総合評価
スバル インプレッサ WRX STI 三菱 ランサーエボリューションX
スバル インプレッサ WRX STI
三菱 ランサーエボリューションX
松下宏

280馬力超えを実現したエンジンに加え、新しいSIシャシーを採用することで走行性能を大きく高めたのが注目される。シンメトリカルAWDのバランスの良さも相変わらずだ。ただ、トランスミッションがMTだけというのが残念なところ。MTを上回る2ペダルの登場が待たれるところだ。

乗り味に荒々しい印象が残るなど、部分的にはまだ熟成の余地があるが、ツインクラッチSSTの採用が大きなポイントになる。それも走りに応じた自動変速など、ヨーロッパメーカーのシステムに比べて格段に高いレベルに仕上げられている。考え方にもよるが、SSTの採用で総合的な魅力ではSTIを上回るのではないか。

片岡英明

ドライバーの感性にマッチした操縦安定性を身につけている。FR的な挙動を見せる。操る愉しさの演出は見事だ。マルチモードDCCDはドライバーの意思によって操縦感覚を選べ、好感が持てる。車重は軽く、回頭性も素晴らしい。誰がステアリングを握っても操る楽しさがわかりやすいのが魅力だ。2ペダルのスポーツATを加えてほしい!

最新のハイテクデバイスを用いた4WDシステムによりバーチャルリアリティ感覚の新鮮な走りを堪能できる。オン・ザ・レールで狙ったラインに難なく乗せることが可能だ。また、2ペダルのツインクラッチSSTは、イージーに気持ちいい走りを引き出すことができる。が、インプレッサより車重があり、燃料タンクも意外と小さい。これが弱点だ。

国沢光宏

この手のクルマは競技車両のベースになることが存在価値となっている。インプレッサの場合、すでにグループNのホモロゲを受け、夏にはWRカーもデビュー。従来通りの人気をキープすることは間違いない。ちなみに新型同士を比較すると、インプレッサの方が高い戦闘力持つといわれてます。自分で買うならインプレッサを選ぶ。

今のところ限りなく市販車に近い状態で競うグループNはホモロゲがいつ取れるか明確になっていない。トップカテゴリーのWRカークラスも開発しておらず。単に速いだけのモデルじゃ、コアなクルマ好きの気持ちを引き寄せられないと思う。競技車両のベースになったら、すべての評価項目でインプレッサと同点にしたい。

TOTAL
トロフィー 139点
133点