総合評価
ホンダ インサイト 走り トヨタ プリウス 走り
ホンダ インサイト
トヨタ プリウス
松下宏

初代モデルがクーペボディの燃費スペシャルだったのに対し、2代目モデルは実用的なハッチバックでハイブリッド専用車に仕上げてきた。しかもびっくりするような低価格で発売されたので、当面の大ヒットは当然という感じ。値下げした現行プリウスが登場した後で、どれだけ勢いを維持できるかが課題となる。

ガソリン価格の一時的な急騰もあってモデル末期になっても極めて好調な売れ行きを続けた珍しいクルマ。初代プリウスが実験的なクルマだったのに比べると、2代目モデルはクルマとしても長足の進歩を遂げていて、売れるだけの魅力を持っていた。3代目の登場後も販売されるとのことで、これまた大いに楽しみだ。

片岡英明

189万円のバーゲンプライスを実現したのは立派だ。ハイブリッドビギナーの満足度は高いはずである。違和感のない運転感覚の実用車で、リアシートは広いとはいえないが、4人でのドライブも無難にこなす。インサイトのハイブリッドシステムは、高速道路や市街地走行の多いユーザーに向いている。逆に混んだ道は苦手だ。

10年以上にわたって販売しているだけにソツのない造りだ。モーターの存在感を前面に押し出しているため、未来ムードはインサイトを上回る。車両情報の出し方なども上手だ。同乗者を驚かせるほど乗り味は新鮮である。3代目プリウスの発売が間近に迫ってきた。現行モデルも併売されるようだが、価格次第ではさらに魅力を増すだろう。

国沢光宏

インサイトを買っているユーザーの多くは40歳台以上で、どちらかというとクルマ感度の低い層。つまり「ハイブリッドが安くなった」というPRに反応しているワケ。プリウスの性能を理解していないという傾向も強い。プリウスの廉価版が登場し、トヨタもリーズナブルな価格を全面的に打ち出してきたら厳しい展開になるだろう。

最大の関心事が「プリウス150」(排気量を示す)と呼ばれる廉価版継続生産モデルの価格設定である。ここにきて200万円を切るんじゃないか、というウワサも出てきた。実際、アルミホイールやオーディオを落とすなどインサイトと同等の装備内容にすれば十分可能。現行モデルを前述の通り実質40万円引きで買うのもいい。

TOTAL
117点
トロフィー 129点