高速道路以外にガソリンも大幅に安くなる!

暫定税率廃止でガソリン代が大幅に安くなる!

 8月30日の総選挙で民主党が圧勝し、歴史的政権交代が実施されました。来年からはクルマを所有する人にとっては夢のような世界が待っているかもしれません。なぜなら民主党のマニフェストには、話題の高速道路無料化だけではなく、暫定税率の廃止も含まれているからです!

 高速道路(首都高速や阪神高速を除く)の原則無料化は平成22年度から段階的に実施される予定になっていますので、すぐには恩恵を受けられませんが、ガソリン税などの暫定税率は平成22年度から行われると書かれています。

 つまり来年の4月からは昨年の4月のようにガソリンの暫定税率が廃止されて、ガソリンがリッターあたり25円程度安くなるのです。今はレギュラーガソリンがリッターあたり120円程度なので、それが25円も安くなればだいぶ負担は少なくなってくるでしょう。

自動車取得税や重量税も大幅に安くなる!

購入時や車検時の重量税も半減以下に軽減される!

 暫定税率はガソリン税だけではありません。現在はクルマを購入する時に支払う自動車取得税や購入時と車検時に支払う重量税にも暫定税率が掛かっているので、クルマを買う時の総支払い額や維持費を押し上げていました。

 自動車取得税はメーカーオプションも含めた車両本体価格に、5%も掛かっていたので新車を買う際にはかなりな負担になっていたのですが、これが本則の3%になるはずです。自動車取得税は初度登録から5〜6年以内の年式の新しい中古車にも掛かっていたので、来年度からは高年式の中古車も買いやすくなります。

 また、クルマの重さに比例して納税額が高くなる重量税は、暫定税率によって2.5倍以上の納税額が課せられていましたが、それも本則に戻るはずなので負担は大きく軽減します。重量税は新車を買う際には3年分(1〜1.5tクラスで5万6700円払っていたのが2万2500円になる)、車検を通す際には2年分(1〜1.5tクラスで3万7800円払っていたのが1万5000円になる)払う必要があるので、それが本来の額に戻れば購入時や車検時の負担感は大きく減るでしょう。

デメリットはあるのか?エコカー減税のメリットが薄くなる?

民主党のHPには前提税率の廃止もキチンと書かれている(民主党HP抜粋)

 この重量税や自動車取得税には平成24年3月までエコカー現在が実施されていますが、本則の税額に対して減免すれば対応できそうなので、私の予想だと暫定税率を廃止しても平成24年3月までは継続されるでしょう。ただし、減免額が少なくなるのでエコカーのメリットは薄くなり、逆に輸入車のような高額車は自動車取得税が安くなるおかげで買いやすくなるでしょう。現在のエコカー減税は輸入車などに対して公平性が疑問視されている感じもありますので、これぐらいでちょうど良いかもしれません。ただし、暫定税率が廃止される、今年の3月はまたクルマの買い控えが増えるかもしれません。

 また、今までは低価格の中古車の自動車取得税の免税額が50万円でしたが、それが本則に戻されてしまうと15万円になってしまうかもしれません。つまり、今までは自動車取得税を払う必要がなかった低価格(販売価格が60〜80万円程度)の中古車に対して、自動車取得税が必要になるケースが発生するかもしれないのです。でも、この場合でも最大で1万5000円程度増えるだけですし、昨年4月のときは免税額が維持されたので、来年からも維持される可能性もあります。

 ガソリンの暫定税率に関しては安くなるのは大歓迎だし、今後はまたガソリン代が高騰するとの噂があるので、来年4月から暫定税率が廃止されるぐらいで今の価格が維持されるような状況になるかもしれません。

 高速道路の原則無料化も色々な意見がありますが、無料化による物流コストの低減や観光地への経済効果といったメリットも大きいので、私としては待ち遠しい限りです。

 このように政権交代後はドライバーにとっては、まさに天国のような展開が待ち構えています!財源やホントに実行能力はあるのか、といった疑問もありますが、マニフェストの大看板のひとつに掲げていたことなので、是非とも実現して欲しいものです。

達人プロフィール: 岡島裕二
職業:モータージャーナリスト
自動車雑誌や自動車サイトを経験後、2003年よりフリーとなった若手ジャーナリスト。今まで乗ってきたクルマすべてが中古車という、根っからの中古車好き。レース経験もあるほか、一級船舶免許ももつなど乗り物全般に興味をもっている。

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