
<セダンマーケットを独占していた輸入車にもセダン離れの兆候?>

3シリーズは、日本で唯一ガソリンにクリーンディーゼル、ハイブリッドと3つのパワーユニットを用意するなどし、抜群の人気を得ている。ボディバリエーションは、セダンとワゴンの2タイプがある。日本のマーケットにおいて、セダン需要はほとんど3シリーズを中心とした輸入車勢に取られており、国産勢ではトヨタがクラウンを中心に善戦している。トヨタを除く国産メーカーは、完敗状態だ。
そんな日本マーケットに送り込まれてきた3シリーズGTは、セダンとSUVのクロスオーバー車ともいえるスタイルを持つ。これにより強化されたのは、居住性と積載性だ。すでにBMWでは、7シリーズをベースとした5シリーズGTを発売しているが、日本では少々微妙な立ち位置となり販売台数はわずかという結果になっている。

<大幅に広くなった後席と荷室>


3シリーズGTは、車高が高い。一般的に、全高が上がれば空気抵抗が増し、燃費が悪化傾向になる。そのため、3シリーズGTにはエア・ブリーザーと呼ばれる機能が追加された。フロント・ホイール・ハウスに流れこむ空気を、フロント・サイド・パネルに設けられたエア・ダクトから放出することで、ホイール周辺で発生する乱気流を抑え、空気抵抗を低減する。
さらに、BMW初となるアクティブ・リヤ・スポイラーを装備。車速に応じて自動的に上昇/格納することで、車両後方の空気の流れを調整し、最適なダウンフォースを確保。優れた空力性能を生み出し、走る楽しさにも貢献しているのがいかにもBMWらしい装備といえる。
残念なのは、多くの人と荷物を積み長距離を移動するためのクルマなのに、最先端のクリーンディーゼルエンジンが搭載されたモデルがないことだ。パワーユニットは、直4 2Lの320iと328i、そして直6 3Lの335iとすべてガソリン車となっている。出力が増える毎に価格も大きく跳ね上がる。パワー的には320iで十分に余裕がある。リセールバリューを考えると、320iGT M Sportがベストの選択となるだろう。
320iグランツーリスモ ¥4,940,000
320iグランツーリスモ Sport / Modern / Luxury ¥5,140,000
320iグランツーリスモM Sport ¥5,430,000
328iグランツーリスモ ¥5,990,000
328iグランツーリスモ Sport / Modern / Luxury ¥6,190,000
328iグランツーリスモM Sport ¥6,480,000
335iグランツーリスモ ¥7,300,000
335iグランツーリスモ Sport / Modern / Luxury ¥7,500,000
335i グランツーリスモM Sport ¥7,760,000
・320i 2.0リッター直列4気筒DOHC BMWツインパワー・ターボ・ ガソリン・エンジン
135kW(184ps)/5,000rpm 270Nm(27.5kgm)/1,250-4,500rpm
・328i 2.0リッター直列4気筒DOHC BMWツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジン
180kW(245ps)/5,000rpm 350Nm(35.7kgm)/1,250-4,800rpm
・3.0リッター直列6気筒DOHC BMWツインパワー・ターボ・ガソリン・エンジン
225kW(306ps)/5,800rpm 400Nm(40.8kgm)/1,200-5,000rpm