ライター紹介

自動車評論家

松下 宏 氏

中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。 誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。

パッケージングを追求して広い室内空間を確保した

タントの初代モデルは2003年11月にデビューした。当時はトールボーイのムーヴが良く売れていたが、ムーヴよりもさらに高い車高を持ち、より広い室内空間を確保したモデルとして登場した。ムーヴでも十分に広かっただけに、こうしたモデルが必要かどうかとも思われたが、子育てママを中心に意外なほど好調な売れ行きを見せ、月に8000台平均もの売れ行きとなった。今やムーヴやミラと並ぶダイハツの3本柱のひとつとなっているのがタントである。
 そのタントが4年目にして早くもフルモデルチェンジを受け、2代目モデルに進化してきた。新型ムーヴなどと同じ新しいプラットホームを採用し、パッケージングをさらに煮詰めることで一段と広い室内を確保したのが特徴。今回のモデルではさらに左側のリヤドアにスライドドアを採用し、フロントドアとの間のピラーを廃止することで非常に大きな開口部を持つミラクルオープンドアを採用した。この発想自体はラウムやアイシスでも採用されているので目新しくはないが、軽自動車では初の採用である。

先代モデル同様に標準系とカスタムをラインアップ

このほか室内にたくさんの収納スペースが設けられているのは従来のモデルと同様だが、今回のモデルではさらに新しいアイデアによる収納も豊富で使い勝手を高めている。
 角張った感じのボディシルエットは基本的に従来のモデルと共通で、主に子育てママを対象にした標準系と、スポーティな志向の若い男女を対象にしたカスタム系のふたつの外観を持つ。

代表グレード カスタム Xリミテッド
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3395×1475×1750mm
車両重量[kg]940kg
総排気量[cc]658cc
最高出力[ps(kw)/rpm]58ps(43kw)/7200rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]6.6kg-m(65N・m)/4000rpm
ミッションCVT
10・15モード燃焼[km/l]20.5km/l
定員[人]4人
税込価格[万円]147.0万円
発売日2007/12/17
レポート松下宏
写真和田清志

従来モデルのイメージを残しつつ洗練された印象を与えてくれるエクステリア。写真の標準系の他にスポーティなカスタムを用意するのも先代同様だ。

全高の高さがとても印象的だ。おかげで室内はとても広く、荷物の積み降ろしなどもしやすい。

カスタムは専用のランプやバンパーを装着し、スポーティな雰囲気をプラスしている。

標準系とは異なるリヤコンビランプを装着。ガーニッシュも装備し、スポーツ指向のユーザー向けのデザインが与えられる。

トヨタのラウムやアイシスなどと同じく、左リヤドアにピラーレスのパワースライドドアを採用する。後席への乗り降りはもちろん、チャイルドシートの装着や荷物の積み込みも容易だ。

タントの総合評価 4点/5点
1.安全基準 3点/5点
2.環境・燃費基準4点/5点
3.リセールバリュー4点/5点
4.デザイン4点/5点
5.走り4点/5点