ライター紹介

CAR-TOPICS編集長

村田 創 氏

大学卒業後新車ディーラーにて5年勤務。その後、中古車のガリバーへ入社。車一筋20年以上のベテランが新車から中古車まで幅広く解説します。

ROUND2 達人によるコダワリ評価

評価するのはこの達人たち

松下 宏

小さくて軽く、誰でも買える価格帯、そして燃費がよいということを信念としてクルマを評論。大本命といわれている車種さえ外してでも自らの信念を貫き通す熱いハートをもつ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員としても、その信念は変わらない。

片岡 英明

学校の先生から自動車雑誌編集者経て、モータージャーナリストになったという異色の経歴を持つ。元教師ということもあり、分かりやすい評論に定評がある。さらに、クルマの細部まで見逃さない観察力はハンパではなく、徹底的に調べ上げてしまうほど。最新のクルマから、ヒストリックカーまで幅広い知識をもつ。

国沢 光宏

歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなく、WRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

コダワリ評価GO!

走り Driving

トヨタ クラウン

松下 宏

3.5リッターはアスリートだけに搭載されるものだが、走りのパフォーマンスは豪快。クラウンとは思えないような走りを示す。ロイヤル系も含めて乗り心地のよさは特筆モノだ。

9点

片岡 英明

3.5リッターの直噴V6エンジンはスムースさ、トルクの出方、パンチ力ともに素晴らしい仕上がり。アスリート系は正確なハンドリングを身につけ、乗り心地との妥協点もかなり高い。

9点

国沢光宏

乗り心地、ハンドリング、絶対的な動力性能といったすべての評価項目で圧倒的に高い点数を取る。普通に乗るならば、2.5リッターで必要にして十分な速さ有す。

9点

日産 フーガ

松下 宏

エンジンのパフォーマンスはクラウンと同等レベルだが、足回りも含めた総合的な走りではクラウンが優位に立つ。発売時点の違いもあるが、乗り心地などではやや劣る。

8点

片岡 英明

V6エンジンは鋭い瞬発力を見せるが、デリカシーに欠ける面がある。パドルシフトは操作しやすい。後輪アクティブステアは一体感のある走りを生むが、乗り味はかなり硬質な印象。

8点

国沢光宏

マイナーチェンジでググッと質感を向上させてきた。ボディの剛性感やエンジンの回転フィーリングなど、全体的に古さを感じさせるものの、かといって決定的な弱点はなし。

8点

SUBTOTAL 27点 24点

スタイル(デザイン) Sytle(Design)

トヨタ クラウン

松下 宏

ボンネットフードの傾斜を強めたことで威圧感は薄れたかもしれないが、堂々たる存在感と新しさを感じさせ、うまくバランスの取れたデザインに仕上がっている。

8点

片岡 英明

どこから見てもクラウンとわかるデザインだ。好評を博したゼロ・クラウンを正常進化させているが、押しの強さは今一歩。アスリート系と比べるとロイヤル系は顔立ちもおとなしい。

8点

国沢光宏

高い人気を得ていた従来モデルのボディシルエットをそのまま引き継ぐ。押し出し感や豪華さが物足りないという人は、間もなく登場する次期型マジェスタを待つべし。

9点

日産 フーガ

松下 宏

発売から3年以上経過したが、いまだに古さを感じさせないデザインだ。スカイラインと似た印象が強いのは、日産車の統一性として評価すべきかもしれないが、物足りなさも。

8点

片岡 英明

ロングノーズのプロポーションを強調するため、ルーフラインまでも丸みを帯びたものにした。若作りの顔など、スポーティ感覚は強い。が、高級車ムードは今一歩にとどまる。

8点

国沢光宏

存在感はクラウンを凌ぐものの、なぜか「大柄なだけ」のクルマに見えてしまう。ヨーロッパ風のクラウンに対し、フーガはアメリカ車風なのだ。インテリアも同じ傾向。

7点

SUBTOTAL 25点 23点

パッケージング Packaging

トヨタ クラウン

松下 宏

室内寸法を見ると数値的にはやや劣るものの実質的な広さ感には違いがない。むしろボディの全幅を1800mm以内に収めた点が、国内向けのモデルとして評価できる部分だ。

9点

片岡 英明

日本の道路事情に合わせて最小のサイズアップに抑え、そのなかで快適なキャビンを目指した。先代と大差ない広さだが、後席の居心地はよくなっている。トランクは十分な広さだ。

8点

国沢光宏

先代モデルよりホンの少し"車格"が下がった感じ。マークXに近づいた、と表現すれば解って頂けるんじゃなかろうか。そうなると、リアシートより運転席に乗るクルマだと思う。

9点

日産 フーガ

松下 宏

余裕のボディサイズを生かして十分な室内空間を作っているが、ボディの全幅が1800mmを超すと国内では使い勝手が悪くなる面も。立体駐車場への入庫で制約を受けるからだ。

8点

片岡 英明

ドライバーを優先したパッケージングで、着座位置は低く、かなりスポーティである。後席も不満のない広さを確保した。トランクのフロア形状はいいが、開口部は狭く、容量も今一歩。

8点

国沢光宏

クラウンと同じく、広いと言えぬ日本の道路環境でも不便さを感じさせない最大限のボディサイズをもっている。残念ながらスカイラインとキャラが少し被ってしまってます。

8点

SUBTOTAL 26点 24点

プレミアム性 Premium

トヨタ クラウン

松下宏

トヨタが国内向けに販売するクルマの最高峰にあるのは確か。欧米のプレミアムブランド車と比較されても堂々と乗っていられるクルマになってきた。高いプレミアム性をもつ。

9点

片岡英明

エクステリアは正統派の高級車然としたデザインだ。インテリアも高級ムードがわかりやすい。同乗者を納得させるだけのプレミアム感覚が随所に見られる。高級感の演出は上手だ。

9点

国沢光宏

明確なブランドイメージをもっている。クラウンの新車に乗っている人を見ると「センスよくて、よい暮らしをしている人」に見えます。クルマから教養を感じるのだ。

10点

日産 フーガ

松下宏

クラウンと互角に近いプレミアム性をもつが、フーガとしては初代モデルである点が歴史不足。プレミアムの中には歴史の重みも加わってくるからだ。

8点

片岡英明

クラウンとは違う路線とテイストで、新しい高級車像を狙っている。若々しいデザインだが、保守的な日本のシニア層には受け入れられにくい。インテリアの質感は負けていない。

8点

国沢光宏

セドリック/グロリアという伝統ある車名を失って以後、ブランドイメージは大幅に薄まってしまった。フーガと言ってもどんなクルマか解らない人さえ少なくありません。

7点

SUBTOTAL 28点 23点

お買い得感 Buyers

トヨタ クラウン

松下 宏

アスリートの上級グレードは500万円を大きく超えた設定で、決して安くないクルマになった。500万円台前半で手に入る3.0ロイヤルサルーンGのほうがリーズナブルな印象だ。

7点

片岡 英明

廉価モデルからVDIMやパワーシートを奢っている。ベーシックグレードでも快適装備と安全装備は充実しており、とくに2.5リッターモデルは買い得。が、3.5アスリートはそれなり。

8点

国沢 光宏

ブランドイメージを考えればお買い得である。なにしろBMW3シリーズやベンツCクラスのベーシックグレードを買う予算で、ナビ付きのクラウンが買えてしまうのだから。

9点

日産 フーガ

松下 宏

クラウンとオーバーラップする価格帯で表面的な買い得感は同等の印象。ただ、モデルの新しさでクラウンが優位に立つため、フーガのほうが買い得感はやや薄れる。

6点

片岡 英明

装備差はあるが、このクラスとしてはバーゲンプライスだ。3.5リッターモデルでも割安感がある。また、上級のV8エンジン搭載車も買い得感のある価格を打ち出している。

9点

国沢 光宏

価格設定という点じゃクラウンと並ぶ。されどブランドイメージ弱く、リセールバリューだって厳しいと思う。今から買うと3年後は次期モデルになっている点もマイナス。

6点

SUBTOTAL 24点 21点