搭載される直列4気筒2.0Lの自然吸気DOHCエンジンは156ps(115kW)/20.4kg-m(200N・m)のパワー&トルクを発生する。すでにハッチバックボディの120iに搭載されているのと同じエンジンで、2L級のエンジンとしては十分な実力を持つ。
ヨーロッパ車らしく踏力を必要とするやや重いアクセルペダルを踏み込むと、タコメーターの針が気持ち良く駆け上がり、それに合わせてパワーが盛り上がっていく。6500回転から始まるレッドゾーンまでは一直線という感じで、時速50kmくらいで1速から2速にシフトアップしていく。この電子制御6速ATの滑らかな変速フィールも好感の持てるものだ。
当然ながらATはステップトロニックで、マニュアル操作が可能。カブリオレをオープンにして乗っているときには、Dレンジで流して走るほうが似合うかも知れないが、その気になれば積極的に走りを楽しめるのは良い。
130iクーペに比べると、エンジンが6気筒から4気筒になることで軽くなった分の大半を、オープンボディにすることで返してしまった感じはあるものの、120iカブリオレは135iクーペに比べてやや軽く、特にフロントの軽さが走りの軽快さを生んでいる。BMWのこだわりに従って車両重量がほぼ50:50に設定されている(クーペとは逆にリヤが50kg重い)ことも走りの軽快感につながる要素だ。
乗り心地はけっこう硬めだ。最近のBMWの足は全体に硬めにチューニングされている例が多いが、この120iカブリオレもその例に漏れない。オープンにして優雅に走るときのことを考えたら、もう少し乗り心地に振っても良いのではないかと思えた。
ソフトトップを閉じて走っているときの快適性はクーペとそう変わらない。幌であることの不利はほとんど感じなかった。オープンにしたときには、速度によってシートベルトの肩の部分がビビるのが気になったが、これはごく一時的なものだった。