総合評価
ダイハツ タント スズキ パレット
ダイハツ タント
スズキ パレット
松下宏

スペースを徹底追求した軽自動車を代表するモデルで、今回のモデルではBピラーレスのミラクルオープンドアを採用してきた。これによる圧倒的な乗降性のよさはほかの軽自動車にはない魅力。最新のパワートレーンによる走りのよさも魅力だ。唯一画竜点睛を欠いたのは、廉価グレードにABSが標準装備されていないこと。

スズキはそうではないと言い張るが、タントの後追いモデルであるのは確か。オリジナリティに欠けるのは大きなマイナス要素。クルマとしての総合的な魅力では一歩劣る。後から出てきたクルマだけに、装備や仕様の面で充実(ABSを全車標準はスズキの軽自動車で初)しているほか、価格設定にもタントに対して割安感がある。

片岡英明

大ヒットした初代モデルを正常進化させている。が、プラットフォームを一新し、ピラーレスのミラクルオープンドアも採用した。子育てファミリーやお年寄り、障害者のいる人には使い勝手のいい軽ハイトワゴンになるだろう。標準モデルとカスタム系の差別化も上手だ。乗り心地がよく、タウンユースで使いやすいのは13インチタイヤ仕様。

タントの対抗馬として開発され、ワゴンRのプラットフォームに改良を加え、ホイールベースを延ばしている。絶対的な広さはタントにかなわないが、フロアは低く、室内高も高いので居心地がいい。乗降性も優れている。インテリアの質感は高く、装備の使い勝手もいい。ターボは実力派だ。が、燃料タンク容量が少なめなのは気になる。

国沢光宏

高額グレードになるほどタントのよさが出てくる。逆に安価なグレードはATもパレットと同じ4速AT。安全装備やタイヤの性能などを見ると、パレットのほうが完全にワンランク上。タントを買うなら「Xリミテッド」(132万3千円)以上の御予算ということになります。安いクルマを考えている、というならパレット優勢?

123万9千円の「X」でサイドエアバッグや14インチタイヤ、左側電動スライドドア、オートアエアコン、プッシュボタン式スターターなどが標準で付く。こらもうひと昔前なら2リッター級ミニバンの"フル装備"に該当するくらいの充実度。安くていい買い物をしたいという人は、パレットをメインに考えたらいい。

TOTAL
トロフィー 129点
125点