSUVが多い中、無骨とも思えるスタイルが新鮮!>

sty00_im_16三菱 は、大型のオールラウンドSUV 「パジェロ」 の外観デザインやインテリアの質感向上など、一部改良を施し発売を開始した。

パジェロといえば、バブル世代にとって懐かしいSUVだ。1991年にデビューした2代目パジェロが、バブル期に大ヒットモデルとなった。当時、世界初とされたスーパーセレクト4WD やマルチモードABSなどが採用され、高い4WD性能を発揮。こういった技術が、当時スキーブームだったこともあり高く評価。さらに、ハイパワーなV6 3.5Lエンジンや2.5Lインタークーラー付きディーゼルターボを搭載し、クロカン4駆は遅いという当時のイメージを完全に払拭。高速クルージングでも余裕の走りが人気の理由だった。その結果、パジェロは三菱のイメージリーダーとなり、今でも重要な基幹車種となっている。

その後、イッキに経営不振に陥った三菱だったが、イメージリーダーということもあり、地道に改良やモデルチェンジを続けてきた。今回改良されたモデルも2006年に4代目としてデビューした。4代目パジェロから、ラダーフレームからビルトインフレームモノコックボディが採用された。モノコックボディになったことにより、静粛性や乗り心地が向上。市街地走行での快適性が大幅にアップした。

パワーユニットで注目したいのは、2008年10月に新長期排出ガス規制(平成17年排出ガス規制)に適合した3.2Lコモンレール式ディーゼルエンジン。2010年9月には、世界最高水準のポスト新長期排出ガス規制(平成21年排出ガス規制)に適合した。これにより、エコカー減税免税、及びクリーンディーゼル車に対する補助金の対象となっている。

パジェロは、車重が軽く2トンを超える車種。低回転から441Nmという大トルクを誇るクリーンディーゼルとの相性はよく、苦も無く走ることができる。また、燃料は軽油で燃費も良いことから経済性も高い。そういったこともあり、約8割の顧客がクリーンディーゼルエンジン搭載車を選択している。

今回の一部改良では、全車でフロントバンパーとラジエーターグリルのデザインが変更された。直線基調で、より力強いフロントフェイスとした。スクエアでガッチリとしたボディに良く似合っている。最近では、都会派デザインが流行し、スタイリッシュなスタイルをもったSUVが多い中、ある意味、無骨ともいえるタフネス系のパジェロのデザインは新鮮に見える。逆に貴重なものとなっている。

また、ロングボディ「SUPER EXCEED」「EXCEED」、ショートボディ「VR-II」のフロントバンパーの左右コーナー部にLEDポジションランプとフォグランプを装着。ロングボディ「SUPER EXCEED」「EXCEED」のスペアタイヤカバーのデザインを変更し、スタイリッシュなリヤビューとしている。

インテリアでは、ロングボディ「SUPER EXCEED」のセンターパネルを木目調にしラグジュアリー感ををアップ。ロングボディ「EXCEED」とショートボディ「VR-II」のセンターパネルをピアノブラック調に変更。また、全車にエアコンエアアウトレット部にシルバー及びメッキの加飾を施した。全体的に質感を上げ、高級感をプラスしている。エクステリアデザインは、無骨だがインテリアは高級という意外性がある。こうした流れは、メルセデス・ベンツのGクラスに近いイメージだ。

タフな外観と高級なインテリアというトレンドを意識してか、インストルメントパネル、ドアトリムに吸遮音材を追加し質感と同様に静粛性もアップし、より高級感をアップした。上級SUVらしさをアップさせている。

今回の一部改良で、パジェロは数万円ほど価格がアップした。この価格アップ分は、装備アップや質感向上、静粛性の向上を考えれば、十分に納得できるものとなっている。

パジェロの7人乗りなどは、大型のSUVということもあり、機動力という面では最近のシティ派SUVほどではない。ただし、最小回転半径は5.7mとトヨタ のアルファード やヴェルファイア などと、同等の小回り性能をもっている。ディーゼルなので、燃料経済性はそれほどガソリン車とかわらない。そう考えると、7人乗りパジェロならちょっとしたミニバン 的にも使えそうだ。今では貴重で新鮮な無骨デザインのパジェロだけに、都会派SUVやミニバンと比べれば都心部でも圧倒的な存在感をみせそうだ。

価格:VR-I 2,921,400円(ショートガソリン)~SUPER EXCEED 4,930,200円(ロングディーゼル)