クルマでしか行けないVOL.31 富津市で魔法のグラタンを食す@グラン・フォッセ
早朝の寒さはまだまだ身にしみますが、日だまりの暖かさに春の訪れを感じる2月下旬。柔らかな日差しは魔法です。人をどこかへ出かけたいと思わせます。

そんな魔法にかかってしまった筆者は、この柔らかな日差しのように心癒すお店を検索。すると千葉県富津市の住宅街に、魔法使いがいそうな可愛らしいお店を発見しました。その名はグラン・フォッセさんです。

東京湾アクアライン連絡道から館山自動車へ。国道16号を左折し富津岬の方角へとクルマを走らせます。富津市を南北に分ける小糸川にかかる人見大橋に差し掛かると、橋のたもとに大きな亀が!
この亀は小糸川沿いにある人見神社の使いとされている亀の銅像。地元の方からは『亀橋』という愛称で親しまれているとのこと。空へと頭を突き出す神の使いに、この旅の安全を勝手にお祈り。目指すグラン・フォッセさんはもうすぐそこです。

地元の方からは『亀橋』で親しまれる亀
橋の左右と前後に計4体の亀が鎮座しています
しかし、近くまできているはずなのに周囲にお店らしきものが見当たりません。
ナビはこの辺りを案内しているのにおかしいな…と、近くをぐるりともう一周。
すると、ありました。それは、淡いピンクのまるでお菓子でできた館のような佇まい。
手の行き届いた庭をぬけ曲がりくねったスロープを辿って店内へと足を踏み入れます。

一見何もなさそうな住宅街の中に
お客様を満足させる名店が隠れています
可愛らしい外観にピッタリの石畳のスロープ
柔らかなベージュの壁に梁や窓枠のこげ茶が品の良さを感じさせます。テーブルにつき、「ふわふわ卵のデミドリアセット」や「骨付きチキンと野菜のトマト煮セット」など、いろいろ悩んだ挙句、定番の人気メニューだという「シーフードグラタンセット」を注文。

出来上がるまでの間は、グラン・フォッセさんの魅力の1つでもある、店内の至るところに飾られたアンティーク雑貨を楽しみます。

大きな窓から差し込む光で店内に柔らかさを感じます
テーブルのサイズや配置、椅子の材質にまで拘った店づくり
ジューっとチーズが焼ける音と、芳ばしい香りを漂わせて目の前に登場したのは、グラタンの白とサラダの緑のコントラストが色鮮やかなランチセット。

「お客様の前に並んだときの見栄えにも気を使っているんです」とオーナーの平野さん。しばし、目と鼻で楽しんだ後、意を決してスプーンを手に!!!

濃厚なホワイトソースが口に広がるシーフードグラタンセット
卵の下に隠れたピラフがデミグラスとマッチする
ふわふわ卵のデミドリアセット
柔らかいチキンとトマトの甘さがクセになる
骨付きチキンと野菜のトマト煮セット
サクッ!グラタンにスプーンを立てるとパリパリの表面から心地よい音が聞こえてきます。しかし中はとろ~り! 濃厚なホワイトソースがマカロニに絡み口の中で甘さが広がります。エビやイカ、貝柱といったアクセントがより一層ホワイトソースの甘さを引き立て、グラン・フォッセのグラタンワールドへと引き込まれます。

グラタンだけでなく、地元で獲れる新鮮なサラダや、玉ねぎの甘みがにじみ出るスープも絶妙。あまりのおいしさにあっという間の完食でした。美味しさの余韻に浸るべく、食後の珈琲を注文。すると、アンティーク調の目を惹くデザインのカップ。

「お客様に素敵な時間を過ごして貰いたい」という平野さんの拘りが伝わってきます。

素敵デザインのカップで飲むコーヒーは格別!
オーナーの平野さん(右)とスタッフの込谷さん(左)
「店内にアンティーク雑貨の並ぶパリのカフェ食堂のようなお店を出したいと思い、実際にヨーロッパへ訪れいろんなお店を観て参考にしました。オープンから1年半が経ち、地元の方だけでなく、遠方からも足を運んでくださるお客様が増え、今まで以上に居心地のよい空間づくりと、満足いただける料理を出せるよう心がけています」
と、オーナーの平野さんは、おもてなしという魔法を使ってお客様を幸せな気分にしていました。

<アクセス>
グラン・フォッセ
住所:千葉県富津市大堀1-13-10
TEL : 0439-87-3553
OPEN:11:00~21:00 (ラストオーダー20:00)
定休日:毎週水曜日・第2火曜日
HP:http://r.goope.jp/grand-fosse/top