【マツダアクセラスポーツ対フォルクスワーゲンゴルフ6 徹底評価】ザ・対決比較試乗

総合評価

マツダアクセラスポーツ

フォルクスワーゲンゴルフ6

松下宏

i-stopは幅広い車種に適用可能な環境装備なのだから、1.5リッターや4WD車にも設定してほしいところ。現状のままだと2リッターの売れ行きはすぐに落ち込み普通の1.5リッター中心の売れ方になってしまう。また1.5リッター車にVDC（横滑り防止装置）を装着できないというのも問題。安全にはもっと真剣に取り組まないとダメだ。

前のモデルからキャリーオーバーした部分が多いのが今回のゴルフ6だが、そのことがいい方向に働いて熟成が進んでいる。TSIエンジンのよさは定評があるところだし、DSGの変速フィールの向上などは熟成の典型例だろう。また、これまであまりいいとはいえなかった静粛性もグンとよくなった。安全装備も充実している。

片岡英明

軽快なハンドリングはマツダ車すべてに共通する美点である。アクセラもその例に漏れない。ステアリングを握って楽しいクルマで、i-Stopはエコカーならではの新しい楽しみもある。ただし、CVTを組み合わせたボトムの1.5リッターモデルの出来がいいだけに積極的にはオススメしない。安全装備ではゴルフ6に差をつけられた。

Cセグメントの代表車であり、世界中のファミリーカーのベンチマークとなっている。トータル性能と質感は飛びぬけて高く、すべての点でソツがない。コントロール性に優れ、ベースのコンフォートラインでも安全装備は充実している。運転していて絶大な安心感があるクルマだ。乾式7速DSGの仕上がりも秀逸。パドルシフトも重宝する。

国沢光宏

トヨタプリウスという手強いライバルが存在する。今のところ厳しい状況らしい。やはり実用燃費で倍近い差があると、相当のマツダファンでない限りはプリウスに魅力を感じてしまうことだろう。「走りの楽しさ」を期待している人からすれば、現状じゃ、物足りないレベル。せめてアテンザくらいの質感が欲しい。いろんな意味で中途半端。

プリウスはゴルフ6にとっても競合するライバルだったりする。値下げしたプリウスに対し、ゴルフ6は値上げ。こちらも厳しい勝負になってます。ただ秋口に安価な1.2リッターモデルを追加するというウワサも。プリウスと同等の価格帯に入ってくれば、面白い戦いになるかもしれません。もちろん安ければアクセラに対しても有効だ。