フォードフォーカス
<ようやく、ライバルCセグメントカーと対等に戦える価格となった>
フォードフォーカス全体需要が毎年下がり続ける日本マーケットだが、輸入車はここ数年絶好調。今年もフォルクスワーゲン ゴルフやボルボV40といった人気のCセグメントカーが続々投入され話題となっている。フォードもCセグメントのフォーカスを投入し、追い風に乗ろうとしたが、価格がライバルに比べて高価だったため波に乗れていない状態。
フォーカスは、2013年4月に導入された欧州フォードのコンパクト5ドアハッチバック。1,810mmという少々微妙な全幅をもつCセグメントカーだ。パワーユニットは、2Lの自然吸気エンジンのみ。パワーは170ps&202Nmとなかなかパワフルで、6速DCTと組み合わされている。フォーカスに期待されたのは、ダウンサイジングターボであるエコブーストエンジンだったが、アジア方面への車両はタイで生産され日本に送られいる。しかし、エコブーストエンジンは、タイ生産では無理で、自然吸気エンジンのみのライアップとなっている。
デザインがユニークなのもフォーカスの特徴。どんなクルマにも似ていないスタイリングは、キレのあるスポーティなものだ。 ハンドリング性能も秀逸。欧州フォード製ということもあり、キビキビとしたスポーティな走りが楽しめる。トルク・ベクタリング・コントロールが標準装備されていることもあり、コーナリング時に左右の前輪に伝達されるトルクをコントロールすることで、グリップを確保しアンダーステアを解消してくれる。
そんな魅力にあふれたフォーカスだが、価格が高い。同じCセグメントカーであるゴルフ7が249万円なのに対して、フォーカスは293万円である。さすがに、これだけ価格差があると、よほどフォーカスに惚れ込んでいないと選べない。また、フォーカスより安いゴルフやV40などは、日本カー・オブ・ザ・イヤーの各賞に選ばれるなど実力派折り紙つきなだけに、パフォーマンスが優れているという点でもアドバンテージは少ない。タイで生産されている割には、高価というイメージが強く残る。
こういった状況を打破するためなのか、フォードは特別仕様車「フォード フォーカス Midnight Sky(ミッドナイトスカイ)」を設定し発売を開始した。フォーカス ミッドナイトスカイは、装備を充実させながら、価格上昇をわずかに抑えた55台の限定車だ。
今回の限定車では、「ミッドナイトスカイ」を専用エクステリアカラーとして採用。18インチのタイヤ&アルミホイールも特別装備。インテリアには地デジフルセグTVチューナー内蔵のインダッシュ式ナビゲーションシステムを標準装備としている。これらの価格は68万円相当となっていて、限定車の価格はベースモデルからわずか5万円アップの298万円。これで、ようやく他のライバル達と勝負できる価格になった。しかし、限定車なので、通常モデルは売れない状況が続くはずだ。
限定車として出した理由を考えると、フォードも価格が高過ぎたと反省しているのかもしれない。2013年4月に出して間もないフォーカスをすぐに価格変更すると、発売直後に購入したフォーカスファンに反感を持たれブランドイメージが悪くなる。そこで、限定車として出すことで、なんとかごまかしている感じもある。そういったことも予想できるので、この限定車は買いだが、通常モデルは少々様子を見てから買うといいだろう。
【特別仕様概要】
・専用エクステリアカラー(Midnight Sky)
・18インチタイヤ(235/40R18)&専用デザイン18インチアルミホイール
・インダッシュ式 地デジフルセグチューナー内蔵ナビゲーションシステム(USB/Bluetooth®接続機能付)
■ミッドナイトスカイ価格:2,980,000円

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