日産キューブ
<爽やかでカジュアルなロルブーセレクションが登場>
日産キューブ初代キューブは、1998年にマーチをベースとして四角いボディでデビュー。このモデルは、それほど注目されなかったが、2002年に2代目となったキューブは、バックドアを横開き式にした左右非対称ボディデザインで話題となりヒット。ソファーをイメージしたベンチシートなど、インテリアが注目されたユニークな1台となった。そして、3代目は2代目のコンセプトを踏襲し2008年11月にデビューした。今では、モデル末期となっているが、独創的なスタイリングのため、爆発的ヒットとはいえないものの、コンスタントに販売台数を積み重ねている。

2012年10月には、いつまでたってもアイドリングストップ機能を付けないメーカーがあるものの早くもアイドリングストップ機能を装備。低燃費化への対応も早かった。しかし、2013年度に入ってからは、月販2,000台を割る月も出てきており販売面では苦戦が続いている。

その理由は、ノートが2012年8月デビューしたことがあげられる。日産イチオシのコンパクトカーということもあり、セールスパワーもノート中心に移行したことも要因だろう。ただ、キューブのようなユニークなキャラクターをもつコンパクトは、国内メーカーでは数少ない。他のメーカーにはなので、顧客に飽きられないように、大切に売る努力も必要だ。

日産キューブそんな背景もあり、 キューブに特別仕様車「15X / 15X FOUR ロルブーセレクション」が新たに設定された。この特別仕様車は「15X」、「15X FOUR」をベースに、特別なインテリアが用意されている。グレード名称のロルブーは、北欧の漁師小屋を改装したコテージ“ロルブー"に由来しているという。シート生地は、都会にある北欧風カフェをイメージして仕上げた。爽やかなチェックのシート柄は、クルマのシートというより自分の家のソファーのような印象だ。そういう意味では、2代目から続くコンセプト通りだ。

日本の交通事情を考えると、クルマで走って楽しいと感じることは少ない。しかし、多くの自動車メーカーが走る楽しさをアピールする。しかし、クルマの価値は、何も走って楽しいことだけではないのも事実だ。お気に入りの空間ならば、移動もずっと楽しくなるし、リラックスできる。そんなクルマなら、思わずどこかに行きたくなったりもするだろう。キューブのロルブーセレクションは、そんな数少ないクルマといえる。

シート以外では、本革巻3本スポークステアリングとメッキインナードアハンドルを設定。ボディーカラーは、北欧の大自然をイメージした日産新色のスオミブルーを全グレードに採用。全9色のボディーカラーをラインアップした。エコカー減税は、ベース車と同様に2WD全車がエコカー減税に適合し、自動車取得税と自動車重量税が75%減税となる。

価格は1,564,500円。15Xに対して31,500円高。この金額で、これくらいオリジナリティがアップするのなら、なかなかお買い得。ただし、単純におすすめはできない。問題は、15Xがベースなので、今時、横滑り防止装置(VDC)がオプション設定。そろそろ標準装備化してほしい。また、今時、軽自動車でも標準装備化が進んでいるオートライトも無い。こういった装備が無いということを理解して買う必要がある。

日産は、キューブを自分のこだわりや個性を大切にしたい若者をターゲットとしているという。別に若者でなくても、インテリアの上質感もや個性を求めるはずだ。若者と決めつけずに、中高年も納得できるような質や仕様を考えることも必要だろう。そうなれば、どちらかというと実用車的なノートとの棲み分けができ、キューブの価値はさらにアップするのではないだろうか。

■日産キューブ ロルブーセレクション 1,564,500円
ロルブーセレクション4WD 1,792,350円

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