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マツダ アクセラ スポーツ |
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フォルクスワーゲン ゴルフ6 |
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Mクラス ハッチバック編 |
環境志向も後押しして、ハッチバックというのは、今やひとのカテゴリーとしてしっかりと根付いている。それは日本のみならず、世界でも同様。その基礎を築いたのが、やはりフォルクスワーゲンのゴルフだ。FF&2ボックスというコンセプトは今や当たり前のものだが、初代ゴルフが作り上げたものだし、6代目になった今でもゴルフは世界のベンチマークとして君臨している。 また環境対策としてはこのゴルフのTSIエンジンに代表されるように、小排気量エンジンにターボ(クルマによってはスーパーチャージャーとのツインチャージ)を組み合わせることで、省燃費性能とパワフルな走りを両立させるというのが最近のフォルクスワーゲンの手法。またミッションは通常のトルコン式ではなく、ツインクラッチ式のDSGを採用。素早い変速とダイレクト感ある走りが魅力だが、パワーの伝達ロスが少ないのも特徴で、こちらも省燃費に対応した技術といえる。 一方、マツダがリリースするのが、アクセラ。2リッターのFF車にはi-stopと呼ばれる自動アイドリングストップ装置を搭載し、特に市街地走行での燃費性能を大幅に高めているのが特徴だ。実際に今回の撮影時も高速を降りて市街地に入っても、想像以上に燃費の悪化が少なかったのが印象的だった。同じ省燃費技術でもフォルクスワーゲンとマツダではまったく異なるアプローチがなされている。 マツダといえば、今やフォードグループの重要な一角を占め、アクセラの完成度は高い。日本だけでなく世界での評価は高く、販売的にも200万台以上を記録しているほどだ。もちろんドイツでの評判も上々なだけに、環境対策という部分でも今回のゴルフ6との対決は興味津々。アクセラが健闘するか!?
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PHOTO/佐藤靖彦 構成・文/近藤暁史
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モデル/
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マツダ アクセラ スポーツ
大胆なデザインや装備が充実
マツダらしさが満載の世界戦略車
マツダ アクセラは2003年の発売以来、100を超える国々で200万台のセールスを記録しているマツダの世界戦略車だ。2代目となる現行型はスタイリングや走りの刷新はもちろんのこと、環境・安全性能の向上にも力を注いだ「エコ・スポーツ」として進化させている。 ボディバリエーションは旧型モデル同様、セダンと5ドアハッチのスポーツを用意。ダイナミックでスポーティなスタイリングは初代モデル以上に大胆だ。 エンジンは1.5リッターと2リッター、そして別格のハイパフォーマンスモデル「マツダスピード アクセラ」に搭載される2.3リッターターボがある。最大の注目点は、マツダが独自で開発したアイドリングストップシステムであるi-stopを採用していること。しかも、i-stopは従来のアイドリングストップシステムに比べて素早いエンジン再始動と違和感の少ない操作性が特徴だ。なお、1.5リッターエンジンには無段変速のCVTを新たに採用することで、燃費の向上を図っている。 インテリアはこのクラスとしては十分なスペースを確保したうえで、ドライバーが安心して運転に集中できる室内環境を提供。マルチインフォメーションディスプレイに代表される表示系を視線移動の少ないコクピットの奥に。エアコンパネルなど操作系を手前にレイアウトした「ゾーンレイアウトコクピット」の採用により機能性を大幅に高めている。デザインも未来的で質感も上々だ。シートにも横幅を最大20mm、高さを35mm延長し、ホールド性を高めて姿勢の支持性能を上げる、といった改良も施されている。 操作系では、ステアリングシフトスイッチにダイレクトモードを採用。Dレンジで走行中、シフレバーをMモードにすることなく、ステアリング上だけでシフト操作が可能になっている。運転席と助手席それぞれ独立して温度調整できるフルオートエアコンも全車に設定するなど、装備は充実しており、コストパフォーマンスは高い。
[エコ&燃費] なんといってもi-stopの採用。コストもかからず、確実な省燃費効果が望める。旧型比で15%も燃費が向上。ただし2リッターのFF車にしか装備されていないのは残念ではある。
[安全性能] 後方からの車両接近を検知するRVMや、急ブレーキ時に自動でハザードが作動するESSなど、先進の安全システムを採用。全後席に3点式シートベルトを標準装備するなど、グローバルカーとして相応しい内容だ。ただし1.5リッターは横滑り防止装置がオプションでも用意されていないのは、メーカーの安全に対する考え方に疑問が感じられる。
[取材時実測燃費] 11.6km/L
[マツダ アクセラ スポーツ価格帯] 166.0〜267.8万円 |
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フォルクスワーゲン ゴルフ6
大きな変更点はないものの
走りも含めて、着実に進化
6代目になったフォルクスワーゲン ゴルフだが、いまだに世界のFF2ボックスのベンチマークとして、君臨している。実用性に優れたボディサイズとパッケージング。そして、不満のない走りと経済性など、華はないかもしれないが、どこをとってもレベルは高い。 ただボディサイズに関しては、シャーシを5代目からキャリーオーバー。ひとまわりほど拡大されている。全長で5mm。さらに全幅は30mmも拡大されて1790mmとなっており、実際目にしても大きくなった感じはする。デザイン的にはフロント部分に若干の変化があるものの、大幅に変わった印象はない。新鮮味に欠けるのは確かだ。これもゴルフらしいといえばらしいが……。 そして、ゴルフ最大のウリであるパッケージングは、ボディサイズ拡大の恩恵を存分に受けており、室内は広々。前後シートともしっかりと余裕をもって座ることができるのはやはりゴルフ6ならではといったといったところだ。全体の質感はさらに高められているので、満足度は高いだろう。 そして、今やゴルフで注目なのはその走り。ゴルフ6ではこの点も先代譲りで、TSIエンジン+デュアルクラッチミッションであるDSGの組み合わせを継承。TSIは1.4リッターのみで、コンフォートラインがターボのみのシングルチャージ(120ps/20.4kg-m)。ハイラインはスーパーチャージャーとターボのツインチャージ(160ps/24.5kg-m)となる。そしてミッションはシングルチャージ仕様は6速DSGだったが、今回はすべて7速化。また、クラッチも湿式から乾式へと変更され、制御の熟成と合わせて、より滑らかな走りを実現している。
[エコ&燃費] 1.4リッターの小排気量エンジンを採用した。これにコンフォートラインはターボ、ハイラインはさらにスーパーチャージャーを追加したツインチャージとし、低燃費な走りとゆとりある動力性能を両立させている。また通常のトルコン式ATより伝達効率に優れるツインクラッチ式ミッションのDSGを組み合わせることで、より高い省燃費性能を実現した。
[安全性能] 横滑り防止装置や豊富なエアバッグなどを標準装備するのはさすが。日本車の十八番であった車間を維持するアダプティブクルーズコントロールの用意はあるが、一部にオプション設定されるのみ。
[取材時実測燃費] 12.5km/L
[フォルクスワーゲン ゴルフ6価格帯] 275.0〜312.0万円 |
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マツダ アクセラ スポーツ 20S
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ボディサイズ(全長x全幅x全高)
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4490×1755×1465mm
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車両重量
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1340kg
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エンジンタイプ
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直列4気筒DOHC
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総排気量
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1998cc
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最高出力
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150ps(110kw)/6200rpm
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最大トルク
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19.0kg-m(186N・m)/4500rpm
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ミッション
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5速AT
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10・15モード燃費
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16.4km/l
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サスペンション(前/後)
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ストラット/マルチリンク
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ブレーキ(前/後)
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ベンチレーテッドディスク/ディスク
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税込価格
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214.0万円
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フォルクスワーゲン ゴルフ6 TSIコンフォートライン
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ボディサイズ(全長x全幅x全高)
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4210×1790×1485mm
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車両重量
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1290kg
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エンジンタイプ
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直列4気筒DOHCターボ
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総排気量
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1389cc
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最高出力
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122ps(90kw)/5000rpm
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最大トルク
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20.4kg-m(200N・m)/1500〜4000rpm
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ミッション
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7速DSG
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10・15モード燃費
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16.8km/l
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サスペンション(前/後)
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ストラット/4リンク
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ブレーキ(前/後)
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ベンチレーテッドディスク/ディスク
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税込価格
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275.0万円
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マツダ アクセラ スポーツはヨーロッパを中心に人気のあるハッチバックモデルだ。それだけに造りやパッケージングはヨーロッパ車的な雰囲気がある。エンジンは1.5リッターと2リッター、そしてスポーツモデルのマツダスピード アクセラには2.3リッター直噴ターボも用意されている。市街地燃費の向上に貢献するアイドリングストップ装置i-stopは、2リッターのFF車にしか装備されないのは残念なところ。 対するフォルクスワーゲン ゴルフ6は、さすがFF2ボックスのベンチマーク的存在だけのことはある。パッケージングや使い勝手、そして走りの質感などはかなりのレベルにある。自慢のTSIエンジンとデュアルクラッチトランスミッションDSGは、ダイレクト感ある走りだけでなく燃費の良さにも貢献している。
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