ライター紹介

自動車ライター&エディター

近藤 暁史 氏

某自動車雑誌の編集者から独立。その前はファッションエディター(笑)。とにかくなんでも小さいものが好きで、元鉄チャンで、今ではナローゲージを大人買い中。メインのクルマは19歳の時に買ったFIAT500。エンジンのOHからすべて自分でやり、今やもうやるところがない状態でかわいがっております。表向きは自動車ライターながら、業界唯一の省燃費グッズの評論家というのがもうひとつの顔。

総合評価

トヨタ クラウン

松下宏

プラットホームをキャリーオーバーした今回のモデルは、やや不利な立場にあったにもかかわらず、それを完成度の高さとして具現化してきた点を評価したい。日本車で育ってきたユーザーが、日本の道路交通環境のなかで使うなら、これほど快適かつ魅力的なクルマはないといってもいいくらい。満足して乗れるクルマだ。

片岡英明

クルマを知らない人にも高級車としての魅力がわかりやすいクルマだ。しかも2.5リッターのベーシックグレードから先進装備、安全装備、快適装備が充実。また、走りのポテンシャルも高い。クラウンらしさを尊重しながら正確なハンドリングと優れた接地性能を手に入れた。ライバルにはないハイブリッドを設定しているのも強み。

国沢光宏

ベーシックな2.5リッターのナビなしロイヤルシリーズ(ほぼフル装備で368万円)でも、クラウンの魅力がすべて詰まっている。このグレードを買って11年乗れば、なかなかのコストパフォーマンスだと思う。価格と車格でレクサスIS/GSシリーズとバッティングするけれど、どんな基準で比べたってクラウン優勢。

日産 フーガ

松下宏

単なる高級車ではなくスポーティなイメージも備えるのはセドリック/グロリア時代からの伝統である。クルマ作りの方向性でクラウンと異なる部分のあるクルマだ。単純に比較するなら、発売されたばかりのクラウンに比べて不利になる点が多いのは仕方ないが、フーガにはクラウンとは違う、高級車として一定の存在感がある。

片岡英明

精緻なクラウンと比べると荒削りだが、スポーティ感覚を全身から発散している。尖がったプレステージセダンで、ステアリングを握るのが楽しい。フラッグシップのV8エンジン搭載車はスポーティなだけでなくパンチ力も文句なしだ。その反面、同乗者の快適性やくつろぎ感は今一歩にとどまる。アンチ・クラウン派には得がたい個性的な1台。

国沢光宏

客観的に評価すればよいクルマである。しかしセドリック/グロリアというブランドを失った上に、味も薄め。クラウンと比べられてしまうと大いに厳しい。かくなる上は次期型でセドリック/グロリアという車名を完全復活させ、日産らしさを強く打ち出すべし! 思い切った方向転換を行わない限り販売増は難しいんじゃなかろうか。

TOTAL 130点 115点