最新の電子デバイスによる安定感の高い走りが魅力!
搭載エンジンは直列4気筒2.0LのMR20DE型と2.5LのQR25DE型の2機種。2.0LにエクストロニックCVTが組み合わされ、2.5Lでは6速マニュアルモードのついたエクストロニックCVT-M6となる。2.0Lの4WD車には6速MTの設定もある。2.5Lは4WD車だけだが、2.0LにはFF車も設定されている。
試乗したのは2.0Lと2.5Lの4WD車だ。一般道とモビリティパークの特設オフロードコースとで試乗したが、新しい4WDシステムのオールモード4×4-iは、オフロードコースで特に高い走破性を発揮してくれた。
オールモード4×4-iは横滑り防止装置のVDCと組み合わせることで、ヨーモーメントコントロール機能が加わったほか、ヒルデセントコントロールやヒルスタートアシストの機能も追加されている。
オフロードコースにはさまざまなセクションが設けられていたが、最初に確認できたのはヒルスタートアシスト。かなりの急坂の途中でクルマを停止させ、ブレーキを強く踏み込むと、ペダルから足を離しても2秒間はその状態が保持され、後退することがない。アクセルを踏み込めばブレーキが解除されて登坂を続けられる。これはオフロードではもちろん、地下駐車場からの出口の坂の途中にある料金精算機など、日常生活のいろいろなシーンで便利に使えそうだ。
下り坂で自動的にABSを働かせて速度を制御し、ゆっくりと下り坂を下ることができるヒルデセントコントロールは、効き始めるまでの一瞬だけスリップを感じるが、急坂ではすぐに効果が表れて安定した姿勢で下り坂を走ることができる。今ではオフロードを走るためのクルマには必須ともいえる装備になっている。
もうひとつのヨーモーメントコントロール機能は、8の字旋回を重ねることで確認できたが、これも相当に効果的。この機能があっても極端な操舵をすればアンダーステアが出るのは避けられないが、常識的な走りを想定して走る限りでは、車速と操舵との関係で適度なコントロールが入って安定した姿勢を保つことができる。雪道などでコーナーを走るときにうれしい機能だ。
オンロードでも快適な乗り心地を実現した
モビリティパークのオフロードコースにはほかにもさまざまなセクションが設けられていて、深いモーグルの部分では何度かやり直さないと走破できないシーンなどもあったが、全体として相当に高い走破性を持つことが確認できた。
一般道での走りは、2.0LのMR20DE型エンジンで十分という印象。CVTのスムーズな変速フィールが乗用車的な走りを感じさせる。エクストレイルでは先に登場したデュアリスと同様、ヨーロッパ製のダンパーを使うことで乗り心地と安定性に優れた足回りを実現しており、オンロードではこれによる効果がはっきり出ている。
2.5Lエンジンの搭載車はマニュアルモード付きのCVTとなっていたが、どうせなら2.0L車にもこれを設定して欲しいところ。2.5Lエンジンのほうは、性能に余裕が出るとはいえ積極的に選びたくなるほどのうれしさは感じられなかった。
●お勧めグレード
SUVでは一般に、そしてエクストレイルではとりわけ、4WD車を選ばないと意味がないと思う。SUVタイプのクルマでFFを選ぶくらいなら、ほかにもっと軽くて燃費が良くて安い適当なクルマがたくさんあるからだ。
エクストレイルでは2.0Lエンジンを搭載した4WDの20Xがお勧めグレード。CVTと6速MTの選択が可能で、本気でオフロードを走るユーザーなら6速MTという選択もないではないが、一般的にはCVT仕様を選ぶことになるだろう。
オプションでカーナビ(30万円程度)、インテリジェントキー(6万円弱)、Sパック(8万円弱)などを装備したい。