日産ジューク

 

<90通りの中から選べ、選べる楽しさは倍増したものの、燃費性能はやや引き離された>

1405420869国内仕様ジュークのマイナーチェンジ前に、欧州仕様では1.2Lターボ+ツインクラッチATを組み合わせたモデルが発表された。そのため、国内仕様も同様の仕様になるとの憶測があった。ジュークは、このクラスのパイオニアだったが、ホンダがハイブリッドシステムを搭載したヴェゼルを投入。1.5Lガソリン車比較でも、燃費性能でやや引き離されていたので、マイナーチェンジで1.2Lターボエンジンを搭載し、燃費差を縮めるかもしれないという予想からだ。

しかし、マイナーチェンジされたジュークには、残念ながら1.2LターボエンジンとツインクラッチATモデルの投入は見送られた。これは、主にコスト高となり販売価格が高価になるということのようだ。

今回のマイナーチェンジでは、ジュークの特徴であるアクの強いエクステリアデザインをより進化させ、さらに存在感も高めている。立体感を増したVモーショングリルやブーメランシェイプのシグネチャーLEDポジションランプにより、新世代の日産車デザインテーマを強くアピール。全体的に洗練られたデザインとなった。また、リヤのコンビネーションランプは、ブーメランシェイプシグネチャーLEDコンビネーションランプを採用。高級感のあるLEDを採用することで、クラスレスなイメージを協調。

そして、ジュークはモデル途中から投入されたパーソナライズパッケージをさらに進化させている。選択肢を増やし、より自分好みにアレンジできるオプションを設定。より自分好みにしたいと考える顧客のニーズを上手く吸い上げている。そんなスペシャルパッケージが「パーソナライゼーション」。このスペシャルパッケージは、エクステリアとインテリアに多彩な色を用意。それぞれのコンビネーションにより、90通りの中から自分好みのジュークに仕立てることができるというもの。

パーソナライゼーションは、ボディカラー以外に、メーカーオプションとして好みのカラーが選択可能できる。専用パーツは、エクステリアが黒、赤、白、黄の4色のドアミラーとドアハンドルセット。インテリアが赤、白、黄の3色のセンターコンソールおよび各種トリム、シート地セットとなっている。

これらのエクステリアパーツとインテリアパーツの色をそれぞれ選択。ボディカラーと組み合わせることで、自分だけのジュークに近い仕様となる。それほど多いというほどの色数ではないものの、自ら選べるという点では、満足度の高い買い物となることは確実だろう。

日産ジューク安全装備は、アラウンドビューモニター(MOD〔移動物検知〕機能付)を、メーカーオプションで採用された。ディスプレイ付自動防眩ルームミラーに投影されるため、ナビゲーションを装着しなくても使用が可能となった。ただし、ルームミラーの中にあるモニターなので、非常に小さく高齢者などは見にくいかもしれない。高齢者や運転が苦手な人は、オプションのナビを通して見た方がよいだろう。

残念なのは、日産が最近急速に装備を増やしているエマージェンシーブレーキが採用されなかったこと。自動ブレーキは、もはや必須ともいえるアイテム。このあたりは、安全装備ではヴェゼルと比べると物足りない。

ユニークなスタイルに惚れ込みジュークをファッション的な顧客も多い中、さらにSUVなのに圧倒的な走行パフォーマンスを求める顧客が多いのもジュークの特徴。ハイパフォーマンスな1.6Lターボエンジンを搭載しているグレードも人気だ。今回、この1.6Lターボ(MR16DDT)エンジン搭載車は、燃費が16GTで13.0㎞/Lから14.2㎞/Lへと向上。これは、直噴ガソリンターボエンジンで世界初採用となるロープレッシャークールドEGRが、より広範囲にわたるEGR作動を可能としたことによるなど、大幅に進化した。

しかし、残念なのは、1.5L FF車の燃費が18.0㎞/Lのままだ。ライバルのヴェゼルが20.6㎞/Lという燃費なので、燃費性能という意味ではジュークが上回り、当然、エコカー減税のランクもヴェゼルが上だ。実際の商談では、こういった燃費性能やエコカー減税のレベルなどをヴェゼルと比較し、値引きを引き出すためのトークに使うといい。

16GTは、ユニークな存在だが、どうせ買うなら多少予算がオーバーしても、よりハイパフォーマンスなジューク ニスモRSを選ぶといいだろう。このモデルは、高いリセールバリューが期待できる。

価格:15RS  1,737,720円(2WD)~16GT FOURパーソナライゼーション(4WD) 2,678,400円