新型トヨタ プリウス(北米仕様) エクステリア フロント 画像

※画像はすべて北米仕様

 

なぜ? 新型プリウス排気量アップの必要性

 デトロイトショーで発表された新型トヨタ プリウスは、1.8リッターエンジンに排気量アップされて登場した。気になる燃費は、50mpg(マイル・パー・ガロン)。聞きなれない北米の基準で、1ガロンのガソリンで何マイル走るかというものだ。現行のプリウスはというと、46mpgだから約9%アップした計算。1.5リッターエンジンから300ccも排気量をアップしながらも約9%の燃費アップは立派と考えるべきだろう。
 だが、疑問もある。なぜ、新型プリウスは排気量をアップする必要があったのか? 新型プリウスは、90%以上を新開発としたハイブリッドシステムを搭載する。より進化したハイブリッドシステムなら、同じ1.5リッターで9%どころではない大幅な燃費を向上できたはずだ。単純なカタログ燃費を重視するのならば、排気量アップのメリットは無いはずだ。

新型トヨタ プリウス(北米仕様) エクステリア フロント 画像

ハイブリッド車ならではの高燃費がネガティブ要素に!?

 そこには理由があった。ハイブリッド車は、高速航続燃費が良くないというウィークポイントが存在した。日本の首都圏のように信号や渋滞の多い街では、アイドリングストップと微低速域でのモーター走行により、ハイブリッド車ならではの高い燃費性能を得ることができる。
 ところが、アメリカやヨーロッパのようにハイウェイ中心やアベレージスピードの高い郊外になると状況は一変する。微低速域でエンジン効率の悪い部分をモーターで補うのはわずかで、あとはひたすらエンジン効率に頼るしかない。
 とくに、ヨーロッパなどでは、絶対的な速度も高く高速航続燃費だけなら環境系ディーゼル車も同等の燃費を出したりする。アメリカでは軽油が手に入りにくいインフラを持つため、それほどではないが、ディーゼル車が約半数近くを占めるヨーロッパでは、確実にネガティブな要素になり得るのだ。もちろん、日本においても高速道路中心で元気に走るユーザーにとっては、10・15モード燃費の35.5l/kmという燃費とはかなりかけ離れた燃費になるはずだ。

新型トヨタ プリウス(北米仕様) エクステリア リヤ 画像

新型プリウスでは実用燃費を強化

 そういう使い方に対して、燃費をアップする方法が排気量アップという選択だ。つまり、1.5リッターエンジンをブンブンと回して効率を悪化させるより、1.8リッターエンジンにして中速トルクを強化。エンジンの回転数を上げずに速度を上げ、エンジン効率を最適化し燃費を上げるという考え方だ。
 今までのプリウスは、アイドリングストップと微低速でのモーター走行とエンジンの効率アップで燃費を稼いでいた。どちらかというと、市街地中心の限られた使い方でパフォーマンスを発揮するタイプ。新型プリウスは、そんな限られた使い方からより幅の広い使い方に対しても高い燃費性能を享受できるようになった。つまり、実用燃費を強化するための排気量アップなのだ。
 世界トップレベルの0.25というCD値も低速域では意味が無い。CD値はやはり、高速域になってから効果を発揮する。そんなところからも、高速航続燃費を意識し実用燃費をアップさせるための新型プリウス開発陣の思いが感じ取れる。そんな新型トヨタ プリウスのデビューは5月中旬。気になる新型プリウスの価格は、200万台半ばから上と予想されている。

新型トヨタ プリウス(北米仕様) エクステリア リヤ 画像
達人プロフィール: 大岡 智彦
職業:コリズム編集長
自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。

 

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