
達人「こもだ きよし」が斬る!
職業:モータージャーナリスト
日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)、JAF交通安全委員会委員、セーフティドライビング・インストラクター・アカデミー会長、警察庁運転免許制度に関する懇談会委員、BMWドライバー・トレーニング・チーフインストラクターなど...

待望のセダンが新登場! 刺激的なルックスはクーペ譲り
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本国のM3にはクーペだけでなく、セダンとカブリオレというバリエーションも選べた。しかし、これまで日本仕様として正式輸入されたのはクーペだけだった。ところが新しいM3に関しては嬉しいことにクーペに加えセダンも日本のラインナップに加わった。
M3セダンといってもM3クーペと同様に通常のボディとは異なり、ワイドトレッドになりさらに幅の広いタイヤを履けるように、前後のフェンダーが広がっている。V8エンジンを搭載するためにボンネットのパワーバルジも大きく膨らみ、いかにも走るぞというイメージを演出している。
フェンダーが膨らんでいるにもかかわらず通常のセダンとM3セダンではスペック上の全幅は変わらない。ちょっと不思議だが、そもそも通常のセダンのボディ幅は1780mm程度しかなく、ドアハンドルの出た分が全幅として認証され1815mmになっているのだ。つまりM3セダンになってフェンダーが膨らんだが、そのドアハンドルによる幅になったということだ。
3シリーズにはセダン/ツーリング系とクーペ/カブリオレ系の二つの顔がある。だからM3もクーペとセダンでは違う顔になってもおかしくないのだが、M3に限ってはセダンもクーペ顔になっているところが奇妙だ。つまりフロントバンパー、フェンダー、ボンネットに関してM3はセダンとクーペでは共通だということ。
室内はセダンでは後席にちゃんと3人分のヘッドレストと3点式シートベルトが付き、5人乗りになっている。後席にも乗るチャンスが多い人や、会社の経費で買うために4ドアセダンが有利というユーザーには都合がいいだろう。
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クーペにも負けない走りを披露する本格派スポーツセダン
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走りは基本的にM3クーペと変わらない。その違いは2台並べて乗りくらべてやっと判るくらいの差しかない。スムースにつながるクラッチは6速MTを操ることを苦でなく、愉しみに変えてくれる。坂道発進でも2秒間持続するヒルスタートアシストのブレーキによって、免許取立てのドライバーでも1mmも後退せずに発進できる。
8200rpmからレッドゾーンの高回転型V8エンジンは、直列6気筒に負けないほど高回転で気持ちよく回る。低速トルクもたっぷりあり、サーキットから街中までこなせる懐の深さを持っている。
コーナリングは正確で鋭い。アクセルペダルとハンドルを介してドライバーの操れる範囲は広い。日本のスポーツカーのようにがちがちに固めてコーナリングするのではなく、しなやかなサスペンションでロードホールディングを高めているから、限界付近の挙動も穏やかで操りやすい。
しなやかなサスペンションの効果は乗り心地にも現れ、335iより快適な乗り味を提供してくれる。永く付き合いたくなる味わい深いセダンである。
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代表グレード
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BMW M3 セダン(6速MT)
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ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
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4585×1815×1435mm
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車両重量[kg]
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1640kg
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総排気量[cc]
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3999cc
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最高出力[ps(kw)/rpm]
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420ps(309kw)/8300rpm
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最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
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40.8kg-m(400N・m)/3900rpm
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ミッション
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6速MT
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10・15モード燃焼[km/l]
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8.4km/l
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定員[人]
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5人
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税込価格[万円]
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973.0万円
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発売日
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2008/3/17
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レポート
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菰田 潔
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写真
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佐藤靖彦
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