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先代の弱点は完璧に克服された!
コンパクトカークラスの王者は当確か?

ライター紹介

自動車評論家

国沢 光宏 氏

歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど、多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなくWRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。

先代の弱点は完璧に克服された!

新型フィットの売れ行きが好調だ。発売以来2週間で2万台の受注を受けたという。果たして先代以上の成功作になるだろうか?

 早速試乗といきましょう。まず感じるのがスタート時のスムースさ。初代フィットのCVTは、スタート用のクラッチとして油圧タイプ(マニュアルミッション車と同じ構造のクラッチを油圧で制御するシステム。コスト的に有利)を使っており、トルコンを使う通常のATに比べるとややギクシャクする傾向にあった。

 特にユックリ走り出すようなケースや、走行距離が伸びたクルマで不満の声が多かったという。新型は「自然な走り出し感」となるトルコンタイプのCVTへ変更。スタート時のフィーリングはもちろん、加速する際のレスポンスを大きく向上させている。 

 CVTと並ぶ数少ないウィークポイントだった乗り心地も大きく改良された。初代フィットはコスト削減のため、KYB製のショックアブソーバーを採用。結果、小さな路面のデコボコを通過したような時に突き上げ感のある乗り心地になってしまう。  

 ホンダとしても改良すべき課題と認識していたようで、ショックアブソーバーをショーワ製に変更。サスペンションがよく動くようになり、乗り心地は非常にしなやかなものになった。初代フィットから乗り換えると、完全に1クラスくらい車格が上がったように感じるだろう。

 エンジンも大幅に改良している。動力性能はコンパクトカークラストップのレベルまで向上。従来型より14馬力増の100馬力を発生する1.3リッターエンジン搭載車で全く不満のない動力性能を持つ。110馬力から120馬力にパワーアップした1.5リッターになると、一段とパワフル&上質なフィーリングを味わうことが可能。

コンパクトカークラスの王者は当確か?

走りのレベルや乗り心地の質感を高めながら重量増が無く、お値段ほぼ据え置きというところも凄い。今回のモデルチェンジでボディサイズの拡大やトルコンの採用。年々厳しくなる衝突安全基準クリアするための補強など行った。これらの変更は、重く、そしてコスト高になる要素ばかり。実際、最近モデルチェンジされたトヨタ車を見ると、軒並み50kgから100kg前後重くなっています。しかし、新型フィットの車重は従来型比10kg増の1010kgに抑え込んだ。地味ながら凄い技術力だと思う。

ちなみにフィットの特長だった「クラストップの居住空間」は、もう驚くばかり。リアシートのレッグスペースだけでなく、ラゲッジスペースも拡大されており、1,8リッター級のセダンと同等の使い勝手を持つ。成人男性4人+人数分の荷物だって積めてしまうほど。

ゆったりとしたサイズのフロントシート、フレームはアコードのものだという

リアシートには座面を跳ね上げ、観葉植物等の高さのある荷物を運べる機能も備わる

スペアタイヤの廃止により、ラゲッジスペースには床下の収納スペースも加わった

ワンモーションフォルムがより強調されたサイドビュー

後ろからの眺めはベンツAクラスに似た雰囲気も感じられるか?

「ロード・セーリング」を意味するRSは1.5リッターエンジンを搭載

 おすすめグレードはベーシックな1,3リッターの『G』(119万7千円)。これに好みのナビを付けてやれば全く不満の無いクルマになってくれるだろう。