フォードクーガ
<1.6Lエコブーストエンジンを搭載なのに、燃費は9.5km/L? 追突軽減ブレーキも装備し、安全性もアップ!>
フォードクーガフォードは、コンパクトSUVであるクーガをフルモデルチェンジし、2013年9月より発売を開始する。

初代フォード クーガは、2010年に日本に導入。フォード ヨーロッパ製で、当時フォードグループだったマツダやボルボなどと同じプラットフォームをベースとして開発されたコンパクトSUVだ。日本に導入されたモデルは、直5 2.5Lターボで200psという高出力のエンジンとAWDの組み合わせもののみだった。元々走行性能に定評のあるフォード ヨーロッパ製ということもあり、高い走りの質をもつモデル。しかし、2,521ccという日本マーケットの税制上、微妙な排気量だった上に、個性の強いデザインのため好き嫌いがハッキリとしたしまったことから販売は想像以上に伸びなかった。

そんなクーガがフルモデルチェンジし2代目となった。微妙だったエンジンは、環境に配慮した日本初上陸となる1.6Lエコブーストエンジンが搭載された。ミッションには、新たに6速セレクトシフト付オートマチックトランスミッションが組み合わされ、182psというハイパワーを発揮しながら、旧モデル(2.5L 5気筒エンジン+5速AT)と比較して、燃費性能は20%超改善した。随分燃費が良いイメージだが、9.5km/Lという数値は、それほど自慢できたものではない。

SUVとしての駆動システムも新設計のンテリジェントAWDを採用。路面や走行状況に応じてトルクを前後間で100:0~0:100で自動的に配分する本格派だ。オフロードの走破性だけでなく、オンロードでも走行状態をモニターし、気持ち良いハンドリングと駆動力が最適になるようになっている。

フォードクーガ先代クーガも個性的だったエクステリアは、さらに進化した。フォードが提唱する“キネティックデザイン”コンセプトを取り入れエッジの効いたシャープなフォルムは、モダンかつ先進的なイメージを強調する。キリッとした眼力が強さが特徴で、まるでスーパーカーのように切れのあるスタイリングをもつ。そんなボディのフェンダーアーチ面には、樹脂製プロテクターを装着。フロントプレテクターもあり、力強さやSUVらしさも同時に表現しているが、あくまで控えめなのがポイント。SUVではあるものの、泥臭いイメージは一切ない。このデザインだででも、思わず衝動買いしてしまうほどのものだ。

フォードはコンパクトSUVと呼ぶが、全幅は1,840mmもあり、そんなにコンパクトではない。スリーサイズは、全長4,540x全幅1,840x全高1,705mm。ボディサイズは、旧型比で全高1cm低くし、全幅は1cmスリムに、全長は9.5cm大きくした。全長が伸びたことにより、ラゲッジルームも拡大された。ラゲッジスペースは、通常状態で406L(旧モデル360L)、リアシートを倒した状態では、603Lというクラストップレベルのトランク容量を確保した。

<少し高価だが、装備を考えると上級グレードのタイタニアムがオススメ>
フォードクーガ急速に進む安全装備面では、アクティブ・シティ・ストップをクーガのTitaniumに標準装備とした。この装備は、いわゆる低速域の追突軽減自動ブレーキといわれているもの。前方のクルマをレーザーセンサーで検知し、衝突の危険があった場合、自動的にブレーキをかけて衝突を回避する。車両間の相対速度差が時速15km未満の場合は追突を回避。時速15~30kmでは、衝突のダメージを軽減する。しかし、エントリーグレードであるトレンドには装備されない。今時の国産車は、軽自動車にも装備されている時代。340万円もするクルマに付いていないのでは、顧客もガッカリする部分だろう。

新型フォード クーガのグレードは、タイタニアム(385万円)とトレンド(340万円)の2タイプが用意されている。価格差は45万円とかなり開きがある。しかし、大きな装備でHIDヘッドランプやデュアルパネルサンルーフ、フルレザーシート、ハンズフリーのパワー リフトゲート、ロール・スタビリティ・コントロール付アドバンストラック、カーブコントロール、アクティブ・シティ・ストップなどの装備差がある。これだけ違うと、タイタニウムのお買い得感が際立ってくるので、選ぶならタイタニウムがベストな選択となるだろう。

ただ、先代フォード クーガの場合、リセールバリューが非常に厳しい状態。そのため、中古車になると良いクルマが安く買えるメリットがあった。新型クーガも同様になるのかは、売れ行き次第だが、短期での乗り換える人は注意が必要だ。

新型フォード クーガ価格
タイタニアム:385万円
トレンド:340万円