ライター紹介

自動車評論家

松下 宏 氏

中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。 誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。

ゆったりとした広い室内空間を実現した

 フィットの室内空間は従来に比べてグンと広くなった感じだ。ボディの全幅が5ナンバー車枠いっぱいにまで拡大され、全長とホイールベースが延長されたことが広い室内つながっている。もちろん、従来からのセンタータンクレイアウトが室内の広さに大きく貢献しているのは言うまでもない。
 インパネ回りのデザインはコンパクトカーらしいシンプルなものだが、質感はそれなりに高いレベルにある。ステアリングホイールはシビックと同じデザインとされている。
 運転席に座ったときの印象は、とても視界の良いクルマだというもの。左右の三角窓の面積が大きくなって視界確保に意味のある三角窓になったほか、上方まで広がるフロントガラスが大きな視界につながっているし、ガラスルーフのスカイルーフを装着したモデルも視界を拡大させている。後席ヘッドレストのデザイン変更により後方視界も改善されている。

使い勝手を重視したインテリア

 快適装備はホンダ車の常としてオーディオがオプション設定。オーディオかカーナビを装着する必要がある。オプションはほかにヒーテッドドアミラーなどのコンフォートビューパッケージ、本革巻きステアリングなどのSパッケージ、ハイトアジャスターなどのFパッケージといったセットが用意されている。
 FパッケージはGのみに設定されており、ほかのグレードで標準装備となる快適装備をまとめてセットにしたもの。電動格納式ドアミラーなど肝になる装備が入っているので、Gを選ぶなら必ず装着したい。
 新型フィットにはカップホルダーが10個所も設けられている。5人乗りなので一人当たり2個所のカップホルダーが使えるわけ。そんなに必要ないともいえるが、収納について頑張ったのは確か。後席のシートの座面裏には取扱説明書の入るポケットもある。
 安全装備はサイドSRSエアバッグが全車にオプション設定で、横滑り防止装置のVSAはRSのFF車にだけ用意され、5速MTには標準でCVT車にはオプション設定となる。残念なのは後席中央に3点式シートベルトやヘッドレストが装備されていないこと。欧米で販売しているフィット(ジャズ)には装着されているのだから、国内仕様にないのは承服できない。

代表グレード 1.3G(FF)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3900×1695×1525mm
車両重量[kg]1010kg
総排気量[cc]1339cc
最高出力[ps(kw)/rpm]100ps(73kw)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]13.0kg-m(127N・m)/4800rpm
ミッションCVT
10・15モード燃焼[km/l]24.0km/l
定員[人]5人
税込価格[万円]119.7万円
発売日2007/10/18
レポート松下宏
写真佐藤靖彦

ボディサイズが拡大されたこともあり、とても広々した印象のインテリア。エアコンやナビの操作性もよく、コンパクトカーとしての使い勝手を追求している。

フロントシートはサイズも十分あり、サポート性も高い。スペースもゆったりとしており、小物の収納スペースなども充実している。

ホイールベースが延長されたおかげで、足元のスペースは広々としている。ヘッドクリアランスも問題なく、快適に移動可能だ。

コンパクトカーでは特に重要な収納スペースは充実している。日常ユースでの使い勝手は抜群だ。

ミッションはFFがCVTで、4WDは5速ATとなる。またRSでは5速MTもラインアップしている。

RSにはオプションでスカイルーフが装着可能。開放感は抜群で、より広々とした印象を与えてくれる。

ラゲッジスペースは容量も十分確保されている。またフロア下にもスペースがあるなど、使い勝手はとてもいい。