ホンダ フィットシャトル
<ベースのフィットがフルモデルチェンジした現在、あえて旧型は選びにくいが、値引き次第?>
フィットシャトル ホンダは、コンパクトで使いやすい5ナンバーサイズワゴンであるホンダ フィットシャトルとフィットシャトル ハイブリッドをマイナーチェンジし発売を開始した。
 

ホンダ フィットシャトルは、フィットをベースとしたワゴンモデル。初期の1万2千台受注の内、なんとハイブリッド車が約86%を占めるほど、ハイブリッド車が人気だった。

今回のマイナーモデルチェンジは、完全にトヨタ カローラ フィールダーハイブリッド対策だ。この5ナンバーサイズのワゴンモデルは、このフィットシャトルとカローラフィールダーの2強状態。トヨタは、カローラに2013年8月ハイブリッドモデルを追加。これで完全にフィットシャトルハイブリッドと同じ土俵に上がった。
 燃費に優れるトヨタの2モーターハイブリッドシステムを搭載したフィールダーハイブリッドの燃費は、33.0㎞/Lとなった。対するフィットシャトルハイブリッドの燃費は、マイナーチェンジで燃費が向上したとはいえ25.2㎞/Lで、大きな差がついてしまった。こうなると、フィールダーハイブリッドが完全に有利。販売台数は、完全にフィールダーハイブリッドに傾くことが予想できる。
 当然、そんな状況を黙ってみているわけにはいかない。2013年9月にベースとなるフィットはフルモデルチェンジし、3代目となった。いずれ、シャトルもフルモデルチェンジされるのだが、それまでの間マイナーチェンジで少しでも魅力を増すことで、フィールダーハイブリッドに流れる顧客を止めたい。そのためのマイナーチェンジだ。
フィットシャトル 今回のマイナーチェンジでは、装備を充実し、フィットシャトル ハイブリッド スマートセレクションで燃費を25.0㎞/Lから25.2km/Lへと若干アップ。それでいて、お買い得感のある価格設定をしてきた。
 フロントバンパーやフロントグリルなどのエクステリアデザインをよりスタイリッシュに刷新。インテリアの質感も向上。さらに、人気の高いHYBRID・スマートセレクションに15インチアルミホイールやパドルシフトを標準装備に追加している。
 

これらの仕様向上で、シャトル ハイブリッド スマートセレクションの価格は199万円となり、マイナーチェンジ前より3万円ほど価格はアップ。それでも、ライバルのフィールダー ハイブリッドGは、216.5万円なので、17.5万円の差となる。

さらに、フィットシャトル ハイブリッド スマートセレクションには、ディスチャージヘッドライトや運転席&助手席シートヒーターやリアセンターアームレスト、アルミホイールが付く。これらまで標準装備化されているので、かなり買い得感は高い。これらの装備をフィールダーハイブリッドGにオプション追加しようとすると、15万円くらいになる。これに、車両の価格差が17.5万円プラスされると30万円以上分、フィットシャトル ハイブリッド スマートセレクションがお買い得となる計算だ。ただし、フィールダーハイブリッドにはサイドエアバックが標準装備されているので、この分を差し引くと20万円くらいの差となる。
 積載性や居住性では、シャトルハイブリッドもフィールダーハイブリッド以上のパフォーマンスをもつが、これだけ燃費差や、すでに旧型になったことを考えると、価格と装備以外でフィールダーハイブリッドと勝負する術がないのが現状だ。ただ、フィールダーハイブリッドは高価過ぎる。そのため、予算的に買えない層が出てくるだろう。また、燃費差による燃費費で、この価格差を埋めるのは、よほど距離を走る人でないと正直難しい。フィールダーハイブリッドが欲しいと思っても高価で買えない顧客の選択肢は、フィールダーのガソリン車かシャトルハイブリッドということになる。
 フィットシャトルそういった顧客に対しては、マイナーチェンジしたシャトルハイブリッドのコストパフォーマンスは抜群だ。アイドリングストップさえもオプションのフィールダーガソリン車を買う理由はなく、シャトルハイブリッドを買ったほうがお得だ。
 ただ、ベースのフィットがフルモデルチェンジした以上、シャトルハ イブリッドも、近いうちにフルモデルチェンジするのだと思うと、積極的に選ぶクルマではないという現実がある。当然、フルモデルチェンジすれば、フィールダーハイブリッドより燃費に優れ、科価格も安くなるだろう。そのあたりのリスクというか、心情を考えると積極的におすすめできない。
 どうしてもスグに買わなくては、という人以外は、新型フィットシャトル ハイブリッドが登場してから、カローラ フィールダーハイブリッドと比較して買うというのが正解だ。何らかの理由で、スグに買わなければならない人は、フィールダーハイブリッドと競合させ、シャトルハイブリッドの値引きを30万円くらい引き出したいところだ。これくらい安く買えれば、近い将来フルモデルチェンジされても、あまり気にならないかもしれない。
 おすすめグレードは、ハイブリッドスマートセレクション1,990,000円。装備を含め、最もコストパフォーマンスに優れている。ガソリン車は、リセールバリューを含めあまりメリットはない。
<フィット シャトル価格>
15C CVT FF 1,640,000円
5AT 4WD 1,835,600円
15X CVT FF 1,750,000円
5AT 4WD 1,945,600円
HYBRID-C CVT FF 1,840,000円
HYBRID  CVT FF 1,895,000円
HYBRID・スマートセレクション CVT FF 1,990,000円

  • クルマと増税2014
  • 新車ニュース
  • クルマと増税コラム
  • クルマ売買トラの巻
  • 暮らしと増税
  • まにあうクルマ、まにあわないクルマ