VWビートルターボ
<2.0L 211馬力のハイパワーエンジンを搭載!>
VWゴルフGTI恐らく、販売台数は少なくとも誰もが一度は聞いたことがあり、なんとなくでもあのカブトムシ型のシルエットを思い出すクルマが、フォルクスワーゲン ビートルだろう。あの独特のスタイルは、世代を超えて愛されてきた。現在のビートルはザ・ビートルと呼ばれ3代目となっている。そのザ・ビートルに、よりパワフルなターボエンジンを搭載したザ・ビートル・ターボの発売が開始された。

ザ・ビートルは、2012年に日本デビュー。2代目のニュービートルより全長や全幅が拡大され、より大きくなったが、全高は低くなった。つまり、ワイド&ローなフォルムが強調されたことにより、柔らかくキュートな2代目ビートルより、がややスポーティなビートルへと変身している。

ザ・ビートルターボには、2.0LのTSIエンジンを搭載。このエンジンは、211ps&280Nmという出力を持ち、6速DSGと組み合わされている。ノーマルのザ・ビートルが105ps&175Nmなのに対して、パワーで106psアップ、トルクで105Nmアップしていることになる。こうなってくると、もはや違うクルマになっているといってもいいだろう。

VWゴルフGTI通常のザ・ビートルのままではろくに走れるものではないので、当然スポーツサスが採用され足回りも大幅に強化されている。それだけではなく、電子制御式ディファレンシャルロック”XDS”も標準装備された。XDSは、高速コーナリング時に駆動輪内側のグリップ不足を検知すると、クルマが瞬間的にブレーキをかけて内輪の空転を抑制する。その結果、トラクションを回復させてアンダーステアを軽減するというものだ。ゴルフGTIなど、フォルクスワーゲンブランド車の中でも、スポーツモデルに使われる機能がザ・ビートル・ターボに採用されている。こういった装備が装着されたということは、フォルクスワーゲンがザ・ビートルターボに対して、本気でスポーツモデルして作り込んだ証しだろう。

エクステリアは、いかにも変更しています的なものは少なく、地味目だが通っぽい仕上がり。必要以上にアピールしない控え目なハイパフォーマンスモデル作りはフォルクスワーゲンらしいものだ。足元には、大口径の235/45タイヤと18インチアルミホイールの組み合わされ、ホイールの隙間からチラリと見えるレッドブレーキキャリパーが、ただのビートルでないことをさり気なくアピールする。大型のリヤスポイラー、クロームツインエキゾーストパイプなど走りをアピールすパーツ装備されるが、オリジナルのボディデザインを壊していないのも好感がもてる。

VWゴルフGTIインテリアも、スポーツモデルらしい定番アイテムでまとめられている。スポーツシートやアルミ調ペダルクラスターを装備する。どうせならもっと違う雰囲気にしたいという顧客に対しては、オプションの“Coolsterパッケージ”を用意。ダッシュボード上の中央部分に油温計、 ストップウォッチ、ブースト計が、ひとつのハウジングに収納された3連メーターが装備される。これは、いかにもチューニングカー的なアイテム。ちょっと、やんちゃな感じもするが、気分は盛り上がる。このオプションには、LEDポジションランプ 付きバイキセノンヘッドライト、ダークティンテッドガラス(左右リヤガラス)が追加装備され、一段とクールなザ・ビートル・ターボとなる。シリーズ中、最も高価なモデルということもあり、ナビゲーションシステムは標準装備だ。

ザ・ビートル・ターボは、分かりやすいスポーツカーを好む層というよりは、ユニークなデザインを持ちながら、さらにスポーツドライビングを同時に楽しみたいという顧客に向く。ある意味、ピュアなスポーツカーとは違う世界観がある。ただ、残念ながら、同じ2.0Lエンジンの最新ゴルフGTIとは違うエンジン。GTIは、220ps&350Nmという出力で、ザ・ビートル・ターボを上回る。絶対的な速さを求めるのならゴルフGTIを選んだほうがよい。さらに、価格も369万円と、それほど大きく違わない。さらに、困ったことにザ・ビートルターボの価格は348万円だが、この価格なのにキセノンヘッドライトやオートライト、ダークティンテッドガラス(リヤ/リヤ左右、UVカット機能付)、レインセンサー、自動防眩ルームミラーというこのクラスなら欲しい基本的な装備がオプションとなっている。これらを装備したいとなると、Coolsterパッケージ210,000円を選ぶ必要があり、実質369万円となりゴルフGTIと同じとなる。ビートルのスタイルは、どうしても外せないという人でなければゴルフGTIの方がおすすめだ。

■フォルクスワーゲン ザ・ビートル・ターボ価格:3,480,000円


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