総合評価
ホンダ フィット トヨタ ヴィッツ
ホンダ フィット
トヨタ ヴィッツ
松下宏

エンジン、トランスミッション、ステアリング、乗り心地、パッケージングなど、全面的に進化したのが今回のモデル。引き続きこのクラスで最も魅力的なクルマに仕上がったといえる。ただ、安全装備については手を抜かずに、後席中央の3点式シートベルトとヘッドレスト、さらにサイドエアバッグやVSAの標準装備化を早急にしてほしい。

それなりに良くできたクルマではあるが、際立って特徴的な部分が少ない。特にフィットとの比較では上回っている部分がほとんどないのが実情だ。SRSサイドエアバッグは標準装備化されたが、それより先にすべき後席中央の3点式シートベルト&ヘッドレストが装備されていない。まだまだ安全思想の立ち遅れが目立つ状態だ。

片岡英明

パッケージングは革新的で、後席の居住空間はライバルを圧倒する。ラゲッジルームの広さと使い勝手も文句なしだ。泊りのドライブのときでも荷物を目いっぱい積める。セダンにもワゴンにもなるマルチパーパスカーで、営業車として使うことも難しくない。これだけ欲張ったコンパクトカーは、世界中を見回してもフィットだけだろう。

頑固に今までの2BOX路線を守り通している。外観から想像するよりキャビンは広く、後席でも実用になる広さと快適性を手に入れた。走りの質が高く、1リッターの3気筒エンジン搭載車もキビキビとした走りだ。安全装備や快適装備にもきちんと目を向けるなど、トータル性能が高いコンパクトカーだ。が、荷室の広さなどに割り切りが目立つ。

国沢光宏

もしフィットを候補に考えているなら迷うこと無い。いや、フィット以外を考えていてもフィットを強くプッシュしておく。これくらい高い完成度とコストパフォーマンスを持つクルマは世界的に見ても存在しない。1.3リッターのベーシックグレードの価格も、大いに魅力的だ。オプションのサイドエアバッグを付ければ完璧です。

決して大きいボディサイズと言えないフィットを「少し大きい」と感じるならヴィッツも悪い選択じゃない。ただ正直な所「トヨタ車である」という点を除きフィットに全ての評価項目で勝てておらず。「トヨタであることが決定的なんですよ」と言われたなら、その通りと答えますが。強いて言えば1リッターモデルを推奨しておく。

TOTAL
トロフィー 138点
114点